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花田種苗の5人姉弟妹  作者: グレープヒヤシンス
第3章
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受験勉強

 キッチンでランチの支度をしていると、琴音と美羽が降りてきて、

「・・・かれたあああ。」

2人は、テーブルに突っ伏した。程なくスマホが震え、画面を覗くと、

『松太郎と一緒から、メッセージです。琴音さんから友達申請が届いています。』

『松太郎と一緒から、メッセージです。美羽さんから友達申請が届いています。』

ああ、録音してたんだね。意味不明な単語をただ読むのって結構疲れるんだよね。こんな時には甘い物がいいかな?二人ともコーヒーも紅茶も砂糖無しなので、甘めにココアを作った。

「脳細胞に染みるわ!」

美味しいのどうか、解らない感想だけど、表情を読むと、喜んでいるようだった。

 申請を許可すると、二人のスマホが鳴った。楓がVRゴーグルを持って来ると早速装着してゲームを始めた。牛乳を足して猫舌用にした楓用と砂糖を足したこころ用を出して、二人の反応を観察。時々唸ったり、驚いたりしながら、ゲームを続けていた。

 ゲームが終わると琴音は、耳まで真っ赤にして、

「ゴメン、もみじになってくれる?」

「ん?別にいいけど、どうしたの?」

「なんか、心臓バクバクで松太郎がいると、襲っちゃいそうなんだ!」

「うん、じゃあ着替えて来るね。」

「あっ、ちょっと待って!キスしてもいい?」

ん?今って疑問文だったよね?回答する間もなく、視界は琴音の顔で埋まり、唇に柔らかなものが押し当てられた。

 琴音のハグと言うかクリンチがやっと解けて部屋に着替えに行った。襲わないように着替えて来いって言ってたよね?って事は、今のは襲ったうちに入ってないって事?身の危険を感じて急いで着替えに行った。

 パンツを穿き替え、パット増し増しのブラを着けると美羽が、

「入るわよ!」

自分のお泊りバッグをゴソゴソしていた。僕は、いろはが選ばないような長めの紺のスカートにブルー系のブラウスを合わせて美羽の感想を聞いた。なかなかの好評だったので、それを着て部屋を出ようとすると、美羽はまだゴソゴソしていた。

「何か探してるの?」

「イヤ、ちょっと。すぐ行くから先に行って!やっぱ、ちょっと待って!」

グイッと引っ張られ、ベッドに倒れると、天井だった視界が美羽の顔に入れ替わった。ココアの味が舌に絡んできた。

「ゲームの中のしょう君って凄くえっちなんだよ!いろんなことさせられてね、気づいたらリアルでも、履き替えなきゃなんなくなっちゃったんだ!」

手に握っていたパンツを見せて笑っていた。

 ドキドキ体験だけど、スカートの中の松太郎はいつもの様に無反応。一緒に降りて、ランチの支度に戻った。あと出掛けていないのは、小雪と夢愛だけなので、普段より少人数。姉達は出かける予定じゃ無かったので、3人分多く作っちゃった。パスタを茹でるお湯を沸かしながら小雪に話すと、

「じゃあ、山っち、早く来るように言ってみるね!」

午後から3人で受験勉強の予定だったそうだけど、ランチに間に合う様に誘って貰った。即答ですぐに到着。近くでスタンバってたのかな?パスタの茹で上がりよりも早かった。3人分の大盛りが丁度いいので下ごしらえした具材は無駄にならなくて済んだ。山岸さんは柔道推薦でも進学出来るけど、将来を考えるとあまり良い条件でも無いので、自力で受験するそうだ。

 午後は受験生に刺激されたのか、琴音が、

「数学でどうしても解らない所があるの!」

まだ試験範囲は発表されてないけど、間違い無く、中間試験の範囲だよね。チャンスが有ったらと教科書、ノート持参だった。それなら僕でも教えられそうなので解説しようとしたら、

「某、そこは得意でござる!」

楓の解説が終ると、こころは英語の教科書を持って来た。今度は美羽が解説、せっかくならと、それぞれ苦手な所や解らない所を教えあって、試験対策。徐々に皆んな帰って来て、勉強会に参加して行った。夕方、姉達が帰って来ると、

「丁度良かったわ、コレ解いてみて!」

今度の試験範囲になりそうな問題を皆んなに配った。さっき勉強した所がかなり重なっていたので、皆んなスラスラ解いて、桜はちょっと驚いていた。バスケ部に代々伝わる、過去問との事。解った人が交代で解説して、多分かなり攻略出来たと思う。楓は過去問に回答、解説が書き込まれた物をスマホで写すと、ちょっと操作して、

「暫しお待ちを!」

いそいそと部屋に帰った。15分も待ったかな?皆んなのスマホが一斉に鳴った。楓からのメッセージで、試験対策のアドレスが送られて来た。アクセスすると、さっき解説し合った内容と、模擬試験のページがあった。凄い完成度に驚いていると、

「AI殿の仕業でござる。」

想定した試験範囲と過去問、それに解説を読み込ませたそうだ。ゲーム感覚で問題を解いていると、晩ごはんの時間を過ぎていた。

 炊飯器のタイマーは忘れていなかったので、慌てて冷まして酢を打った。具材は朝のうちに準備していたので手巻き寿司パーティー。受験生組を呼びにいってパーティー開始。ヨレヨレの山岸さんは勉強のし過ぎらしく、皆んなの倍位しか食べていなかった。おなかいっぱいになった所で、夢愛、琴音、美羽を山岸さんに送って貰った。二人をバス停まで送って、夢愛の家まで送り、また国道に戻ると反対側に行くバスが丁度来るらしい。桐の計算なのできっと都合良く帰れるだろうね。

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