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花田種苗の5人姉弟妹  作者: グレープヒヤシンス
第1章
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家族について

大抵の人は、天気の話しをする感じで『キレイで優秀なお姉さんと、可愛い妹に囲まれて羨ましい』と言う。可愛い妹は間違い無いのだが、姉達について否定すると、我儘か、良くて謙遜ととられる。

姉達の実態を暴露出来れば、そんな苦労からも解放されるだろうが、ちょっとそうする勇気がない。

姉達は、顔の造り、背格好では一卵性の四ツ子かと思われるほどそっくりな四ツ子だが、俺は男なんで間違い無く一卵性ではない。検査したところ、姉三人もそれぞれのDNAを持っているそうだ。因みに、家族の名前は、花札から取っている。祖母・菖蒲に始まり、母・牡丹、姉弟妹(しまい)は五光と呼ばれる20点札のある、松、桜、芒、桐、雨から選んだそうだ。


同じ学校ならば、まだ理解出来るが、違う学校にもも関わらず、全校男子の殆どが、3人の誰かのファンだった。うちの中学の場合、小学校で姉達を見ている人が殆どだか、関係の無い他校でも同じ感覚というから驚きだ。


長女・(さくら)

顔がそっくりな俺が言うのもなんだが、まさしく正統派美少女だ。成績も優秀、スポーツ万能、優しく面倒見が良い。多分、秋に交代する生徒会役員選では2年生を差し置いて会長に推薦されるだろう、中学でもそうだったそうだ。桜ファンは、俺の同級生にもたくさんいて、姉の話しばかりでなんとかして欲しい所だ。いつもオマケに扱われている。外ではパーフェクトな桜だが、家ではぐーたら。家事なんかは全くしない。三食、俺が作ったメシを食い、眠くなったら寝て、腹がへったら起きる。洗濯も俺任せ、お年頃の女の子が弟に下着を洗わせるのってどうなの?テレビの録画も全部俺の仕事。何が観たいとか言ってもいないのに、観たいものが入ってないと怒って手が付けられない。


次女・(きり)

褒める部分は桜の説明に以下同文でいいかな?違いは『カッコいい』同じ顔なのに、表情ひとつで、全く違う雰囲気だ。体育祭や球技大会では、桐の奪い合いが白熱する3人ともスポーツ万能なのだがアスリートのオーラを纏う桐は特に需要が高まる。

男子からの人気は三人それぞれで拮抗しているが、女子には圧倒的な人気を誇る。体育祭では、タオルやスポーツドリンクを差し入れたい女子が殺到して競技が出来ないこともあった。

困ったところも以下同文。加えて、蹴りが早い、強い、痛い。ほとんど虐待レベルだ。

女子からラブレターを貰ってドキドキしていたら、『桐お姉さまに渡して下さい!』ってオチが何度あったか数え切れない。


三女・(すすき)

同じく、容姿は非の打ち所のない美少女だ、『不思議ちゃん』『守ってあげたい』的な、ほんわかしたイメージで、放っとけない魂を擽る。特に大人や、年上に人気が高い。お使いを頼むと、色々なオマケを貰って来る、なかなか楽しみだ。

『気が付いたら、上手く行っていた!』となんとなく物事を解決してしまう。言い負かされた相手もなぜかニコニコ。マインドコントロールでもしているんじゃ無いかと疑うほど、丸く収めてしまう。クラスで桜や桐の争奪戦があっても、なんとなく解決しちゃうらしい。

家で困るのが、全く時間感覚が無いところだ。朝は起きない、風呂に入ったらいつまでも出て来ない。開けっ放し、付けっぱなし・・・。毎日注意しても、全く改善がない、全て聞き流されているようだ。


四女・(あめ)

可愛いくて、賢くて、自分のことは自分で出来る。俺を手伝ってくれる、姉達の制御が出来る、姉達から庇ってくれる。まさしくパーフェクト天使だ。

『物心ついた』って言うのかな?幼い頃の記憶は、雨が母のお腹にいるって聞いた時からだ。それまでは、小さくて覚え無い・んじゃなく、雨が居ない世界が必要無いから、記憶に留まって居ないんだと思う。

困ったところ?そんなのあるはずが無い!無い?

強いてあげると、中学一年生で身長165センチ最近急に伸びたようだ。三学年、実年齢で4つ上の俺が167センチまだ止まって無いと思いたい所だ。姉達からずっとチビッ子扱いされて来たので、妹に追い抜かれるのはかなり悲しい。因みに姉達は揃って169センチだ、かなり追い付いている。


母・牡丹(ぼたん)

花田種苗の3代目。曾祖父が興した花や野菜の改良、生産、販売の仕事を継いでいる。主に研究開発を担っているようだ。父・光太郎(こうたろう)とは、離婚している。


祖母・菖蒲(あやめ)

種苗会社で主に販売を手掛けている。初代の曾祖父、2代目の祖父、3代目の母をずっとサポートし続けて来た。因みに、祖父は入り婿で研究開発の方だったそうだ。


父・坂下(さかした) 光太郎

雨が生まれて直ぐに離婚。アメリカ在住の植物学者。職場では、アメリカ独立記念日に合わせ休暇を取る慣習があり7月上旬に帰国していた。俺達の誕生日が四月の頭なので辻褄が合う。


これを言うと、(ひが)みにしかならないけど、胎児時代から姉達には敵わなかった。母の養分を奪いあい、姉達は2100グラムまで成長したが、俺は生存競争に敗れ、1400グラムで誕生、人生を未熟児としてスタートした。

胎児時代のお医者さんの見立てでは、四人とも女の子だったので、産着から全て女の子用。しかも、姉達とサイズが違うので、ずっとお下がり。オモチャもテレビ番組もずっと女の子だった。

トイレも、姉に習ったので、幼稚園まで座るスタイルしか知らずに個室を使い『ウ○コ女』と呼ばれていた。

確かに、強過ぎる姉達で悪い事にばかりでもなかった。イジメっ子を退治してくれたり、イジメっ子を放置した担任の先生を叱り付けてくれたり、ファン達が姉達にお近づきになりたくて俺に親切にしてくれたりする事もあった。

ただ、助けてくれた分は、代償にご奉仕が必要だった。代表的なご奉仕に、ラブレターの返信代筆がある。メアドが広まってしまうと、スマホが鳴り続けるので、極少数の友達にしか知らせていない。その為、古典的手法のラブレターが日々届く。放っておく訳にもいかないので、ゴメンナサイの返事を俺が書く。幸い3人の筆跡が似ているので、真似のパターンは、一つで済んでいる。更に、いつも真似ていると、普段の筆跡も似てきたので最近は余り苦労していない。あとは、家事だな。段々家事の分担が俺にシフトしてきて、気がつけば、完璧なハウスキーパーになっている。因みに、母と祖母は仕事が忙しく家にはたまに寝るだけのために帰って来るので家事には携わらない。


部活選択の自由もなかった。小学生の時、姉達の指令で始めたミニバスも専属マネージャーとしてスタートだった。5、6年生を差し置いて4年生から選手だった三人は県内では『三つ子の美少女プレーヤー』として有名だった。高学年になって背が伸びたら専属練習相手だった。お陰で姉達が卒業して、いなくなった6年生の時には選手としてそれなりに活躍出来た。但し、中学生になると、背が伸びなかったので、三年生でやっとベンチ。

背が伸びなくて回避出来た事もある。もっと背が伸びてたいら、連日の告白攻めの回避と為に、偽彼氏にするつもりだったそうだ。面倒なことしか想定出来ない。ただ、身代わりデートの偽者として使われるよりはまだましだっただろう、何とか、女装がムリなサイズまで伸びたいものだ。


理不尽な話だが、まぁそんな姉達が好きなのはしょうがない。命の恩人でもあるし、一生言うことを聞く約束もしたので、逆らう訳にもいかない。

あのテロのせいだ。

いよいよ、令和ですね!活気があっていいですね、殆ど関係無いけど、悪い雰囲気じゃないですね。関係無いと言うと、ゴールデンウィーク。いつものパターンで仕事しています。通勤ラッシュに会わないのが最大のメリットかな?

皆様、素敵な令和を、素敵なGWをお過ごし下さいね。

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