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花田種苗の5人姉弟妹  作者: グレープヒヤシンス
第4章
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春休みツアー

 食後、スーパーとかを散策して、リサイクルショップも見付け、新生活に良さそうなモノをいくつかチェック。来週引っ越しして来ると説明すると、先払いならキープしてくれるとの事で、食器とかを購入していた。


 JRで新創成に戻って、阿房宮を訪ねた。店長さんに相談すると、

「イベントで着た中古品が有るって、波戸館の同業者が言ってたな。」

直ぐにスマホを操作して、

「倉庫見てくれるって、店観ながら待っててね!」

しばらくすると、

「送って貰ったよ!今日の集荷に間に合うから、明日にはココに付くからまた来てくれるかな?」

明日の約束をしてバスで帰宅した。


 翌日、それぞれ予定があって、フリーなのは小雪と夢愛と雨、それと私。四人でコスプレ衣装を買いに出掛けた。中古品と言っても、一回のイベントで使っただけで、クリーニングの袋に入ったままだった。16着あって、サイズを確かめると、皆んなの分が間に合いそうだった。LとMを一つずつ抜いて、14着にしようと思ったら、

「もみじの分、必要でしょ!」

小雪は外したLサイズを箱に戻した。

「全部で1万でいいよ、もう一着はオマケね!メンバー増えたら着せて上げてね!」

 ネットオークションでかなり安く出回っていて、売れる見込みが無いらしい。殆ど捨て値だろう。小雪と夢愛が五千円ずつ払い、消費税の千円だけ私が払った。家に変えると、皆んな戻っていて、早速試着。サイズ的に問題無く、旅の荷造りを始めた。


 出発の日。夜行バスなので昼間はのんびり、午後になってから花田の家に行くと、それぞれ寛いでいた。

もみじの部屋に入って、もみじになってからダイニングに出ると、それぞれ新作のコスプレ衣装に着替えていた。

「えっ?もうその衣装なの?」

「もみじねぇも着替えておいでよ!」

雨に押されてまた部屋に入った。晩ごはんを食べてから出発。バスは座席指定なので、慌てなくても大丈夫。バスと地下鉄で無事にターミナルに到着した。

 バスは二人ずつ座って、私だけ隣が空いていた。隣が変なオッサンとかだったら嫌なので、他の皆んなをペアにしておいた。満席のはずなのに、隣が空いていて、ちょっとラッキーかな?それ程狭さは感じないけど、余裕は嬉しいよね!と思ったら出発ギリギリで女の人が駆け込んで来た。エロオヤジじゃなくて良かったな!女子っぽい感想で、乗って着た人を見ると、

「あっ花田さん?えっと、3人の誰とも違うように見えるんだけど?」

上原先生だった。

「もしかして、花田姉弟妹のお知り合いですか?」

「えっ?あっ?ん?」

先生が『?』塗れになった所で芒が登場。

「あっ上原先生!その子、従妹のもみじって言います!よく、私達と区別出来ましたね!」

芒は続けて、

「もみじ、ほら家に雪像作った話したでしょ?その時の先生よ、沖縄出身の!」

「あっ、従姉兄がお世話になってます!」

ぎこちなく挨拶をした。

 予餞会に紛れ込む手伝いをしてくれた位なので、夢愛と雨も知っている先生は、ぐるっと見渡して、

「松太郎君は一緒じゃ無いの?」

「ええ、女子旅ですから!」

桜がニッコリ答えると、耳元によって一言。先生よ耳が真っ赤になっていた。


 先生は、この前雪像造りの時に来ていた創成の先生と二人で旅行の予定がだったが、急遽インフルエンザで行けなくなったそうだ。キャンセル料も戻らないので、強行での一人旅になったそうだ。行程を聞くと、帰りも同じ夜行バスで、泊まるホテルは、1軒おいた隣で、日帰り温泉に行くつもりのホテルだった。

「私は、夜景が観られたら満足かな?一緒に行く友達が新撰組ヲタで、そこから日本史の先生になったそうなの。新撰組の縁の地を案内して貰うつもりでいたのよね。」

「じゃあ、このコースで一緒に行きましょうか?」

桜は、行程表を見せて誘っていた。先生は遠慮がちだったが、

「お言葉に甘えさせて貰うわ!」

旅の仲間が1人増えた。


 途中、峠でトイレタイムがあって、その先は先生に話しかけられない様直ぐに寝た振りを極め込んだ。

 早朝、バスが停まったのは、波戸館駅前。いきなり視界を埋め尽くしたのは、アニメそのままの駅舎?いや、アニメの方が実物そのままだね。興奮するカレンをなだめながら、荷物をコインロッカーに押し込んでから波戸館駅の駅舎をデジカメに収め、比較用に準備していたアニメ画像をチェック、難易度の高い間違い探し位の画像にニンマリ。

 数十歩で有名な朝市に行ける。行程表には、『朝市で海鮮丼』とあった。カレンは何時も通っているかの様にスイスイと目的地に向かい、業務用みたいなエレベーターに乗って、食堂に辿り着いた。ゴージャスなメニューの中から、敢えて選ぶのは、500円の海鮮丼。

「財布の負担より、胃袋のペースを考えると、ココのコレがベストなの!」

確かに美味しいし、他の美味しい物に遭遇した時に困らない分量だった。

「わさび醤油をちょんと付けてね、チュッて吸いながら、シッポをちょっと摘むんだよ!」

こころが苦戦していた甘海老の食べ方を解説すると、

「うん、美味しいし、殻に残らないのね!」

上原先生も実践して満足な表情をしていた。こころがニッコリ笑うと、

「従兄の松太郎君も、教えるのが上手なのよね!花田家の血筋かしら?」

ん?先生、気づいてる?いや、大丈夫だよね。

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