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花田種苗の5人姉弟妹  作者: グレープヒヤシンス
第1章
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作戦決行

ついに、作戦決行の日だ!まぁ『ついに』なんていっても、一昨日聞いた話し何で、かなり大袈裟だね。放課後、いろはと生徒会室に行って着替え、日が傾くのを待つ。姉達はそれぞれ別々に猛者達と待ち合わせ、作戦の時間に合わせて、所定の場所で待機する手筈だ。

今回の作戦では、不審者を捕まえなくてもいい。証拠写真で充分だ。相手が凶器を持っている可能性があるし、捕まえた不審者が犯人もしくは容疑者なんて悪者確定すればいいけど、証拠がなければ、捕まえたほうが加害者になりかねない。猛者達は、抑止力としてガタイを見せつければ充分だろう。

スマホの充電100%を確認して、無料通信アプリでグループトークを開始。会長、委員長、いろは、俺の四人で学校を出て、出没ポイントの散歩道の手前で俺だけ別れ、三人は駅方向へ向かう三人それぞれタイプの違う美少女だ、会長はクールビューティー、桐とちょっと被るかな?委員長は筋金入りのロリっ娘、いろはは派手さは無いが優しくて整った顔、不審者があっちに行かないか心配なくらいだ。少し進むと、山岸先輩と芒が別れ道付近を抑える。西陽が眩しい。左手は旧自転車道、数年前のバイク事故以降封鎖されている。逆光で影しか解らないが誰かいるようだ、そのまま歩いて、さくらの指示通りベンチを軽く払ってからハンカチを敷いて座る。芒達からも確認出来たようだ。視界の端っこに不審者をとらえ、スケッチブックに、夕日を描いた。この先出口が2つありそれぞれ、千葉と桐、斉藤先輩と桜が抑えていたが、途中の別れ道に斉藤・桜ペアが進み千葉・桐ペアは旧自転車道の出口を抑えた。不審者は俺が気付かずにスケッチに集中してると思ったか、かなり近づいている。相変わらず逆光で顔は解らないが、猛者達と同じ制服に見える。桐の声だ

「写真館の息子だよ!確か水島だったかな?」桐の方向からは光の塩梅が良かったんだろう、望遠レンズでしっかり撮影出来たようだ。写真館の息子なら3年の筈だ、山岸先輩は、同じ学年だから顔見知りかもしれない。桐がわざと見つかった。水島は俺のそばを通る道を選ぼうとしたが、斉藤先輩の姿を見つけて方向転換、振り向くと山岸先輩が仁王立ち。女相手ならとでも思ったのだろう、桐のいた方向を向くと、千葉に入れ替わっていた。万事休す。

「水島!」山岸先輩が怒鳴る。

交番前で待機していた、大森会長が交番に駆け込んだ、お巡りさんは居なかったが警察署に繋がる専用電話を使い、パトカーを手配した。

現場に戻ると水島は、デジタルカメラのデータを消そうと操作、斉藤先輩が取り上げていた。

パトカーより早く委員長が、自治委員の顧問の先生を連れてきた。斉藤先輩は自分の学校に連絡し、生活指導の先生に経緯を説明していた。

確保以来ずっと録画しているやっとパトカーが来たので引き渡したところで録画終了。事前に警察に相談していたので、サクッと終了、一応任意同行らしい。桐のデジカメと桜のビデオデータもコピーしてすぐに渡した。


パトカーが去ると先生が、

「君、クラスと名前は?」

えっ?俺?

「1年1組の花田 松太郎です。」

「はぁ?」

先生は、何をふざけてんだ!って顔で睨み付ける。

委員長が事情を説明してくれて、無罪放免だったが、スカートの丈がレッドカードレベルだったそうだ。


一件落着と思ったが、パトカーの中で水島が服毒自殺した。市長のクズ孫の件でお世話になった刑事さんが、内緒で教えてくれた情報では、家宅捜索で押収されたパソコンには、啓愛学院の女子生徒の画像がびっしり。きちんと整理して保管していた。生徒会長『大森 瞳』のフォルダには中学1年生から学年ごとにまとめてあった。姉達のフォルダもあったが会長が圧倒的に多かった。会長の写真が5年分あるのに、他の生徒はここ数ヶ月分しかない。会長何か知らないのか?直接の被害は出ていないので、ただのストーカーとして処理されるだろう、死ななきゃならなかったのか?毒はどうやって入手したんだ?


千葉からメールが来た。

『水島は、女子生徒の写真を売り捌いていたようだ。ヤバくなったら、記憶喪失になる薬を持っていて、記憶が無くなっているうちに証拠隠滅してもらえると言っていたそうだ。黒幕に騙されたんじゃないか?』


作戦に参加したメンバーが集まった。

状況を整理すると、誰かが水島に撮影と販売を指示し、ヤバいことになったので、騙して自殺させた。

盗撮は不味いが、ワイセツな写真ではないので、下っぱを殺してまで隠れる必要あったんだろうか?見つかったら、そっちの方が絶対ヤバいでしょ?

押収されたパソコンの内容は、ネットニュースで報じられている程度しか解らないし、もちろん水島のスマホも警察だ。


今考えられるリスクは、黒幕からの復讐。ただ向こうはひとり殺してまで、隠れたいのだから、わざわざ動かないだろう。

水島のデータにもっと不味い物があったのかもしれない。それをネタに脅迫なんかもあり得る。


これからどうしよう?無視?挑戦?

「もう手を退きたい人、挙手!」

委員長が尋ねる。

全員手を挙げない。

さてどこから手をつける?手掛かりは、水島の周囲だろう。特に薬の話しをしていた奴には聞きたいことがある。

後は、写真ネタでの脅迫が無かったかどうか。

こっは学院の内部調査だな。

どちらにしても下っぱを殺してしまう程の凶悪な犯罪者だ、逆恨みや、証拠隠滅で何をしてくるか解らない。無駄に暴れると、痛い目を見ると思った方が良さそうだな。


「姉ちゃん、市長のクズ孫の時の警察とかマスコミとかどうやったの?」

「あれ?また誰かとデートしたくなった?」

桜は笑う。

「ゴメンゴメン、あれは、テロの時の取材でサービスして上げた記者さんにお願いしたんだ!刑事さんは、記者さんのコネだって!」

桐が続けて、

「ショタがまたデートしたい彼氏は、取りまきの整理をお願いしたんだよ。」

いつでも使える手駒って訳じゃ無いよな。


まずは、水島を調べてみよう。学校内は猛者達に任せて、写真を買った人間や、売上の流れ何かも調べられないかな?

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