ゲーム三昧
雨に心配されながら、クラスの男子と仲良くなるよう頑張ってみる。二人の席に行けば、いろはの側にも行けるので一石二鳥だしね、休み時間は度々お邪魔することにした。
「今日も、来るだろ?」
鈴木君が誘ってくれた。
「いや、今日は晩ごはんの買出しあるから、遠慮しとくよ。」
誘いを断ろうとしたら、
「私、スーパーに用事あるから一緒に買っておくよ、何買っておけばいいの?」
いろははエロゲーの誘いって解ってるのにそんな事言う?佐藤君も嬉しそうに、
「お買い物、お願いしちゃいなよ!」
で、ニンニクとカイワレをいろはに頼んで放課後の予定が決定した。
放課後、鈴木君の家に行ってゲームをスタート。オートプレイにして放置していた僕が、圧倒的に進んでいるらしい。
『ハーレムライフ・虹色乙女』と言うタイトルで、七人の女の子達と仲良くなって曜日毎のカノジョを作るゲームなんだけど、頑張ってる二人はまだデートの相手も1人も出来ていないのに、僕はお互いの部屋に遊びに行来する娘が七人出来ているそうだ。
「どんな設定にしたの?」
「いや、何となく選んだから覚えてないよ。」
仲良くなりたい女の子の希望プロフィールを七人分インプットするんだけど、なかなか思い付かなかっから、創作するより楽かと思って、ウチの住人に登場して貰った。オープニングはかなり驚いたけど、チュートリアルで見たところ、それ程過激な感じでも無さそうだったからね。
日曜:金髪碧眼の留学生。(カレン)
月曜:ツンデレお嬢様。(美月)
火曜:小麦色のアスリート。(彩花)
水曜:ふんわりロリータ。(小雪)
木曜:クリクリボーイッシュ。(夢愛)
金曜:無言のコミュ障。(こころ)
土曜:幼児体型の不思議ちゃん。(楓)
体型や学年、その他の項目について質問に対しても彼女達の事を思い浮かべてチェックしておいた。話を逸らそうと、
「オートプレイが良かったんじゃない?」
と、プロフィールの問題じゃ無く、別の所に原因があるんじゃないかと話題を変えてみた。
「いや、やっとのことで2人デート相手が出来たと思ったらさ、オートプレイしてる間に二股が発覚しちゃって、ダブルで振られてたんだ!」
鈴木君は口惜しそうに唸った。
僕の設定を知りたがる二人だったけど、僕のキャラとウチの住人のキャラとのデートシーンを2人に覗き見されるように思えたので適当に誤魔化して、秘密にしておいた。その代わり、2人のカノジョ候補のプロフィールを見てアドバイスする事になった。
2人の希望プロフィールは、ほとんどがゴールデンタイムの地上波に出ているようなアイドル、女優、女子アナとかだった。やっぱり、同じ学校とか、近所とかじゃ無いと、出会う機会無いからじゃ無いのかな?だいたい『何千年に1人の美少女』をカノジョにするなんて考えると、チャンスは何千年に一度なんだと思うんだよね。
更にハードルを上げたと思われるのが、体型のプロフィールじゃ無いかな?鈴木君の場合控えめでもCカップ、ほとんどがFとかGだった。デート出来た二人は、近所の女子大生と、ファミレスのウエイトレスで共にCカップ。もしかすると、ゲームでパーティーを組む時の『コスト』みたいなルールがあるのかな?一応そういう説明はなかったけど、僕の場合、AAが2人、Aが1人、Bが1人.Cが1人、Dが2人だった。
お友達にはなれたけど、ソレっきりって言うのが佐藤君。鈴木君同様に棒高跳び並みに高くしたハードルは取り敢えず置いておいて、友達3人のプロフィールを確かめた。お姉さんと近所に住む従姉2人をサンプルに設定したそうだ。因みにサイズは全員C。身近な人から作るのがいいのかな、?
取り敢えず、芸能人風の枠をやめるのと、現実離れのプロフィールを改める事にすると2人は真剣に画面を睨みつけていた。スマホでも遊べるので、佐藤君はスマホに切り替えてチャレンジ。
「俺もスマホにするから花田君、コッチ使ってよ!」
スマホに、エロゲーが入っているのを姉バレしたら大変だからと、インストールしていないのを知っていて大画面を譲ってくれたようだ。溜まっていたポイントを、カノジョ達のヘアスタイルとか洋服に交換。出来上がると、益々ウチの、住人みたいで可笑しくなってきた。
「やっぱりカレンちゃんだよね?」
鈴木君のツッコミに、
「何となく似ちゃったかな?バリエーション考えて、留学生にしたんだよね。金髪にして、目を青くしただけだよ!」
わざとらしく躱しておく。
「木曜は絶対にあの娘でしょ?バスケの応援に来てた、中等部のコ!妹ちゃんの友達?あと水曜は自治委員長に間違えないよね?もしかして、金曜は真田さん?最近、マスクとメガネしていないよね?あんなに可愛いなんてビックリだっよ!」
佐藤君はちょっとしか見ていない筈の夢愛を覚えていて、しっかり指摘した。一緒に気になったのが小雪だったり、こころのマスクメガネ卒業をしっかりチェックしてたなんて、もしかするとロリータ派なのかな?
「あとは、月曜が若林、火曜が田辺、土曜が牧野だろ?」
結局七人とも身元を知られてしまった。大画面を勧めてくれたのは、僕の設定を確かめるのも目的だったようだ。
「名前まだ付けてないよな?モデル本人の名前がいいんじゃないか?」
鈴木君は、コントローラーを奪うかの勢いで迫って来た。どうしても後ろめたいので、命名は回避した。本人の許可を貰ってからって事にしてその場凌ぎしたけど、許可の相談なんて出来ないよね?まあ、ここまで作ったから、顔のパーツをもっとモデルに寄せてみたり、オートプレイの設定を変えたりして、大画面を佐藤君に譲った。佐藤君は、新しく設定したプロフィールでプレイを始めると、早速脈アリっぽいお友達をゲットしていた。
「昼にも言ったけど、ライセンスキー送ってあるから、その気になったら、スマホに、落とせるからな!」
姉バレの怖さを知らない鈴木君がまた誘って来た。鈴木君の設定でプレイして調子の良さそうな事をたしか見てから家に帰った。幸い、僕が設定したキャラは僕がプレイする時にしか使えないので、彼ら彼らゲーム内の皆んなと遊んたりは出来ないようだけど、僕が着替えさせてるのを見て、かなり興奮していたから、あの記憶を今夜ベッドで活用するんじゃないかと思ったら、申し訳ない気持ちでいっぱいになった。色々考えているうちに家に付いてしまった。やっと到達した解決策は、
1、ゲームをダウンロードする。
2、初期設定に戻す、
3、アンインストールする。
方針は決まったけど、1から3までの間に、姉バレの危険があるので、明日学校に行ってからの決行にした。ちょっとホッとした気分になれた。




