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花田種苗の5人姉弟妹  作者: グレープヒヤシンス
第2章
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芒の策略

家帰ると、カレンが熱弁を振るっていた。昨日の体育館の話しをして、単行本を捲りながらの解説だが、以外とみんな聞き入っていた。芒が1番反応しているかな?作中の、ブルーホテルに行く事になっていた。

連載中はブルーじゃない別のカラーの名前のホテルだったが、今は、派手な帽子の社長さんで有名なホテルになっている。

カレンの接待半分、カレンの演説半分で、聖地巡礼を続ける事になった。カレンも行けるとは思っていなかったようで、詳細な情報は無かったが、

「5分ください!直ぐに検索します!」

カレンは直ぐにスマホを弄り出した。あっという間に、現実のホテル名と住所を把握、ついでにもう少し足を伸ばすと!別のアニメの巡礼も出来ると、明日プランが出来上がっていた。芒は、夢愛さんにメールしていた。

芭流留市の巡礼は、かなりマイナーなラノベで日本国内は、もちろん、誰も探求していなかったので、カレン自らの調査の結果だそうだ。

「アライグマとサンショウウオ魔物が出た公園ってここだよ!」

芒がガイドブックをひろげた。作中にあった塔は、『1世紀の塔』と言って、開拓100年記念したものなので、近いうちに行って見ることになった。

「昨日行った新創成から歩いて行けるよ!」芒の言うことだから間違えないだろう。


ブルーホテルの向こうと言うか、同じバス路線で、別のアニメの聖地があると、カレンの興奮が止まらない。アニメ化されたものは、情報がふんだんにあり、かなり確実に聖地に行けるそうなので、早速明日、足を伸ばして見よう。


カレンの解説によると、最初に行った体育館のあと、主人公に、次ぐ脇役が女装デートしたり、芭流通市が舞台のファンタジーは、産まれた時から魔法で男として暮らして、50代で女性に戻った主人公が活躍する話しだそうだ。追加になった聖地は、ファミレスの女装ウェイトレスが主人公。姉弟妹構成がうちと同じなのでチェックしていたそうだ。マンガを読んで今の地図とリンクさせた。


芒というか、姉達はマンガはもちろん、ラノベなんて読むイメージが無いが、かなり積極的にプッシュしてくる。カレンの歓迎ってことで捉えて大丈夫だよね?何か別の目的がないか、心配になってきた。とりあえず、明日は、バスケマンガに登場した、『ブルーホテル』のモデルを見に行ってそのまま足を伸ばし、ファミレスのアニメで登場した温泉街に行く。宿も取れたそうなので、1泊ツアーになる。


落ち着いた所でお風呂に入った。また、いろはが入って来ないか心配していたが、入って来たのは芒で、ほっとした。ん?ほっとしちゃ不味いだろ?姉弟とはいえ、思春期真っ只中の男女か、一緒にお風呂って不味いでしょ?姉妹達はここ数ヶ月こんなシーンが頻発しているので、せっかくなので、いろはと入っても舞い上がらないように慣れておこうと、

「芒、背中流すね!」

客観的に見ると、パーフェクト美少女なので姉達を凝視しても平常心でいられらるよう頑張ってみよう。何とか背中を流すと、

「じゃあ、もみじは私に任せてね。」

いつの間にいろはが入って来ていて、背中を流してくれた。二人きりよりは、ドキドキしないかな?っていうか、普通に視界に入っている。

「次、交代ね!」

いろはの白い背中を見ると、目眩がしてきたので、目を閉じたままミッションクリア。3人並んで湯に浸かり、明日の巡礼の計画を話した。油断していると、芒はさっさと上がって二人になってしまった。

「姉ちゃん達に、無理やり入らされてる訳じゃ無いよね?」

「うん、大丈夫、心配しないで!」

ドキドキがマックスになる前にそっと上がった。(いろはは、居なくなるのをスルーしてくれた。)


脱衣所に出ると、芒がまだいて、ドライヤーの指令が出た。家事の他にも色々小間使いをさせられる毎日だが、最近()()()でいる時間がほとんどで自分の髪を乾かしたりするようになると、姉達のヘヤメイクも俺の担当になってきた。暑い時にドライヤーを弄りたくないと、夏休みになってからは毎日誰かに使われているなあ。

「暑けりゃ、ショートにしたら?ドライヤーの時間も短くて済むよ!」

睨まれるかと思ったが、

「いいね!もみじとお揃いにしようかな?」

なんか、ズルい顔した気がしたが、ほんの一瞬だったし、聞いてもムダなので、スルーしておこう。自分の髪もザッと乾かして、芒と一緒にリビングに行くと、桜が待っていた。『俺を』じゃ無くて、アイスコーヒーを待っていた。水だししたコーヒーを、冷蔵庫に冷やしてあるので、勝手に注いで飲めばいいのに、それすらも面倒なのかな?芒も欲しがるのでみんなに聞くと、桐とカレンもアイスコーヒー、雨は、麦茶がいいと自分で用意していた。グラスを並べたトレーを運ぶと、芒がショートカット宣言し、なぜか、桜と桐も切る事になっていた。お馴染みの美容室は、ばあちゃんや母さんも行く昔ながらの美容室で繋がったお隣は、旦那さんが営む床屋さん。俺はそっちで切って貰っていた。学院のアイドル的な姉達なら、ショッピングモールのお洒落なヘヤサロンとか、わざわざ創成の街中まで行って切って来るイメージだが、普通にオバチャン達に混ざって切って貰っていた。

夏休み中はサマータイムとか言って、ラジオ体操のあとから昼までしか営業しない。明日早速、朝イチで切って来るそうだ。巡礼の出発には間に合うだろう。桐は綿密に明日の計画を立て、時間を指示。

「私は切らないよ、やっと伸びたし!」

「いや、サンプルとして一緒にいって()()()()

最後、一応疑問文になっているけど、選択肢は『はい』しかない感じだよね。

「あのね、いろ・・・」

「いろはを誘うなって言いたいんでしょ?大丈夫、あのサラサラストレートは、世界遺産並みだもんね!」

桜の目は、今は()()()を冷やかしていると伝えている気がした。

成人式の時に髪を結うのに伸ばすって言ってたのに大丈夫かな?


また巡礼の計画に戻ると、雨が芒に、

「どうして、夢愛さん誘ったの?」

「百獣の王は、義妹候補を谷底に突き落とすんだよ!」

芒は雨の耳そっと答えた。直ぐ隣だったのでギリギリききとれた。芒はいたずらっ子の顔で笑うと、いろはがお風呂から出てきたので、明日の予定の話題にパッと変えた。


いろはが、うちで暮らすように、なった頃も芒がなんか、含みのある話しぶりだったし、姉達といろはとの間で何らかの取り決めがあるのは間違いない。バッドエンドだったけど不審者事件も完結して、身代わりデートもしなくてよくなったので、元に戻ってもいいと思うんだけど、学校以外では、ほぼほぼ()()()で過ごし、いろはは俺の部屋に住み着いている。始めはドキドキして、眠れなかったり、常時女装はしんどいと思ったが、慣れた来ると結構楽しい。絶対に口に出来ないが、可愛いお洋服を着るのは悪くない、というか、継続したい気分。もし、『()()()として暮らして親友とルームシェアする』って言うのがセットなら、しばらくこのままがいいかな?


明日の計画、バス、地下鉄の乗り継ぎ、バスの乗り場と、時刻表をダウンロードして、カレンの指導でバスケマンガを熟読。ファミレスアニメの温泉街シーンを観賞した。

古本で集めたマンガは、読む速度が速い順で、桐、桜、雨、芒、いろは、俺が読む。インターハイのシーンまで読んだので、明日の巡礼の参加資格を与えられた。

ファミレスアニメは、姉弟妹(しまい)構成がうちと同じ(4ツ子じゃないけどね)でびっくりした。せっかくなので、初めから観たくなったとカレン先生に言って見ると、スマホの契約がまだちゃんと出来ていないので、1話だけで、ギガ死したそうだとのこと。急ぐことも無いので、そのうち観せてくれるを待つことにしよう。


ラジオ体操の時間に起きなきゃならないので、早めに寝ようかな?いろはに視線を送って部屋に戻った。

直ぐにいろはも上がって来ていて、ベッドに潜り込んだ。

今朝感じた、唇の感覚。明日は確認出来るだろうか?もし、想像通りなら、気付いたこと知られない方がいいかな?黙っていたら毎朝かも知れないし・・・。そんな妄想をするとまた目が冴えて来るので慌てて、バスケのマンガの内容を頭の中で復習した。かなり慣れきたし、いくら一緒のベッドでも何も起きない、と言うか、()()()()()()()状況なので、直ぐに平常心。何とか眠れそうだ。

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