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花田種苗の5人姉弟妹  作者: グレープヒヤシンス
第3章
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球技大会・2日目

いよいよ5月ですね!今日から5日連投します!是非是非、お読みくださいませ!

 さて、松太郎を起こさなくちゃ。お寝坊さんを起こすのは芒で鍛えているけれど、事情が違うよね?この金貨がパワーの源なので、眠っている松太郎に握らせてみた。大欠伸をして目を覚ますと、もみじが松太郎を見ている映像と松太郎がもみじを見ている映像が重なって見えた。違和感あり過ぎの映像なので、並んで仰向けに寝て、天井を見つめた。3D映画を専用メガネ無しで見たような視界になった。まだ落ち着かないが、だいぶマシになった。

「「取りあえず、ペンダントは松太郎が・・・」」

もみじの時の少し高くした声と、松太郎の時の、低く出す声が見事にハモった。私は松太郎の首にペンダントをかけて、目を閉じた。

 

 爆睡のもみじの横で僕は固まっていた。ほぼ毎晩、女の子と一緒のベッドで眠っているけど、それ以上はあり得ない事を前提としていたので、性欲を制御出来ていたけれど、もみじは僕で僕は僕なんだから、自分のカラダを触っても別に疾しい事なんて無いよね?いや、眠っている女の子と襲うなんて、最低だよね!いや、それって僕だし!結局朝まで葛藤を続けてしまった。

 明け方少しウトウトしていたら、誰かもう起きている様子だったので、もみじが起きて様子を見に行った。雨が朝食を仕上げてくれていたので、お弁当を完成させた。

「応援行けないけど頑張ってね!」

皆んなとハイタッチして部屋に戻った。ベッドに潜り込んで松太郎にペンダントを掛けた。

 バトンタッチした僕は、雨が作った朝ごはんを食べて、もみじが作ったお弁当を持って登校した。いつもは殆ど自分の仕事なのに、なんにもしないなんてちょっと忘れ物をした気分だった。

 昨夜の事をいろはに報告して、もみじがベッドで爆睡の筈だと言うと、息を感じる位の距離で視線を合わせてきた。

「ど、どうしたの?」

「松太郎がもみじに何かしなかったか調べてみたの。うん、無罪ね。朝まで悩んで我慢したって書いてあるわよ。」

「そんな事まで解るの?」

「ううん、言ってみただけ。でも当たってたみたいね!」

 

 球技大会は2回戦。またまた第1試合で対戦相手は昨年優勝の先生チーム。先発のカレンは3者連続三球三振、9球で退けると、裏の攻撃で1番の琴音がこの回2回目のホームを踏んで10点目。一回戦につづいてのコールド勝ち。午前中はこれでおしまい。卓球とバスケの応援に行ったけど、どちらも敗退。負けた皆んなは、『落ち着いてソフトの応援が出来る!』って感じなので、一回戦突破だけでも上出来って言えるのかも知れない。手持ち無沙汰なので早目のランチ。午後イチの試合なので丁度良かったのかな?

 3回戦は準決勝。残り3チームは全て3年生。3の4が次の相手。先発は楓、初球左中間にヒットを許すが、回り込んだ琴音がセカンドでバッターランナーを刺した。次のバッターにもライト前に運ばれたが、猛ダッシュの彩花がファーストに送ってライトゴロ。3番バッターもレフトヒットかと思ったが美月のダイビングキャッチで三球でスリーアウト。裏の攻撃は2回戦のリプレイかと思うように10点取って、またまたコールド。

 3位決定戦を挟んでいよいよ決勝戦。3の5は、バッテリーが経験者で、3試合全て0点に抑え、二人の連打で得点して勝ち上がって来ている。

 1回表、先発はこころ、昨日のフォアボールを反省してかストライク先行で1、2番を内野ゴロ、3番に打たれ、4番にフォアボール。ランナーはためたけど、5番のキャッチャーフライで0に抑えた。4番を歩かせたのは結果オーライだけど、いい作戦だったかもしれない。

 1回裏の攻撃は、流石は経験者という投球に、準決勝までのような、打撃練習みたいな状況にはならなかった。ボテボテのサードゴロを琴音が足で内野安打にした。彩花の送りバントを2塁に送球、完全アウトのタイミングだったが、ベースカバーのショートが落球してオールセーフ。桜の送りバント、桐のスクイズとエラーで先制、芒もスクイズで2点目。美羽がヒットで出たが、こころの三振でチェンジ。

 2回表、こころ続投、6、7、8番を連続内野ゴロで、らくらく乗り切った。

 2回裏、まともには打てそう無いので、バント、バスターと小技で勝負。美月がフォアボールを選ぶといろはが送りバント。琴音はセーフティバントを試みたが、結果は送りバント。2死3塁で彩花。バントからバットを引いてのバスターは、普通に打つより、テニスのバッグハンドに近いと言ってセンター前に運んで追加点。桜、桐、芒がそれぞれ20球近く粘ってのフォアボールで押し出し4点目、美羽のグランドスラム一歩手前のセンターフライでチェンジ。

 3回表、2番手の楓がマウンド。

「運も実力のうちでござる!」

3連打と紙一重の3球チェンジで気を良くしている楓は、ヒョイとど真ん中。バットの快音の直後、桜のグラブから乾いた音が響いた、サードライナーで1球ワンナウト。右中間の大飛球を琴音が俊足を飛ばし、更にジャンプしていっぱいに伸ばしたグラブのポケットに引っ掛かって2球ツーアウト。ライト線を襲う痛烈な当たりの筈が、ファーストベースに直撃、フワリと弾んだボールをいろはが拾ってベースを踏んで、3球スリーアウト。

 3回裏、4連投と前の回ムキになって投げていたと思われるピッチャーは、ガクンと急速が落ちていた。ストライクボールがハッキリして、ストライクはカットくらいなら何とかなるレベルだった。良く選んでカットで粘り、フォアボールで塁を満たした。続くいろははフルカウントからのスクイズで1点追加。次の琴音はダメ押しかと思われるライナーを放ったが、サード正面、ランナー飛び出して、ダブルプレイでチェンジ。

 4回表、3番ピッチャーからの攻撃。初球エンタイトルツーベースを浴び、1球ワンナウトを逃してしまった。続く4番キャッチャーはまた初球をセンター左への快打、琴音のバックホームでワンナウト、二塁をオーバーランしたバッターランナーを美羽が刺してツーアウト。2球ツーアウトでペースを回復した。3球目はピッチャーライナー、楓は慌てて逃げたが、バランスを崩し直撃を受けた。置きあがらないので心配していたら、キョロキョロボールを探していた。みつかった所はグラブの中で、3球スリーアウトが成立していた。

 4回裏、彩花から5連打と代打カレンの犠牲フライで4点、美月がフォアボールで繋いだが、いろはがファーストゴロダブルプレイでチェンジ。

 5回表、代打のカレンがそのままマウンドに上がる。6、7、8番をサクっと、三球三振。

 5回裏、琴音の二塁打を、彩花がバントで送り、10点差のサヨナラコールドにリーチが掛かった、桜、桐が連続で申告敬遠、ワンナウト満塁で芒が登場。初球から積極的に打ちに行くと、センターの頭上を遥かに越えた、今大会第1号ホームラン!13対0の5回コールドで決着が付いた。


 簡単な表彰式が終わって皆んなが着替えていると、ちょっとガッカリの小雪が現れた。卓球で優勝しているのに、やけに落ち込んでいた。

「何かあったの?」

理由を聞くと、うちのチームの試合映像をDVDにして販売するつもりだったが、先生からのダメ出しで諦める事に、なったそうだ。バスケの時には音響機材に貢献したけどね。『ななゆき』のイベントの反応を見たら、結構な売り上げは想像付くけど、その後の生活を考えたら、先生の判断は有り難かったよね。小雪も誘って、祝勝会。想定はしていたので、食材は調達済み。タピオカも朝のうちに水に浸けて来たので、準備万端。小雪に伝言を頼んで一足先に家に帰った。

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