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花田種苗の5人姉弟妹  作者: グレープヒヤシンス
第5章
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修学旅行最終日

 その後、順調に日程を消化、最終日はアメリカ映画のテーマパーク。3コースからの選択だけど、たぶん全員ここを選んでいる。東の夢の国、西の映画の国とテーマパークの両雄と呼ばれている。小さい頃、フロリダの本家(?)に行った事があるらしいが、殆ど覚えていない。

 感染対策で、入場者数を制限して居るので、本来なら長蛇の列か、別に有料パスを用意しなきゃならない筈だが、割とスイスイとアトラクションを制覇していった。


 ランチで待ち合わせしたいろはに、

「ファンに見つかったりしなかった?」

「コレ被ってたら、皆んな同じに見えるんじゃないかな?」

キツツキキャラの大きな帽子を取って髪を直した。姉達も頷いて居るので、どうやら無事だったようだ。カレン達が来ないので、メッセージを送ると、

『TKY24のファンに見つかってプチパニック、クルーの方に助けてもらって裏口からアトラクション乗ったりしてるよ!合流するとまた騒ぎになりそうだからからランチは私達だけで済ますわ。』

あらら、海外からのお客さんか殆ど見当たら無いので、カレンは派手な帽子でも隠れられなかったらしい。気の毒に思いつつも、アイドルとしては良い傾向なんだろう。桐は、自分もそうならない様、3人揃わない様、桜・桐・いろは、芒・楓・こころに分かれて行動する事にして、僕等も別のテーブルをとる事にした。

 ふた組のテーブルは僕の席から見えていて、周りのお客さんは普通に二度見はしているが、ただ美少女が視界に入った時のノーマルな反応でアイドルバレって訳じゃ無さそうだった。何事もなく食事を終えレストランを出ようとすると、出待ち(?)の人垣が出来ていた。殆どが他の学校の制服の男子だったので、姉達に視線でサインを送ると、桜はクルーさんに話し掛け、皆んな店の奥へと消えて行った。ホッとして店を出ると、

「花田松太郎君ですよね?YUMEの!」

まさか、僕がターゲット?逃して貰った皆んなが出て来ない事はお構い無しで人垣か崩れない。そして殆どの人達がデジカメがスマホを構え、サイン帳を手にしていた。

「良かったら、お手伝いします!」

普段は超人気の耳垂れ犬と写真を撮ったりサインを貰うスペースに誘導され、30人程の男子(・・)高校生と握手して、ツーショ。サインは勘弁してもらってなんとか集合時間に指定の広場に戻る事が出来た。

 空港に移動、騒ぎにならずに搭乗出来てホッとしていると、

『お急ぎの所、申し訳ございません。』

CAさんのアナウンスが流れた。この飛行機の前に飛ぶ飛行機がトラブルで滑走路に入って立ち往生。順番待ちでスタンバイしていて、更に後ろも並んでいるので、渋滞してしまった。

 前の飛行機が、飛べないのなら、退けてくれれば、直ぐに飛べると高を括っていたが、止まったままでピクリとも動かなかった。1時間を越えた頃、

「前の飛行機はハイジャックのようでござる。」

ネットニュースによると、隠し持っていた大量の手榴弾で籠城しているそうだ。詳しい事は解っていない。殆どの乗客がスマホを睨みつけていると、

「前の飛行機で手榴弾が爆発したら、燃料に引火して、こっちも危ねえんじゃないか?」

誰かの放った根拠も何も無い一言で機内はパニックになった。

「飛べないんなら、搭乗口に戻ってくれよ、爆弾の道連れなんてまっぴらだぜ!!」

「飛行機ってバック出来ないのか?!」

「歩いて戻るから、滑り台出してくれよ!」

各々勝手な事を言って収拾がつかなくなってしまい、イライラが機内を埋め尽くした。

CAさんが小声で

「花田松太郎さんですよね?」

「あ、はい。」

機長から、安全の説明をする事を告げら

れ、その後にGBAに歌って欲しいとの事。以前、地元出身の超スーパースターが、待ち時間を癒やす為に歌った事があったので、その効果を期待しているのだろう。修学旅行の僕等以外は、出張のサラリーマン風の人が多かったので、姉達の昭和歌謡がウケそうなので、桜に目配せすると、ニッコリ頷いてくれた。

『・・・ご心配には及びません・・・以上、機長からのご案内です。もう少し機内での待機をお願い致します、このお時間で素敵な歌声をお届けします。では、松太郎君、マイクをお願いします!』

 えっ?僕に振るの?CAさんは、受話器をニッコリ渡してくれた。

「えーっ、先日、『YUME』と言うドラマで一応俳優をしました、花田松太郎と申します。僕の姉達とクラスメイトが、『GBA24』と言うユニットで、アイドルデビューするんです。今日は、昭和歌謡のカバーで懐かしんで頂きたいと思います、では、お聞き下さい!ではどうぞ!」

 何も用意していなかったが、美月はライブ排出用にバイオリンを持参していて、手荷物で持ち込んでいて、アカペラかと思っていたが、バイオリンのイントロが流れて来た。姉達が、70年代、80年代のアイドルソングをメドレーで数曲、サラリーマン風の皆さんがウットリ。機内が和んだ頃、

『只今、管制から連絡が入りました、滞っていました、先の便が動き混したので、当機は離陸滑走路に移動致します。2時間程の遅れとなりまして申し訳ございません・・・』

ほのぼのの雰囲気で、関空を飛び立った。

 ハイジャックの手榴弾は、ビニールのオモチャだったそうで、死傷者は出なかったが、乗客は一旦降ろされ、別の飛行機に乗り直すらしい。合計で何時間遅れるのだろうか?気の毒に思いつつ、あっという間に爆睡、気が付くと着陸態勢に入っていた。


 元々遅い時間の到着の上、2時間遅れのお陰か、追っかけとかパパラッチ的な人は居なかった。空港線で創成に帰る人は問題無いが、麻幌へのバスは既に最終が出てしまっていた。親御さんが迎えに来ていた車に便乗して大半を捌き、残りはタクシーに分乗。航空会社から、タクシーチケットが配られていたので、大荷物でバスよりは快適だっただろう。僕等は事務所で用意してくれていたマイクロバスにで待機、最後の生徒を見送った上原先生を待って帰路についた。


 マイクロバスに揺られ、上機嫌でスマホを覗いた楓は、

「なかなか好評でござる!機内ステージ、もう1万再生突破!」

GBAの公式サイトの登録数もグンと伸びているそうだ。新劇場ももう少しで完成するので本格的に忙しくなりそうだ。

明けましておめでとうございます。

ネタの枯渇が解消出来ません。

少しお休みを頂きます。

代わりに、

『ハーレムだよね?たぶん。』

を連載開始します。

異世界モノで、休日(土日祝日)の0時に更新です。

元旦3話、2日、3日で5話までアップしています。

5姉弟妹を書いていると、異世界モノのネタが思い浮かぶので、少し溜っています。向こうを書いているうちに、こちらのネタが見つかるかも知れません。

暫くのご無沙汰、ご了承お願い致します。

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