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花田種苗の5人姉弟妹  作者: グレープヒヤシンス
第5章
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GBA24

 茂木さんの作戦?いつの間にかGBAの広告担当になっいて、ローカルの別の局や、ラジオにも呼ばれて、落ち着く間もないうちに夏休みは終わってしまっていた。

 宿題は片付けてあったので、焦る事は無かったが、教室の雰囲気がガラリと変わっていた。元々アイドル並みの姉達を囲む人垣が、僕の所にも出来ていた。ちょっと(?)違うのは、ほとんどが男子だった。(ごめんなさい、見栄を張りました、全員(・・)男子でした)

「アンアンとキスシーンがあったってホント?」

「プライベートのお喋りとかした?」

「メアド交換は?」

怒涛の質問攻めにあい、何とか誤魔化しているうちに、体育館集合の校内放送が流れ、ひとまずは解放された。

 まぁまた教室に戻ればさっきのリピート。

『オンエア迄は何も話しちゃいけないルールなんだ。』

と、茂木さんから授かった伝家の宝刀で何とか凌いで、名前の割にボリュームのある小テストを受けて、普通通りの6時間授業で下校。GBAの皆んなは、パパラッチやストーカー対策と、新劇場でのリハーサルの為でマイクロバスのお出迎え。視線を気にする事無く、独りで家に向かった。


 校門には、望遠レンズを装備したカメラ小僧や、ツーショやサインを強請ろうとしていそうな男子がチラホラ。マイクロバスで脱出済みなのに気づいてないのだろうか?

 何も無い雰囲気で通過しようとすると、

「YUMEの花田松太郎クンですよね!サインお願いします!」

えっ?いつの間に有名(YUME)に?なんて、頭の中に浮かんだオヤジギャグを音声にしなかった事に安堵しつつ、

「たまたまテレビとかに出たけど、芸能人になった訳じゃ無いから、サインなんて出来ませんよ!」

「あの、サラサラってサインじゃ無くてもいいですから!名前だけでもお願い出来ませんか?」

断っているうちに、希望者が増え計6人。仕方が無いので、

『GBA24をよろしくお願いします。

花田 松太郎』

と色紙に書いた。その後自撮りのツーショで何とか解放して貰えた。因みに、6人とも男性で、少し凹んで秋野の家に帰った。


 もみじになってから、庭を通って花田の家に忍び込む様にして夕食の支度をした。万が一、松太郎がここにいても大騒ぎにならないよう、個々の部屋にはカードキーで開くオートロックにしてあるので、リビングなんかは、マンションの共有スペースの様なカテゴリとして、姉以外のメンバーと一緒にいても問題じゃないと言い訳出来る様になっている。


 雨が帰って来ると、まだ夏休みが続いている小雪と夢愛が遊びに来た。バタバタしてほとんど聞けていなかったキャンパスライフの話と思ったが、感染症対策でリモート講義ばかりで、大学での出会いは皆無との事。リモートで講義を見て、家庭教師のバイトで毎日を過ごしていたそうだ。女子中学生ばかり5人ずつ、月金で、毎日3時間ビッシリ詰まっているとの事。大学は実家からリモートでもいいけど、家庭教師はそうは行かないので、まだまだ夏休みだけど、明日からアパートに帰るそうだ。中2向けの資料を雨のお土産にもって来てくれていた。

 女子中学生の親御さんは、色々心配して同性の先生を希望する傾向にあり、感染症対策で塾が休みになったりして、家庭教師の需要が高まるのと相まって、二人はひっぱり凧で稼いでいるらしい。生徒達も、ほぼ同年代に見える先生はお友達感覚で嬉しいのかもしれないが、そこは黙っておく事にしよう。

 雨が数学で教わりたい事があると聞くと、サクっと教科書を開き、2ページ捲っただけで目的のページに到達、ほぼノールックで、

「この公式よ!」

手際の良さに驚いてしまった。どうやらひっぱり凧の理由は、性別や容姿だけでは無いらしい。


 茂木さんがやって来て、最近の広報活動(?)を褒めちぎられた。夏休み終了と同時に、芸能活動も終了する事になっていたので、臨時の契約を解除する手続きかと思ったら、

「色々オファーが来ていてね、正式契約にした方が良さそうだと思ってね!」

丁重にお断りをしていると、茂木さんの視線は、小雪と夢愛を捉え、キラリと輝いた。また、雨の同級生と間違えるんたろうな。

「小雪さんと夢愛さんね!はじめまして!」

見掛けの年齢詐称をアッサリ見抜くと、二人にも

「学校と家庭教師の合間でいいからさ、絶対に売れるから、ステージ立ってみようよ!」

実年齢だけじゃなく、バイト事情迄把握していた事で、二人は信用に値する人と判断したようだったが、教師になった時の保護者の声が面倒臭いと予測してキッパリ断っていた。一応茂木さんも引いていたが、諦めた感じでは無さそうだった。チラリと合った視線は、僕もターゲットから外していないと訴えている殺気が伝わって来た。


 皆んなが帰ってきて、近くライブ配信する予定のステージの通しリハの画像を見せてくれた。修正ポイントのチェックの為との事だか、僕の目にはパーフェクトに映った。

「ココ、私、早過ぎたようですわ。」

美月の指摘にスローでリプレイすると確かにほんの少し早く動き始めていた。実物と映像でちゃんとした比較は出来ないが、東京で観た先輩グループに劣っている様には見えなかった。茂木さんも安心した様子で、

「あとは、健康と、スキャンダルに気を付けてね!」

新創成に借りたマンションに帰って行った。


 全員で歌い踊る楽曲の他、姉達3人の昭和アイドルソング、カレン、美月、彩花、美羽、琴音のバンド演奏、いろはのピアノに楓とこころがハモる曲もあり、途中止めたりもどったりしながらも、充分に楽しめた。

 どれも良く出来ていると思ったけど、先輩グループのヒット曲をロックにアレンジしたバンド演奏がとても新鮮だった。予餞会の時と同じく、ドラムがカレン、美羽と琴音がギター、彩花はベースで、美月はバイオリン。バイオリンはいろは達のほうが合いそうだし、人数的にもバランスいいんじゃないかと思ったけど、実感に見てみるとしっかりフィットしていた。

 ピアノとコーラスは、やはり先輩グループの曲をアレンジした物だったが、『次の合唱コンクールにどうぞ!』

って看板が見えるような仕上がりで、大きなコンクールの課題曲にでもなれば、学校の数だけ売れるんじゃないかって感じだった。

 姉達は80年代アイドルの曲を歌っていた。まぁ言わなくても完璧だよね。最近流行っているようなので、コレもきっとウケるんだろうな。

 夕食のあと、もう一度、止めたりしないで観せて貰って秋野の家に帰った。

こんにちは、グレープヒヤシンスです!

いつもお付き合い頂き有難うございます。


主に通勤時間に考えたり書いたりしておりましたが、

在宅勤務になり、その時間がなくなってしまいました。

他の時間に余裕が出来てはいますが、上手く活用出来ていません。

頑張っていますが、来週はお休みさせて頂きます。

その後はお休みか、投稿ペースを下げる事になるかもしれません。

出来れば、気長にお付き合い頂けると幸いです。

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