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花田種苗の5人姉弟妹  作者: グレープヒヤシンス
第5章
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正しい記憶?

 ここでの正しい記憶とはなんだろう?信頼出来るのはやっぱり、いろはと雨だろうな。いろはと、松太郎代わりのもみじが入れ替わっているのは理解した。その他を順に辿ってみた。


 花田家は5人姉妹、桜、桐、芒が三つ子、4女いろは、5女雨。私は秋野家の一人娘。誕生日は元の記憶のままだった。他の住人達も記憶のまま。

 大きなイベントを確認、学校は私も敬愛の中等部だった位で、千葉とは小学校の同級生らしい。中等部の卒アルを見ても、極普通に一緒に写っていた。


 テロに巻き込まれた事件は、こちらでは発生していない。三つ子が1年間ニューヨークに留学し、帰って来た3人を追うように日本にカレンが留学に来ている。


 クズ元市長の隠し子が起こした事件も発生していなくて、大森会長も健在で東京の大学に進学しているらしい。オカマ探偵の活躍機会は無く、身代わりデートなんかも無かったようだ。


 何となくこっちの方が平和かな?アニメの聖地巡礼であちこち行った写真や動画、観光ガイドとかを編集した映像を観ながら記憶の違いを確かめる。学校行事の映像のあって、球技大会なんかは、一緒に参加していた。足を引っ張らない程度だったらしいが、上手く編集して全員が大活躍の様に見えた。

 楓のアレンジした、R18指定のゲームも皆んなのスマホに入っているけど、松太郎が存在しないので、百合モードだけの仕様になっていた。シアタールームで、正しいと思われる記憶を学習していると、

「もみじの言う『松太郎殿』のプロフィールをインプットするでござる!」

言われるがままにパソコンを操作、答え辛い質問を空欄のままにいていると、

「ソコは必須項目でござる。確かに答え辛いであろう。最大値にでもして置こう。」

楓はマウスを取り上げカチカチ。松太郎のアバターの下半身が不自然に膨れていた。流石にそれは無いだろう、抗議の言葉を見付けられずにいたら、

「デフォルトでよかろうか?」

えっ?その手があったの?あっちではそうしたのに、さっきただの空欄だったよね?まぁ楓のトラップならあり得るか。

 こっちのゲームにも松太郎が登場するらしい。音声データの入力またするのかな?

「いろは殿の音声データを加工するので心配無用でござる。」

サクサクとスマホとパソコンを操作して、楓は無言で頷いた。直ぐに皆んなのスマホがなって、

『ハーレムサミット・乙女の矜持』をヴァージョンアップしますか?

と、通知が届いていた。『YES』をタップすると、むこうと同じ『松太郎と一緒』に変っていた。試してみたら、内容もむこうと同じ様だった。

 色々話しているうちに、こっちの世界が普通に思えてきて、むこうのトラブルや、松太郎の完璧女装とかって有り得ない。そう考える様になって来た。


 ゲームをしながらお喋りをして、交代でお風呂。美羽、琴音と3人で入浴。松太郎の記憶では、住人の中でスキンシップが1番少なかった2人だが、

「気にするって感覚が解らないわ。」

松太郎の記憶と意識ごあるから、同級生の女子とのお風呂に感じる事を説明した。

「じゃあ、早く慣れるといいわね!」

背中を流しあって、

「こんな事も記憶に無いでしょ?」

泡まみれのまま、いろんな所を触られ、

「見掛けより有るわね!カレンや桜達のせいで目立たないけど、立派に成長してるわね!」

ニセモノでは無い膨らみを、片方ずつ堪能していた。中等部からの思い出話を聞かせてもらって、そのまま美羽の部屋でお泊り。3人には狭過ぎのベッドで密着して寝落ちする迄スキンシップを楽しみながらお喋りした。

 目を覚ますと、両手に柔らかく心地の良い感覚があった。朝寝惚けた時の癖はこっちのもみじも同じ様で、スキンシップは攻守交代していたらしい。パジャマを着ていた筈の二人は何も(・・)着けていなかった。驚いていると、

「ホントに寝惚けてたのね、もみじが脱がせたのよ!」

美羽は枕元にあった小さな布を拾って渡して来た。

「えっ?コレも脱がせたの?」

美羽の頷きに続き、

「私も!」

琴音も同じモノを握らせて来た。寝惚けた私の両手にには障害物だったらしく、その時の事は二人とも顔を赤らめて教えてくれなかった。

 朝ごはんの支度をしにキッチンに降り、何時ものルーティーン。パラパラと、起きて来る順に食事を提供、芒が食べ終わってやっと開放される。食後、部屋に帰って来た先生は渋い表情で、

「暫く休校になるそうよ、感染症対策だって!」

えっ日本迄?海外で猛威を振るっているウイルスがとうとう上陸したとのこと。ニュースでは大袈裟に騒いていたけれど、そんなに深刻な事とは思っていなかった。外出自粛を呼び掛けられているが、冷蔵庫や食料庫はかなり詰まっているので、在庫だけでも十日は持ちそうだし、生活必需品の買出しは問題ないそうなので、問題無く暮らして行けそうだ。

 元々日曜日なので、のんびりして特に予定は無かったけど、出ちゃ駄目って事になると、家に居るのが苦痛に思えてくる。せっかくなので、庭仕事を手伝って貰った。

 春から秋まで、色とりどりに咲く草花達。バラの冬囲いを外すことからスタート。むこうでは、去年の今頃はまだ姉弟妹といろはだけだったので、お手伝いは雨といろはだけだったけど、

「沖縄じゃあ、出来ない経験ね!」

先生がハイテンションで参加すると皆んなも同調、あっちの世界では松太郎に任せっきりだった三つ子も参加。こっちでは3人が主導で管理しているらしい。毎年土日をフルに使ってクタクタになりながら頑張ったメニューが、午前中で片付いてしまった。

 午後は、バラの剪定や、芝生の手入れ、葉が茂ってくると手が届かなくなる部分の雑草や苔を取った。やっぱり2日分のメニューをサクサク熟し3時にはキッチンに移動していた。

「いつも、ありがとう!もみじは

休んでいて!」

姉達いや、三つ子達が、キッチンを舞い白玉団子入りの抹茶パフェが出来上がった。あの3人が率先して料理?皆んなも驚いて・・・いなかった。どう見ても『何時もありがとう!』って表情で、いろはと雨がそれぞれに合わせた飲み物を配っていた。

 パフェを突きながら、花壇のデザイン会議。毎年は松太郎が任され、雨は褒めてくれるけど、姉達は『悪くは無いわね』程度の評価なんだよね。スケブにクレヨンで3案出来ていて、

「毎年、もみじのデザインが好評だから、今年は審査員ね!」

芒は、3候補を並べた。なんか私、高待遇?

「赤白ピンクの幾何学模様が好きかな?広いから、ちょっと単調になりそうだね、濃さの違うピンクをグラデーションにしたらどうかな?」

やっぱり高待遇?

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