家庭教師
こころが帰って来て、昨日やった宿題に追付こうと部屋に籠もった。
「真田殿が苦戦しておる、助太刀願いたい!」
「うん、オッケ!、、、?楓は?」
「某、カレン殿と新創成にお買い物でござる。」
「それじゃあ、通訳出来ないじゃん!」
「通訳がいらない術があるではないか!では、某はこれにて!」
嫌な予感?いや、想像通りだね。こころ部屋をノックすると、ちゃんと聞こえる声が僕を招き入れた。
「明けましておめでとう!しょう君!」
年越しも一緒に過ごしていたけど、声を聞いたのは今年初めてだった。
「おめでとう、こころ。あの、なんか着たらいいんじゃないかな?」
「勉強に集中するから、余計な事考え無いようにしようよ。」
ちっとも、余計じゃ無いと思うけど、まあ仕方が無いか。早速宿題を開始。独りで済ませいた所も多く、数学では、量を熟す問題と、どの公式を使うのか思い付かない問題が数問くらい。
「じゃあね、、、」
ヒントを出そうと思ったら、
「しょう君だけ着てるのって、可笑しいよね?」
「えっ?僕が普通で、何も着ていないこころが可笑しいんでしょ?」
「余計な事考え無いって言ったじゃん!」
丸椅子に座った僕の膝に乗って、唇で唇を塞いだ。しばらく時が過ぎて、深く息が出来る状態にすると、
「皆んなが言ってたけど、キス、上手になったね、私は、他の人のキスって知らないけど、前の時よりも幸せな気持ちがいっぱいって感じよ!おかわり!」
リクエストに応えて、こころを膝からおろした。服は、こころの主張に合わせ、さっさと宿題を済ませる事にした。
だいたいは、ちょっとのヒントでクリア。図形の問題で、大ヒントの補助線を引いたのを除けば、ほぼ自力で片付いていた。
ランチはいろはが運んでくれた。僕の認識では、いろはが彼女で、こころはクラスメイトでアパートな住人の筈なんだけと、
「ランチの為に、着たり脱いだりするの面倒でしょ?」
全裸の僕等を見て、極々当たり前の光景と捉えているみたい。
午後は残りの問題と、クリスマスプレゼントに小雪から貰ったUSBで休みアケのテスト対策。
3時に終了しておやつタイム。服を着てキッチンに降りた。昨日から炊いていた小豆でおしるこを作る。小豆はロゼさんのお兄さんが送ってくれたもので、普通に買ったら結構しそうな代物。
「うーん、疲れた脳に、糖分が染みるわ!」
小雪がノビをすると、夢愛も頷いてストレッチをしていた。皆んなも満足な様子、小豆からあんこを炊いたのは、婆ちゃんと一緒に習いながら何回か経験していたけど、一人では初めてだったので、上手く出来てひと安心。
「芒は?」
「家庭教師よ。」
山岸さんの家に行っているそうだ。流石に、受験生なので稽古の手伝いはせずにラストスパートとの事。桐が家庭教師って事だけど大丈夫なのかな?ドキドキして、既に覚えていた事まで忘れちゃったりしないのかな?最近は、うちに来ても動揺した感じじゃ無いけどね。
晩ごはんが済んで少しすると、
「ただいま!」
「「お邪魔します!」」
芒と斉藤さんと千葉だった。遅くに芒を独りで帰す訳にもいかないし、山岸さんが送って来ると、勉強の時間が削れるし、それよりも脳がデートモードになって、勉強どころじゃなくなりそうなので、桜がボディーガードを手配したらしい。ご飯を多目に用意していたのは、ボディーガード達の報酬だったようだ。
ボディーガード達が帰り、キッチンを片付けていると、予想通りこころが手伝ってくれた。宿題をしていた時既に、僕のスーツケースが運び込まれていたので、泊りが決まっているのは理解していた。サクっと済ませてお風呂に誘った。
服を脱ごうとすると、こころが邪魔をして、僕の服を剥ぎ取った。最後の1枚を脱がせると、目を閉じて、唇を窄めた。軽く唇を重ねると、両手を上げてバンザイポーズ。
「脱がせるの?」
無言で頷く。サクっと脱がせて、身体を洗って風呂掃除。その間ずっとタオル無しのノーガード。昨日美羽に奪われていて、彼女達はしっかり情報共有しているので、今日隠すとクレームが付くだろう。
「ゲームの画像とだいぶ違うね!」
こころは、おとなしいままの松太郎をじっと観察して呟いた。流石に恥ずかしいので、急いで掃除を済ませると。
「今日のノルマの追加、何にしよう?」
どんどん過激なミッションになるので、ここは気楽な所を提案、
「手の甲にキスってどう?」
「却下。あんまりにもふざけたからペナルティーね。キスの間に2つ考えて!」
目を閉じて唇を窄めた。
じっくり舌を絡めあって時間を作る。
「部屋まで、お姫様抱っこは?」
「ベッドまでなら、いいわ。湯冷めしちゃうから早く行きましょ!」
パジャマを着ようとすると、
「そのままよ!」
何とか抵抗して、タオルだけ獲得。腰に巻いて、全裸のこころを抱いて脱衣所を出た。途中、ダイニングでは、
「宿題捗ったの?」
姉達が、いつもと変わらない雰囲気で話しかけ、こころは皆んなに聞こえる声で成果を話していた。
「じゃあ、明日からは、皆んな一緒ね!」
全裸の少女をお姫様抱っこするタオル1枚の弟を全く不思議に見えない様で、直ぐに元のお喋りに戻っていた。
こころをベッドに寝かせると、そのまま引っ張り込まれたので、サクっとノルマを済ませた。
「今のじゃ駄目!ササってタッチだけじゃない!やり直し!」
あらら、失敗。こころの合格サインが出るまで、ゆっくり、ゆっくり。
「幸せな気分になれたから、ノルマの追加、勘弁してあげるね!」
ようやくミッションクリア。ホッとしたら直ぐに眠っていたようだ。
まだ暗いうちに目覚めると、今朝も僕の口と右手は、こころの弾力を味わっていた。覚醒した状態でこのまま堪能するか、そっと離れるか迷っていると。後頭部を撫でられて、
「追加のノルマはこれね。美月の日から毎朝だから、ハードル低いでしょ?」
「あ、でも、無意識にしてるから、しないかも、、、。」
「その時は起きてからね!」
こころのハグで僕の顔面は再び柔らかい所に埋もれていた。
明るくなるまではまだ1時間以上。ベッドの上で胡座をかいてスマホをチェック。気付くとこころがすっぽり収まっていた。
「今の体勢ならこれね!」
こころは『松太郎と一緒』の映像をスマホに映した。映像の僕は両方の膨らみを、、、
《以下、R18相当にて描写を自粛致します。》
「普段はどんなゲームするの?」
何とか話題を変えると、
「これかな?」
パズルゲームを開いて実演してくれた。
操作に伴って動くこころは、変化こそしないけど、敏感な松太郎に刺激を与え続けた。頭が可笑しくなりそうになったけど、何とか1ゲームクリアしたので、ベッドを脱出した。
服を着てキッチンに降りる。こころはスーツケースを運ぼうとしているので、
「どこに運ぶの?」
「客間だよ。」
既に服を着たこころは、耳元でやっと聞こえる回答だった。スーツケースを自分で運んで朝ごはんの仕度に取り掛かった。




