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花田種苗の5人姉弟妹  作者: グレープヒヤシンス
第3章
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姉バレ

 帰宅後、いつもの様に夕食を作って食べて、お風呂に入った。のんびりお湯に浸かっていると、脱衣室で物音がした。

「入るわよ。」

いきなり入って来た桜はタオルを縦にして、最低限の部分は一応隠していたが、普段のフルオープンと比べて遥かにえっちに見えた。姉と弟の間で抱いてはイケナイ感情が全身に溢れた?あれ?全身では無かった。お湯に沈んだ松太郎は、沈んだままだった。

「彩花のアドバイスでね、全裸より少し隠した方がセクシーだって言うからさ。効き目無しか!」

タオルで髪を包むと結局フルオープン。入浴剤の白濁が、膨らみの輪郭が、ギリ解る位に微妙な透け具合で、一瞬で湯あたりしそうになった。背中を、流しあって、

「さあ、掃除しよう!」

珍しく手伝ってくれると言うが、

「そんな格好で手伝われても、気になって、仕事にならないよ!」

「じゃあこれでどうかしら?」

僕と同じ様に腰にタオルを巻いた。

「上、丸出しじゃん!」

「じゃあ、こう?」

胸に、巻くと当然下がノーガードになる。なんとか追い出して掃除を、終わらせた。脱衣室で待っていた桜は、

「じゃあ、お部屋行こうか!」


 部屋に行くと桜は、

「ちょっとスマホ見せてくれる?」

自分の顔でロックを解いて、何やら操作を始めた。少し長めのダウンロードが終わると、

「よし、これでOK!」

返された画面には『虹色乙女』のオープニングが映っていた。鈴木宅でソレ系のゲームをしていたのはお見通しで、休み時間、鈴木君が僕を誘っていたのが耳に入っていたようだ。

「ショタも男の子だね、まあ、そういう年頃だもんね。」

エロゲー容認って事?

「私もやって見るね!」

なんとか、スマホを死守すると、

「どうしてそんなに慌てるの?私が見て不味い事してるの?」

逆らえないオーラで尋問が始まる。窮鼠はたいてい猫を噛めない。あきらめて、キャラクターの設定の事を打ち明け、今のデータリセットして、新しくやり直したいと懇願した。桜は回答はせずに、自分のスマホを操作すると、次の瞬間着信音が鳴り続けた。また操作して連続着信音。

「ダイニングに集合だよ!」


 真夜中の会議が始まった。エロゲーに登場させられたなんて聞いたら起こってるだろうな。取り敢えず、お茶のリクエストを聞いてみよう。

「もう遅いからノンカフェインの麦茶がいいかな?」

恐る恐る様子を覗うと、怒りモードの人は一人もいなかった。

「ショタ、こんな特技有ったんだね!皆んなそっくりだね!」

桐が珍しく褒めてくれた。

「お洋服の趣味も悪くは無いわね、このコーデなら着てあげて差し支え無いわ。」

美月も嬉しそうにしている。

「でも、デートしたり、えっちな事するんだよ。」

「某は、現実では困難な事が疑似体験出来て有難いでござる。」

「・・・・・・・・・・。」

「そうでござる!松太郎殿のアバターがザツ過ぎでござろう?」

確かに、僕のプロフィールは、高1男子、身長170センチ(ちょっとだけ見栄を張った)痩せ型。それしかインプットしてないし、顔も髪型も洋服も初期設定のままだった。

「こんなお人形さんよりは、貴方に似せて貰った方がマシね。」

早速、自分のキャラを作って、皆んなに見てもらった。大絶賛の合格で、オートプレイに戻した。

「これ見て!」

桐が見つけた機能は、一定の親密度を達成すると、女の子のアカウントに紐付け出来るそうだ。例えば、『日曜のカノジョ』をカレンとリンクさせると、カレンがキャラクターの設定とか着替えとか出来る様になり、デート現場をモニタ出来るそうだ。

「えっと、条件はね・・・」

姉妹品の『ハーレムサミット・乙女の矜持』って言う、女子向けの恋愛ゲームでアカウントを作って、そこにリンクさせるそうだ。元々無料だけど、『ハーレムライフ』からのお誘いで始めると、いろんな特典が貰えるそうだ。七人にお誘いを送ると、それぞれダウンロードを始めた、いっぺんにやると、Wiーfiが遅くなったので、設定を変えやっと完了。

 ゲームを始めた七人は楽しそうにしていたが、横で覗き込んでいる姉妹達と、いろはが想定外に喜んでいるように見えた。

 そろそろ桜と過ごす筈の2時間が経過したので、雨を誘って部屋に入った。

「ゲームはちょっと羨ましいから、雨は実物にいっぱい甘えるんだ!」

腕枕のリクエストに応えると、いつにも増してキツいハグで寝息を立てた。よく解らない展開になってしまったけど、取り敢えず結果オーライなのかな?

 翌朝、雨のクリンチをなんとか解いて部屋に帰った。いろははもう起きていて、すっかり支度は整っていた。ちょっと駆け寄ってきて、目を閉じてすぼめた唇を突き出した。どう見ても、キスを待つポーズなんだけど、いいの?背中手を回してちょっと躊躇っているといろはの両手が後頭部に周って引き寄せ、身長差を解消すると、柔らかな唇を感じた。

「もう!おねだりしたら、ちゃんと応えてよね!」

プッとほっぺたを膨らませていたけど、目は笑っていた。

「今は、もみじじゃなくて松太郎なんだけど、姉ちゃん達に禁止されてるんじゃなかったっけ?」

「ううん、禁止事項なんて無いわよ!報告義務があるだけだし、昨夜のうちに宣言してたの!」

まだ解らないルールがあるようだ。まあ、皆んなご機嫌なようなので気にする事も無いかな。

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