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俺の悪役Life!!~悪役になりたい俺は主人公を極限まで陥れる~  作者: いちごジャム
アースの高校での生活
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アースとアスティーヌの決闘

観客(男子)視点


アース様は若干興奮気味だが、アスティーヌ君は冷静なようだ。


「あぁ、始めようじゃないか。」


アスティーヌ君がそう告げた。

するとアース様が手に魔力を込めて魔術を放出し、結界を張った。きっと観客に被害が無いようにしようとしてけれたのだろう。

アース様はああ見えて意外と(失礼だけれど)優しい部分もあるんだな、と僕は思った。


「何だ?」


ただ、その優しさはアスティーヌ君には伝わらなかった様だ。


「結界だよ。そんな事も分からないのか君は?」


前言撤回、僕の勘違いでした。

ここぞとばかりに平民を見下している。別に僕も平民は好きではないけれど、ぐちぐち言い過ぎではないか?


「……。」


アスティーヌ君が顔を歪めた。

可哀想に。

そうなっちゃうよね。


すると、アース様が連れてきたと思われる先生(Aクラス担任)が手をゆっくり上にあげた。そしてサッと下ろし、始め!と言った。


アース様はゆっくりと詠唱して魔術を構築している。


なんか、大分遅くないか?

僕が予想してたよりアース様はゆっくりと魔術を構築していた。


その間、勿論アスティーヌ君はその隙を見逃す筈がなく、アース様の方へとに向かって来た。

手に魔力を込めているようだ。

恐らく、接近してそのまま魔法をぶつける気だろうか?

魔法は…炎の錬金術かな!?

このままだと死んじゃうんじゃない?

炎の錬金術って世界屈指の魔術師が持ってるか持ってないか位の上位の物だよ!?なんで平民は持ってるの?

話がズレている。問題はアース様だ。アース様の今までの動きを見ていて、炎の錬金術を防げるようには思えない。

アスティーヌ君の手の内から炎の玉が出てきて一気に燃え上がる。

そして、その炎はアース様に襲い掛かり…

もうおしまいだ、と思ったその時、炎の中からアース様が転がり出てきた。


「アース様っっ!?」


周りの女子が喚く。

え、どうして避けれたの?

よく見ると、アース様が若干水で濡れている。

なるほど、水系統の魔術を放って避けたのか。


「心配するな、俺はこの程度じゃ死なないよ。」


………。

何か、何だろう、アース様見てると疲れる。


「……。」


勿論アスティーヌ君も呆れているようだ。そりゃそうだろう。

すると、アスティーヌ君がアース様を向いてじっとしている。どうしたんだろう?そんな隙、見せちゃっていいのかな?


そんなアスティーヌ君を見ていると、視界の横からアース様が飛び出て来た。そして、水系統の魔術を放った。

アース様、水系統が得意なのかな?


「がはぁあっ」


「きゃあぁぁあ!アース様~!素敵~!!」


女子がきゃあきゃあ騒ぎだした。

アスティーヌ君は、地面に転がった。

骨は折れたりしていないようだった。


「うっ…」


アスティーヌ君が苦戦の表情を浮かべる。


「頑張れ、アスティ~ッッ!!負けるんじゃない!!」


アスティーヌ君の友達(あまり覚えてないから確信は持てないけれど)がアスティーヌ君を応援している。


「ありがとう……シル!」


友達の声援を受けたアスティーヌ君はゆっくりと立ち上がり、アース様の方を向く。


「俺がッッ…倒させて貰うッッ!」


おお、格好良い!!


「そんな体で出来るのかなぁ?俺には、ボロボロの小汚い平民に見えますけどぉ?そんなちっぽけな力でどうにかなるんですかぁ?最初の一撃は油断して受けちゃったけど、2回目に反撃してやったら、もうこんなに!ボロボロみたいですけど?」


アース様が他人を見下す目を向ける。

アース様って、悪い奴なんだ、そういう認識が僕の中で芽生えた。

卑劣だな、と思った。


僕と同じ事を思ったのか、周りの貴族が怪訝な目でアース様を見る。

先程俺の事をきゃあきゃあ言っていた生徒も同様。


「何だと…?」


アスティーヌ君が悔しげにアース様を睨む。


「俺はさ、今まで俺に勝てる人なんていなかったからさ、退屈してたんだよね~!君、丁度良い強さだしボコボコにしてやってもいいんだよ~?」


アース様は、実は凄く悪い人だったんだ。


「クッッ…」


アスティーヌ君が戦闘体勢に入る。

いけーっ、アスティーヌ君ー!!


「はあぁぁぁぁあ!!!」


「うわあっ、何だッッ!?」


慌てたような顔をしたアース様はそのまま後方にバランスを崩した。

今がチャンスだ!!

そう、アスティーヌ君に念じた。

アスティーヌ君はまた一瞬固まった。

何でいかないんだ?

あぁ、平民は人間にこういう事をしたりしないから慣れていないのか。

天才でも平民は平民なのだから、そんな人との戦闘はした事はない筈だ。

アスティーヌ君が一瞬の隙を見せてもアース様からの反撃は来なかった。


アスティーヌ君は、サッと詠唱し、物凄いスピードで頭から突っ込んだ。

あれは…有名な…


「スピン!!」


それは回りの土が散り、つむじ風が起こる程のスピードだった。僕も1度だけなら見た事がある。

世界で15人しか出来ないと言われている「スピン」…

アース様も、今度こそ骨が折れるとかあるかも知れない。

怖いっ!!

僕は、思わず目を瞑った。


ドウッッッ


「はあっ…はあっ…はあっ…」


そろそろと目を開けると、

アスティーヌ君は肩で息をしていた。

アース様は離れた場所で気絶しているようだった。骨は…折れていない。良かった…。

けれど、流石のアース様も受けられなかったようだ。

つまり、アスティーヌ君は勝ったのだ。


1人、手を叩いた。

シル君だ。

その後、続々手を叩く者が現れ、

拍手喝采になった。


その様子を生徒会室から眺めていた者がいた。


「ほう…アスティーヌ=ゼルヴァ…平民の出だが、動きはいいな…」


生徒会長はボソッと呟いた。


「どうか…されましたか?」


副会長が訪ねる。


「いや、何でもない。」


副会長は物珍しそうに生徒会長を眺めた。


(生徒会長が他の生徒に興味を示したのは初めてだわ。)


副会長は歓喜にうち震えていたのであった。


だが、その試合を別の目で見ていた者もいたのであった…


今は、アースが大分弱く描かれていますが、

実力を発揮させる回を何回か執筆出来たらな、と思っています。

更新は不定期です。

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