転移3
それにしてもあの遠くに見えるのはなんなんだろう。
焼け野原みたいだけど。
しばらくして僕たちは街のすぐ近くまできた。
そこにはとても大きな門があり、壁で覆われていた。
「こんなに大きな街があるなんて、」
僕がそう呟くと達也もうなずいていた。
門の前には鎧を着た兵士が二人立っていた。
あの兵士に話しかけたら入れるのだろうか。
それ以外に方法は見当たらなし、達也と相談して僕たちは門の前の兵士に話しかけることにした。
「すいません!ここ街ですよね?僕らはぐれちゃったみたいで
中に入りたいのですが」
僕が尋ねると、兵士は二人で顔を見合わせ何も言わず門を開けてくれた。
僕たちが門を通ろうとしたその時、
兵士たちが僕と達也の背中を蹴り、僕たちは転げるように街の中へ入った。
そしてすぐさま門は閉められた。
「いっててー、どういうことだ?」
達也が転げた拍子に服についた砂をハタキながら言う。
「分かんないけど怪我はしていないか?」
僕がそう問いかけたが達也はピンピンしていた。
僕もそうだ。普通なら怪我はせずとも痛みは感じるはずだけど
一切の痛みすら感じていなかった。
「なあ相太!見てみろよ!すごい街だぜ!」
街の方を見ると、初めて見る光景、
海外の街って感じがして、心が踊っていた。
そして僕たちはこれから今置かれている現状を
知ることになる。