人間 スライム アンデット (ドラゴン)
どうせなら使い道の無い『ドラゴンキラー』より、『対スライム体質』の方がよかったな!!
そう、何度自分自身の無力さに嘆いただろうか。
今の世界のモンスター、98%がスライムである。
だかしかし、スライムだからといって侮ってはいけない。スライムといったら最弱で、せいぜいLv.1~10程度だとお思いだろう。
答えは否だ。
確かに弱いスライムも存在する。成人村人数人で囲めば、低レベルのスライムなら容易く葬る事が可能だ。
これがもし、Lv.20 Lv.30 Lv.50のスライムならどうだろう。結果は変わる。村人はスライムに飲み込まれ、死ぬ。
そういう光景を何度も見てきた。何人もスライムに殺されていった。
モンスターの98%がスライムと言った。
では残りの2%は何なのか。
1%は『アンデット』
もう1%は『ドラゴン』である。
アンデットとは人間の死体に、彷徨っている負の魂が乗り移り、人間を襲うモンスターである。
※なお、負の魂は単体では人間を襲う事が出来ない為、モンスターとは言われていない。
残り1%のドラゴンは翼を持ち、炎や、氷、陰や光といった属性を持っているモンスターである。
しかし、ドラゴンなんてモンスターは存在しない、そう人類は語る。それもそのはずだ。
ドラゴンなんてモンスターは1%にも満たないほど少ない。
ドラゴンなんてモンスターは存在すらしないし、おとぎ話の中だけの存在である。そう言い伝えられてきた。
なら僕の持つ『ドラゴンキラー』のスキルは一体何なのか、そんな疑問を僕は幼少期の頃から思っていた。母に聞いても、父に聞いても、友達に聞いても、村の賢者に聞いても、誰ひとりとして答える事は出来ない。 つまり僕は《未知の存在》らしい。
村人達は、自分の村を守るために、自分の生活を守るために、自分の命を守るために、スライムと戦いながら、必死に生きている。僕もその1人である。