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花田種苗の5人姉弟妹  作者: グレープヒヤシンス
第1章
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偵察

猛者達の学校で衝撃が走る。水島のメールから関係者と思われる生徒が事情聴取の為任意同行で警察に連れられた。柔道部員だったため、柔道部は活動停止にされてしまった。千葉はインターハイ予選迄には復活したいと言う。あと二人、他校の生徒が関係していたらしい。

部活が無いので猛者達は揃ってうちに来ていた。委員長、姉達、いろは、俺の9人。会長は、別の用事があるそうで来ていない。

ウワサの域は越えないが、風俗店のスカウトを協力して小遣い稼ぎしていたらしい。他校での事だが、スカウトに個人情報をしっかり握られ、断れ無くなった生徒もいたらしい。

水島の仲間らしい柔道部員は橋本といい、三年生だが、もう1年以上サボっている幽霊部員だ。部では仲がいい人はいなかったそうだ。クラスが一緒の人の話では、隣の市の進学校、旭成高校に通う友達が羽振りが良く、贅沢に遊んだ自慢話をしていたらしい。

「芒、竹中さんに聞けないかな?派手に遊んでる奴ならウワサ位知ってるんじゃない?」

竹中さんは、市長のクズ孫の件で芒の身代わりでデートした相手だ。

「メールや電話じゃ不安だし、会いたくないなぁ。」

「でも、有力情報が貰えるかも知れないんだよ!」

何とか説得を試みる。

「でも、その竹中って言う人が橋本の友達だったり、黒幕に関わって無いとは限らないよね?」

芒にデートさせたくない山岸先輩がちゃちゃを入れる。追い討ちのように千葉が、

「花ちゃん、また身代わりデートしてこいよ!」

話し合う暇もなく多数決となり、7対2で、俺が竹中さんとデートする事になった。いろはは、不服

「芒、委員長に貰った制服、マイクロミニだから、スカートは貸してよね!」

「男のくせに、姉のスカートを穿きたいなんて、ヘンタイじゃないの?」

誰がそうさせるんだよ!

委員長は、

「そんなに短かったかな?ちょっと着替えて見てよ、自治委員長としてきちんと確認してあげるよ。」

フル装備で変装するように言われ、委員長が判断して、校則の丈のスカートを用意してくれると言う。仕方がないので着替えて来た、ウィッグは芒バージョン。

「こりゃ校則違反だね!没収モノだよ!」

確か、校則違反で没収したやつって言ってたよね?あの時、先生にも叱られたよね?

「はい、これ!」

ただ着せたかっただけだな。

普通のミニ丈のスカートとハイソックスをくれた。前のスカートにはニーハイを合わせていた。微妙な気遣い、喜ぶべきなのだろうか?

千葉が、

「松太郎、こうなるとホント美少女だよな!」

言いながら、スカートを捲ろうとした。咄嗟にスカートを抑え、身体を捻って避けた。

「ごごご・・・ごめん!」

千葉が真っ赤になって謝る。あんまりにも反応が女子で驚いたそうだ。いろはまで、

「今の凄い色っぽかったよ!」

なぜだか目を輝かせる。みんなの視線が気になるので、部屋に戻り、貰ったスカートに穿き替えた。膝上10cm位かな?かなり安心感がある。会議に戻ると、

「どうしてまた女の子で来たの?」

いろはが呆れていた。そういえば、自分の服で良かったんだよな。千葉の様子がヘンだからこっちも吊られちゃったかな?


今日決まったのは、

1、橋本の交友関係を竹中さんに聞く(松太郎)

2、橋本以外の調査(猛者達)

3、学院内の被害確認(女子)


竹中さんに芒のスマホからメールをした。秒速で返信が来て、明日会う事になった。二回続けて、スマホ間違えたって訳にはいかないから、対策を考えねば。芒に言うと、

「スマホ交換して行けばいいでしょ?」

えっプライバシーとか気にしないの?そういえば、そんな扱いだっよな。風呂に入っていても、観たいテレビの都合とかで一緒に入って来るし、男扱いどころか、人間扱いかも疑わしいからな。とりあえず、スマホの件はクリアしたからいいとするか。


翌日、授業を終えて生徒会室に走った。急いで着替え、着ていた服を桜に任せ、芒といろはは俺を尾行する。芒は、桜に変装?している。どこが変わったか良く解らないが、ちゃんと桜に見える。


待ち合わせの駅に向かう『この前の所』って言われたけど、大丈夫かな?3連チャンでデートだったので竹中さんと待ち合わせたのは・・・あ、合ってた。ファミレスに入ってケーキとドリンクバーを頼んだ。

いきなり本題って訳にはいかないのでクラスで面白かったこと、男子が居心地悪そうにしていること等を話した、竹中さんもクラス替えがあったそうだが、顔見知りが多くて気が楽だと言っていた。

「最近学院の近くに不審者が出たんですよ。」

興味がありそうだ。竹中は身を乗り出す。

「下校中の生徒を盗撮して写真を売ってたんだって。」

多分、悪を憎む正義の表情だろう。

「実行犯は捕まったんだけど、黒幕がいる気がして、安心出来ないんですよね。」

出来る事があれば、と協力を申し出てくれた。

「犯人グループのひとりに、羽振りのいい友達って言う人がいて、そこから何か探れないか考えているんです。その人が竹中さんと同じ旭成高校の生徒らしいんですよ。」

橋本の情報、出身小中、柔道部でしばらく幽霊部員なこと、羽振りいい友達の自慢話等を伝えた。

心あたりがあるので、少し確認してから教えてくれると言う。最初に捕まった水島が自殺しており、しかも騙されて毒を飲んだことを伝え充分気をつけるよう念を押した。

用が済んだらサヨナラって訳にも行かず、ドリンクバーで何杯もおかわりしたので、トイレに行きたくなった。どうしよう?どっちに入る?男子の方に入るのも不味いし、女子の方で男だとバレたら痴漢で捕まるだろう。竹中さんにバレるのが1番不味いので、一か八か女子トイレに入った。空いている個室が有ったので、直行!外に人気配がありドキドキしたが、何とかバレずにクリア。

テーブルに戻ると、プリクラが撮りたいと言うので、近くのゲーセンに行って撮影。加工とかしたことないなぁ、女子高生なら得意技のはずだよね。できなくてバレないかな?

撮影して、ペンを取った、日頃姉達の代筆をしているので、女子高生らしい文字は問題無い。姉達がたまに撮って来ると、必ず1枚くれるので、雰囲気も大丈夫だろう。ちょっと頑張って女子校生らしいプリクラが完成、半分に分けた。家迄送って貰い、情報をメールする事を約束して別れた。

姉達といろはに、今日の報告。新しい情報はないが、竹中さんが確認してからメールをくれる事になっていると伝えた。桐は、

「またデートしたいから、今日聞いて来なかったんじゃないの?」

「そんな事ないよ、今日だって途中トイレ行きたくなって大変だったんだよ!」

「何が大変なの?」

「まずは、どっちのトイレに入ったいいか迷って、女子トイレに入ったら痴漢になりそうで怖かったからね!」

「で、どっちに入ったの?」

「仕方がないから女子トイレだよ、竹中さんにバレるのが1番不味いでしょ?」

「そんな当たり前の事でなやまないでよね!」

桐は呑気に笑う。

尾行していた芒は

「ずいぶん楽しそうだったよね?」

「そりゃあ、ツンツンしてる訳にもいかないでしょ?」

「じゃあ、森田さんと、三浦さんと、比べて誰が1番好き?」

桐がとんでもない事を言い出す。

「好きとか、そんなんじゃないでしょ?代理デートなんだからさ!」

桐が続ける。

「じゃあさ、この3人では誰がタイプ?」

思わず、千葉と目があった。おい、顔赤くなってんじゃないよ!斉藤さん、山岸さんもモジモジしていた。いろはは、見たことの無い程の怒りを露にしている。

芒がいろはをなだめ始めたので、桐の弄りも一段落。


とりあえず、メール待ちだ。俺の大役はおしまいになるといいな。

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