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花田種苗の5人姉弟妹  作者: グレープヒヤシンス
第4章
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引越し


 その日は朝から小雪と夢愛の引っ越し。そういえば私?僕の誕生日だけど、昨日一緒に祝って貰ったので何も無かった。

 早起きして、花田の家に来て朝ごはんと出かけない人の分のお弁当を作って、引っ越し当事者の2人と雨、それと()。今日は松太郎として手伝いに行く。持って行く荷物らしいモノは、簡単な掃除道具にカーテン、すぐ沸く電気ポットとトイレのスリッパ位で、あとは追って届く算段になっている。

 JRを乗り継いで大学のある紺の里駅。駅前の不動産店で鍵を貰って、アパートに向かう。実際に引っ越す二人より、雨の方が喜んでいた。容姿から大学生の二人を子供扱いしてしまった担当のお姉さんが、雨も大学生だと思って話していた事が嬉しかったようだ。

 アパートに着くと、約束より早く電器店の配達が待っていた。慌てて鍵を開けて、ブレーカーを上げた。続々と業者さんが訪れ、午前中の約束は11時前にクリア。駅前に戻って、日用品の買出しをして、大学の近付くのお蕎麦屋さんでランチ。1時前にはキッチリアパートに戻って午後に備えた。

 午後になって届いのは、ウチからの引っ越し荷物で、数も少ないし、行き先が書いてあるので、各部屋に直行。箱の中身も、引き出し毎に小分け出来ているので、先に届いていた家具にサクサクと納め、明るいうちに全てが片付いた。

「電子レンジだけでもいいと思ったんだけどね、しょう君が来たとき必要かと思って、オーブンレンジにしたんだ!」

満面の笑みでオーブンレンジを自慢する夢愛だったが、下ごしらえもして無いし、ストックとかも無いので、晩ごはんは簡単なパスタで済ませた。

 食後、ベッド割のトランプ大会を小雪が提案したが、

「今日はもみじねえじゃ無くてお兄ちゃんだから、女の子とお泊りは禁止よ!雨とお泊りね!」

雨の一声で、夢愛の部屋に小雪が移り、空いた所に兄妹で泊まる事になった。

「しょう君からお風呂どうぞ!」

お客様扱い?一番風呂。かなり狭さなので、一緒に入って来る事はなく、サクっと済ませた。パジャマになってパソコンの設定を手伝っていた。楓の作った手順書通りに繋いで、Wifiの設定をして、予め楓がデスクトップに置いてあったアイコンをクリックすると、勝手にどんどん進んで、花田の家と同じ環境が出来上がった。2台目もサックリ終え、さっき却下だったトランプを賞品無しで開始、程なく風呂を上がっ来た雨は、

「パジャマ忘れちゃったよ。」

バスタオルを巻いて、

「寝るだけだからいいよね?」

次にお風呂の夢愛のカードを引き継いだ。座布団に座るとバスタオルが解けたが、何となく予測していたので、ほぼ全裸の妹は視界に入れず、自分のバッグを漁って、

「ハイ、もみじ用のパジャマ!急に変身しなきゃならなくなるかも知れないからね。」

「よ、余計な事を・・・。」

雨は悔しがっていた。


 翌朝、普通に早起きして朝食を作る。4人で食べて、しばらくのんびり。バイトの面接に駅に行く途中の学習塾に行く二人とアパートを出てそのままJR。帰宅して新学期の、支度に取り掛かった。


 松太郎の制服を確認、ワイシャツもブラウスじゃ無いのを確かめて、始業式の準備万端。花田の家に晩ごはんを作りに来た。皆んなも準備完了らしく、先生の引越しを手伝っていた。小雪の居た部屋にそのまま先生が入るのかと思ったら、カレンがそこに移って、カレンの所に先生が入るそうだ。2階に上がって直ぐの部屋なので、何となく特別感のある部屋だから、先生に譲ったとの事。


「ほとんど荷物なんて無いの、ここのクローゼット立派だから、中古の家具は粗大ゴミね、立退きの条件で要らない物を置いて来ても良いことになってるのよ。」

 必要な荷造りはほぼ終わっていたので、レンタカーで運んで来た。何となく面倒をわざわざ引っ張り込むように思えるのは気のせい?皆んな賛成みたいだし、先生の目があればあんまり過激な悪戯は無いかもしれないから、安心かも知れないな。

 

 引越しは順調なので、キッチンに籠もる。新兵器のミンサーを使いたくてたまらなかったので、牛多めにしたの合挽きを粗く挽いて、ミートソーススパゲティーにした。冷凍庫にストックしておいたスープを解凍して、レタスとか千切っただけのサラダを大皿に盛ると、香りに招かれ住人がダイニングに揃った。

「給食室みたいね!」

パスタを茹でてた巨大な寸胴を見て先生がやけにウケていた。

 短時間で3品に感動した先生に種明かしをすると、

「その仕込みがシェフね!ウワッ冷凍庫凄いね!それと、さっきのドレッシング何処の?」

「あっ、あれは自作ですよ。」

ニンニクの香りを移したオリーブオイルと寿司酢、塩コショウ。レシピを説明している途中で、

「ごめんなさい、私の料理スキルでは理解出来そうも無いわ。」

キッチンの探検は終了した。

 ご飯は気に入って貰えたようなので安心だね。キッチンの片付けは当番に任せて、秋野の家に帰った。明日から新学期、クラス替えもあるのでちょっと緊張するけど、ワクワクの方が勝っているかな?あっ先生は知っているのかな?情報漏洩させる訳にもいかないから、素直に明日を待とう。

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