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花田種苗の5人姉弟妹  作者: グレープヒヤシンス
第4章
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特賞

 ばあちゃん、母さん、ロゼさんは、客間になった元のばあちゃんの部屋にやっさと引き上げた。明日も早いらしい。

「さあ、プレゼント交換だよ!」

恐れていた瞬間がやって来た。

「ごめん、なんにも用意してないよ。」

恐る恐る告白すると、

「ショタは気にしなくていいから!」

桜は赤地に柊が飾られた、クリスマスらしい封筒の束を扇にして皆んなに選ばせていた。残り2つの時、

「ハイ、どうぞ。」

僕が選ぶと、

「じゃあ、一斉に開いてね!」

「「「「「イッセイのセッ!」」」」」

「Yes!」

カレンが派手なガッツポーズ。いきなり抱き付いて、唇に吸い付いた。他の皆んなは程々の反応。

「自分のが当たった人いる?」

美月、夢愛、雨が手を挙げた。

桜は3人を向かい合わせにして、コイントス。

「オモテなら右回り、ウラなら左ね!」

3人のプレゼントが決まって、それぞれに当選品が配られた。僕は小雪からのプレゼントで、可愛いペンのセットとUSBメモリ。メモリの中身は、ギッシリ解説が書き込まれた、試験問題と答案用紙。定期テストだけじゃ無く、小テストとか、休み明けのテストとか3年2学期迄の物が纏めてあった。

「カレンは何が当たったの?」

ニッコリ笑って、2つ折の緑のカードを開くと、金のマーカーで、『松太郎』と書いてあった。

「僕、何も用意してないんだ、明日買いに行くから待っててくれる?」

「ううん、松太郎自身が特賞なの!」

そう言うとまた、カレンの唇は、僕の呼吸を妨げた。やっと気が済んだのか開放されると、

「お泊りの準備はいろはがして、私の部屋に運び込んでくれる事になっているの!」

 しばらくお喋りして、それぞれ部屋に引き揚げて行った。何となく、カレンと最後迄残って、一緒に歯磨き。カレンの部屋に行くと、スーツケースが置いてあった。

「何泊するの?」

「元旦の朝までよ!」

僕には拒否権も無いし、別に困る事も無いので、皆んなの決めたルールに従うしかないよね。


 カレンは僕をベッドに押し倒すと、しっかりマウントして、本日3度目、呼吸の邪魔をした。ベッドの上で緊張したせいか、顎の筋肉が緩んでいたらしく、舌の侵入を許してしまった。しばらく堪能したカレンは、

「やっと合格ね!」

そう言いながら、僕の服を脱がし始めた。

「自分で着替えるよ!」

「着替えなんか無いから、脱ぐだけよ!」

抵抗しても仕方がないかな?諦めて抵抗を止めると、チノパンと一緒にトランクス迄脱がされてしまった。

「じゃあ、交代ね!」

カレンは僕を開放すると、ベッドに腰かけて目を瞑った。ブラウスのボタンを外しているうちに、ドキドキが収まった。特別なシチュエーションに思えたけど、結局はいつも通りだよね?流石に下着は不味いよね、上下1枚ずつを残して、

「じゃあ、寝よっか!」

「まだ残ってるよ、私は全部脱がしたんだから、同じじゃないと不公平よ!」

思い切って、背中のホックを外し、下は躊躇っていると、

「横の紐を解くだけでいいわ!」

すっと引っ張るとハラリと落ちた。

直ぐに灯りを消して布団を被った。毛布の中でもカレンの攻撃は止まなかったけど、されるがままにしていると、ドキドキもピークを過ぎて、落ち着いて眠りに付いた。

 朝、右手に心地の良い弾力を感じて目を覚ました。恐る恐る、触っているモノを確かめると、思いっきり不味い体勢で思いっきり不味い所を触っていた。いや、揉んでいたって言うのが、より正確な表現だろう。カレンは目を覚ましていて、

「おはよ、しょう君。」

至って普通の反応だった、慌てて手を引っ込めたけど、

「もう飽きちゃった?」

どう反応していいか解らず、

「ゴメン、えっと、その、、、」

「しょう君がなんにもしないから、こうやってね、、、」

カレンは僕の手を引っ張るってさっきの位置に戻した。

「もう少しは積極的になって欲しいな。」

少し恥ずかしそうなカレンを見ると、自分の鼓動が聞こえるくらいにドキドキした。また直ぐに引っ込めたけど、ちゃんと覚醒しての感触を味わっておけばよかったかと少し後悔。

 背中向けて、さっさと服を着た。カレンも着ている様子で、

「ちょっと早いけど、朝ごはんの支度しようか?」

「そうね、、、」

カレンもやり過ぎ感があったのかな?ちょっと淀んだ返事が、僕の鼓動を更に加速させた。

 キッチンに行って、冷蔵庫をチェック。

「お味噌汁は、ホウレン草かしら?」

カレンは、和食が好きで、お味噌汁は鰹節で出汁を取って作る。最近はばあちゃんに糠床を分けて貰って、色んな物を漬けている。ホウレン草のお味噌汁と胡瓜の漬物がカレン作。ご飯はタイマーで炊けているので、あとは鮭の切り身でいいかな?

 早速、母さん達が起きて来て、5人で朝ごはん。ばあちゃんに漬物を褒められて、カレンは大喜び。

「雅美もね、東欧人みたいな顔なのに、和食が上手なのよね!」

母さんは、味噌汁のお椀を嬉しそうに嗅いでいた。ロゼさんも、漬物がカレン作だと聞いて驚いていた。忙しく食べ終え、

「正月には帰るわね!」

さっさと出掛けていった。

 徐々に皆んなが起きて来て、僕の様子をチェック。『やっぱりね』って顔だった。

 夢愛は小雪と受験勉強、山岸さん同様、柔道推薦も可能だけど、一般入試で頑張っている。創成市の教育大学が第一志望との事。推薦の大学は東京ばかりで地元志望の夢愛には合わないみたい。僕らも宿題を頑張ってみた。

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