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花田種苗の5人姉弟妹  作者: グレープヒヤシンス
第3章
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ピザ教室

 翌日からピザの指導が始まる事になって、家にあるかどうかのチェックリストを作った。二人ともピンと来ないようだったので、行ってからでもいいかな?学校の目の前だらね。

 小雪は真紀さんにメールを送っていたようで、

『私だとついつい甘やかせてしまうので、ビシバシ鍛えてやって下さいね!』

姉の言質って弟にとっては絶対なんだよね。佐藤君は、

「基本的な事から全く分からないんだ、実は卵も割ると殻が入っちゃうから、姉ちゃんが割ってくれてるんだ。」

えっそんなに?驚いて鈴木君は大丈夫か聞こうとしたら、

「俺、玉子割るのは大丈夫だぞ、インスタントラーメンに玉子乗っけるのが俺の得意料理だぜ!」

そんなに胸を張って豪語するレベルじゃ無いけど、少しは上位ランクで安心。

 翌日の放課後、鈴木宅でピザ講習。一緒に家に行くと、

「お帰り、(しゅん)!いらっしゃいませ花田先生(・・)一紀(かずのり)君!」

えっ、お母さん居るの?キッチン借りていいのかな?

「私も教えて貰おうと思って、時短で帰って来ちゃった!」

残業時間と相殺して早く帰ったり遅く出たりする制度があるそうで、丁度帰って来た所らしい。同級生のお母さんだから、40台だと思うけど、営業で飛び回るスタイルのスーツ姿は、オバサンのカテゴリーに入れていいのか、ちょっと迷った。オーブンのスペックや食材とかをチェックして買出し。

 スーパーで食材を揃え、2階の百均でクッキングペーパーと、仕切りに使うトレーを購入。鈴木’Sキッチンに戻った。

 オーブンのトレイの代わりに、百均のトレイをセットして、スプーンやフォークを整理した。生地を捏ねて、ソースをぬってチーズで覆う。トッピングして、チーズを足して温めていたオーブンへ。

 240度がマックスだったので15分にセットして、焼き加減を見ながら時間を測る。残り3分でいい感じだったので、次からは12分だね。何パターンか練習して鈴木君は、

「よし、これなら出来そう!」

自身満々。お母さんもオーケーみたい。生命保険のセールスレディで家事は苦手と言っていたけど、流石にド素人の鈴木君や佐藤君よりは、経験値が高くキチンと仕上げていた。

 翌日は、終業式。佐藤君の家でピザ教室。キッチンを確認、オーブンは大丈夫だったので、食材を仕入れに行った。スーパーから帰ると、お姉さんが友達を連れて帰っていた。

「お邪魔してます!」

お姉さんの横でニッコリ挨拶したのは小雪だった試食に協力してくれる(・・・・・)そうだ。

 生地をクリアするのに苦労した佐藤君だったけど、トッピングになると一気に才能開花?ホウレン草で樅の木を作って、半分に切ったプチトマトを飾る。オクラを切って満天の星空が完成。他にもデザイン性の高い作品を作った。

 焼き上がりを見たお姉さんと小雪は大喜び。遅いランチを食べた。どれも好評で、

「クリスマスが楽しみね!」

小雪はニッコリしてハードルを上げた。

 真紀さんからクッキーを習ってお土産の分を大量に焼いた。

「これ!瞳が好きなクッキー!」

小雪が叫ぶと真紀さんは、

「これと、これで瞳ベストスリーね。」

2、3個ずつ拾ってラッピングした。

「懐かしいわね。」

表情が少し暗くなった小雪は、ムリにテンションを上げて、残りのクッキーをつまみ食いしながらラッピングして、クッキー教室を終了した。

 佐藤宅をお暇し家に帰ろうとすると、小雪は反対方向に歩き出した。

「ウチ、コッチ!」

「今日は実家にお泊まりだからね、コッチなの。」

グイっと手を引くので、送れって事だよね。結構歩いてスーパーに寄って夕飯の買出し。鍋かな?エコバッグを持たされて、後藤家に到着。リビングかな?灯りが点いていた。

「ただいま!どうぞ!」

「お邪魔します。」

迎えてくれたのはトイプードルの諭吉だった。

「キッチンはココね!自由に使ってね。」

鍋、僕が作るんだ。

「お父さんは単身赴任でいないし、お母さんは急遽お見舞いで実家だから、今夜だけ諭吉の面倒見る人が居ないのよね。はい、着替え。」

渡されたトートバッグには松太郎用の私服と下着類、小さい紙袋と小箱。紙袋は、母さんが泊まった時に持って来た、部分的に元気になる薬で、小箱は琴音がドキドキさせる実験で持って来た、ゴム製品の空き箱?じゃなくて、フィルムの包装のまま!12個入りそのままだった。

「中身知ってるんだよね?」

「うん、勿論!着替えとお薬はいろはが用意してくれて、そっちは琴音がお兄さんの部屋から持って来たって言ってたよ。じゃあ、お鍋ヨロシク!お風呂入れて来るね。」

出汁を取って下拵え。キッチンのコンロで大体出来上がった頃、

「いい匂いだね!お風呂上がってからコッチで仕上げてね!」

テーブルにカセットコンロをセットして、お風呂に連れて行かれた。お風呂はもう慣れたので、さっさと脱ぐ小雪にも動揺しない。下はいかにも女児って感じのは卒業していて、上もホックで留めるノーマルなタイプに変わっていた。少しは女子高生らしいかな?

 浴室に入ると、ちょっと動揺。ウチの浴室は、元寮なので、4人は余裕なんだけど、普通の家お風呂って、そんなに広くないよね?洗い場は一人ずつ、浴槽は密着して二人。お湯の中で抱っこする体勢になるとお湯の中で漂う松太郎が小雪に密着した。流石に動揺したけれど、幸か不幸か、お湯の中の松太郎は漂ったままだった。

 お風呂を上がって、鍋の仕上げ。小雪は風呂掃除を終えるとドライヤーを持って登場。もう一煮立ちの前に髪を乾かして食卓に付いた。

 ピザとクッキーの試食で、胃袋はまだ活躍中だったけど。結構な量を平らげて部屋に入った。当然シングルベッド一つに一緒って事だよね?小雪は自分で全部脱ぐと、僕の服を脱がそうと挑んで来た。

「お風呂だって一緒なんだから、恥ずかしがらなくてもいいじゃない!」

結局押し切られ、トランクスだけは自分で脱いだ。そのまま抱き合って、学校祭や球技大会の思い出話しをしながら寝落ちしたようで、カーテンの隙間からお日様に起こされた。時計を見るともう10時半、慌てて着替えようとすると、

「コッチがいいと思うよ!」

先に起きていた小雪は、もみじ用の着替えを差し出した、その時チャイムが鳴って、

「あっ、お父さん帰って来た!」

えっ聞いてないよ!慌てて紅葉に変身、松太郎用の着替えと、結局使わなかった薬とゴム製品をトートバックに押し込んで挨拶に降りた。寝起きがバレると、

「朝ごはんにいかが?」

空港で売ってる、分厚い肉のカツサンドを配ってくれた、

「もみじ、コーヒーお願いしていい?」

ドリッパーと挽いた豆は昨日のうちに確認していたので、すぐに沸く電気ポットを使って、モーニングコーヒー。

大森会長の事件で塞ぎ込んでいた小雪が、家に来るようになってからは元気にしていると凄く感謝され、東京土産を沢山買ってきてくれていた。和気あいあいお喋りしてたけど、親の居ぬ間に娘の部屋に上がり込んだ男って事になると、現行犯逮捕だよね?気付かれないうちに諭吉のお守りをバトンタッチして家に帰った。

 

2学期が終わり、冬休みになります。

作中の季節と実際の季節がかけ慣れ、グランドに雪が積もってもおかしくない時期にサッカーをさせてしまいました。

第4章の冬休みは、冬休みの頃にアップしようと思います。

ネタの枯渇の為しばらくお休みを頂きます。


またお付き合い頂けますよう、宜しくお願いいたします。


水曜日0時更新の

『バックトゥザ令和』

は、継続して投稿予定です。

毎日12時更新の

『世界で一人だけのGランク』

も宜しくお願いいたします!

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