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花田種苗の5人姉弟妹  作者: グレープヒヤシンス
第6章
133/139

オンエアの手応え

 上京しての収録は、ひとまずクリア。しばらくは、創成の劇場でオンラインライブ。僕は取り敢えず予定は入っていない。平日はもみじで登校、土日は家事って感じ。

 収録した番組が続々とオンエアされた。先ずは、小雪と夢愛と一緒に出たバラエティー。あまり面白いこと言えてないと思っていたが、結構な活躍。小雪の回答が絶妙な外し具合いで、ネットではヤラセ(・・・)ではないかと嫌な書き込みも有ったが、概ね好反応。ホントに大学生?って反応もかなり有った。放送では夢愛の一本背負いは流れなかったので、番組ホームページはリクエストの投稿で炎上気味だった。

 次は小雪と夢愛二人出でたクイズ番組。いつの間にか、寄付に訪れた映像を撮っていて、途中でドロップした事への批判は殆ど無かった。

 カレン達のゲーム番組では、簡単にクリアし過ぎて、面白味に掛けると思ったようで、所々に過去最高だった『最強アスリートチーム(リベンジ・リベンジ)』との比較が紹介されていた。

 そのチームは、現役トップアスリートのオールスターで、3回目の挑戦で残した記録との事。他のチームとは比べ物にならない成績なので、攻略の参考にしたチームでもある。収録の時には気付いて居なかった『新記録』のテロップが踊り、アッサリクリアしてしまったラストの立体迷路もそれなりに盛り上がって見えた。

 いろは達のグルメロケも好評で、既に次のオファーが来ているようだ。地元出身の芸人さんが、帰省して街を回る番組らしい。放送された店は、行列必至の人気番組なので中々の成果だろう。

 さて姉達の方。歌のコーナーからスタート、相変わらずの歌唱力に加え、同じ声でのハモリは、とても耳に馴染んだ。元々24グループの曲かと思える様なダンス。ゾニーズの歌声はカットされ、すっかりバックダンサーになっていた。


 結果が気になっていたバスケ対決。ゾニーズの皆さんは、運動神経抜群で2人は中学でバスケ部、芸能活動にシフトして辞めたそうだ。身長は170後半位かな?ハンデと迄はいかない位。

 青のハーフパンツに黄色のTシャツ、リストバンドは左右で青黄、バスケ部との試合の時は、靴紐だけ色を変えてたけど今回は、靴そのものが左右で青黄だった。3人とも左が青なので6足買ったんだろうな。

 ハーフコートで5分間の4クォーターで、元全日本のスター選手が解説に付いていた。ジャンプボールを奪われ、ディフェンスからスタート。ただ、『奪われた』じゃなく『譲った』んだろうけど、解説は身長差で片付けていた。緩めのディフェンスで先制を許す。時間を掛けて同点に追いついた。次のディフェンスはゾニーズのシュートミス、オフェンスは30秒ルールでターンオーバー。取られたら取り、取られなかったら取らない。2点ビハインドと同点を繰り返し第3クォーターを16対16で終えた。

 ファイナルは姉達のボールでスタート。開始1秒で桜が3ポイントを決めた。そこからはスティールからの3ポイントを立て続けに決め、ゴール下ではファールと貰ってバスケットカウント。タイトに守り、苦し紛れのシュートはリバウンドをしっかりキープして、ファイナルだけで20点しかも無失点。36対116の圧勝だった。

 ダイジェストになっていて解りづらいが、3クォーターまで、接戦を演じて相手の消耗を誘っていたように見えた。試合後、ゾニーズの皆さんは、ドリンクを倒れ込むように拾って、頭から湯気を立てて飲んでひっくり返った。姉達は、これから準備体操って感じでたぶん呼吸も脈拍も安静時とそう変わりは無いだろう。最初から飛ばしては面白く無いって考えだろうが、ゾニーズファンから顰蹙を買いそうだ。

「皆さん紳士ですから、接触とか気遣って頂いた分がハンデになってましたし、ファイナルは出来過ぎでしたからスコアは偶々です!」

フォローは時に傷口に塩を塗る事にもなるが、それを理解した上でのフォローに見えた。テレビを観ながら桜は、

「青と黄色のツートンで、(ゾニーズ)を蹴散らすのって爽快でしょ?」

計画通りの圧勝だったようだ。


 最後に料理対決。収録の時にも居た、料理研究家のオバちゃんが解説していた。一人で何品も作っていて、何を言っているのか聞くヒマ無かったから、居たことすら覚えて居なかったが、僕の料理をベタ褒めしていた。『ホントに高校生?』を連発、作業後のキッチンが殆ど片付いていた事や、生ゴミの量が極端に少ないと、味以外でも絶賛してくれていた。作業中は9対1位で僕のキッチンが映り、ゾニーズに軍配が上がった時の本人達の驚く様子が、料理のデキを示してくれた。

 ご褒美のキスは実質的に完敗の罰ゲームみたいなモノかと思っていたが、何時も女優さんとかの時と変わらない様子だった。

「なんか不思議だね、女装しなくても、スッともみじちゃんになれるんだね!今、女優モードに入ったでしょ?」

何言われたか解らなくて、愛想笑いで誤魔化していたが、たぶん、かなり褒めてくれた気がする。ルール無視で追加で料理したり、やり過ぎかとも思ったが、気にする事も無さそうだ。取り敢えず、皆んな無事に地上波デビューを果たしたので、ちょっと安心かな?


 地元局の番組に誰か彼かが毎日出ているようになり、感染症も収束傾向なので、創成劇場の公開が決まった。GBAスタートに合わせて募集したメンバーもしっかりレッスンを受けて、幕があがるのを心待ちにしている、うちのメンバーを含めて30人、3チームで交代でステージを勤める。普段はバラバラのチームになる予定だが、オープニングは、うちのメンバーが揃うのと、全国の先輩グループのオールスターが応援に駆け付けてくれるそうだ。茂木さんやスタッフさんは、順調過ぎる位だと呑気にしている。

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