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勇者の孫の旅先チート 〜最強の船に乗って商売したら千の伝説ができました〜  作者: 長野文三郎


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大洋を渡る


 蛇鬼王ヤクルスというのは相当な強敵だったようで、確認すると僕のレベルは一気に3も上がっていた。

快勝できたように感じていたけど、奴に勝てたのはゲンブを装着していたおかげだ。

ヤクルスが率いる魔軍も精鋭ぞろいだった。

生身の体で戦っていたら負けていたと思う……。


 思い返してみれば背筋が寒くなるような気もする。

この先は、ヤクルスのような敵が複数で攻めてくることだって考えられるのだ。

僕も気を引き締めて準備しておかなければならないだろう。

でも、このような強敵を撃退できたのは大きな自信につながったことも間違いない。


職業 船長(Lv.34)

MP 1024618

所有スキル「気象予測」「ダガピア」「地理情報」「言語理解」「二重召喚」「伝導の儀式」「三重召喚」「潜水能力」「釣り」「四重召喚」


■新スキルを取得 「水上歩行」

■新武装:六連装魚雷発射管


レベルアップに伴いオプションを選べます。

a.セーラーウィング×10体

b.セーラー4×300体


 新スキルの「水上歩行」は非常に便利だと思う。

魔物との戦闘は言うに及ばず、普段の生活の中でも役に立ちそうだ。

サルベージのときの作業でも活躍できる場面はあると思う。


 それから新武装の魚雷。

これで海中の敵を倒しやすくなったな。

奴らを叩くには音響魔法とかバリバリのバリスタ、セイリュウなんかを使っていたけど、魚雷なら遠距離からも攻撃できる。

戦術の幅は大きく広がるはずである。


 そして、オプション選択か……。

今回はセーラーウィングを選択した。

セーラー4による戦力アップも魅力的だったけど、戦いや貿易において情報の価値は計り知れないことを僕は学んでいる。

こちらは迷わずにセーラーウィングを優先した。


 と、このように僕のレベルも上がり、メリーベルと友だちになれて、いいこといっぱいのリミック寄港だったのだけど、アルシオ陛下とシエラさんは少しだけ不機嫌だ。

僕が何かしたのだろうか?


「レニーはメリーベルとばかり遊んでいて、わらわのことはないがしろにしたではないか」

「そうだぞ、レニー君。ここ数日の君は私にも冷たかった」


 ええっ!?


「そんなことありませんよ! 遊ぶときはみんなで遊んでいたじゃないですか」

「まあ、そうではあるが……、二人の仲が良すぎて嫉妬しているのだ」


 アルシオ陛下はストレートに気持ちをぶつけてくる。


「陛下……」

「ふん、その呼び方は禁止だ。これまで通りアルシオと呼べ」


 リミックにいる間は身分を明かすこともできず、陛下は僕の侍女ということにしていたのだ。

これはもちろんアルシオ陛下が言い出したことだ。


「だめですよ。あれはお芝居だったのですから」

「なんだ、つまらん……。レニーの身の回りの世話をするのはなかなか楽しかったのになあ」

「まったくです」


 滞在中は陛下とシエラさんが二人掛かりで起こしにきたり、着替えを手伝ってくれたり、果ては湯浴みの手伝いまでしようとして大変だったのだ。

もちろん丁重にお断りしたけどね。

だって、恥ずかしいんだもん……。


 僕らはユーロピア大陸を離れ、ファンロー帝国のあるアゼイア大陸へと大洋に乗り出している。

リミックへ行ったために北寄りの航路となったけど問題はないだろう。

召喚できるようになったばかりのセーラーウィングを10体召喚して情報を得つつ、東への航路をひた走った。


「地図上では、補給できそうな島などはないようだな」


 アルシオ陛下はクルーザーを操りながら、現在位置と航路を確認している。


「そうですね。ただ、世界地図には不備も多いのです。じっさいは地図に描かれていない島も多く、住民だってたくさんいます」

「同じように魔物が住む島もか」

「その通りです。ここからはさらに慎重に進まなくてはなりません」

「うむ。だが今のところは、特に問題があるとも思えないな」


 モニターには、先行したセーラーウィングが撮影する映像が映し出されている。

海は穏やかで魔物の姿もない。


「おや、島が見えるな。11時の方角だ」

「けっこう大きな島ですね。ウィングに調査させてみましょう」


 セーラーウィングは僕の命令を聞いて、島の方へと向かった。


「むむ、建物が見えるぞ」

「見たことのない様式ですね。人間も多そうです」


 建物の様式は東西の文化が混じり合った独特の雰囲気だ。

気候が温暖なためなのか窓や扉が大きく、開け放った造りになっている。

人々もユーロピアやアゼイアに住む人種とは異なるようだ。

見たことのない風景が僕の好奇心をくすぐる。

あそこへ行けば、なにか面白いものが見られるかもしれない。


「陛下、この島に寄ってみませんか?」

「危険はないかな?」

「文化レベルも高そうですし、恐らく大丈夫でしょう」


 「言語理解」があるので、コミュニケーションは取れるのだ。

話し合いができるのならば、いきなり襲い掛かってくる人々というのはまずいない。


「ならば少し寄り道をしていこう」

「僕は島の人に渡すお土産を見繕みつくろってきますね」


 こういう場合は食べ物やお酒、陶器や布なんかが定番かな? 

コンスタンティプルで仕入れた物をプレゼントしたら喜んでもらえるだろうか? 

ウキウキとしながら僕はリビングへと駆け下りた。


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