目覚め
1話目どうぞ。
「どこ?ここ?」
目を覚ますと抜けるような青い空が見えた。視界の隅には、ススキのようで違う黄金色の植物が見える。近くに川でもあるのか水の流れる音がする。
どこからか声が聞こえた。
「目が覚めましたか?」
「…?声はすれども姿は見えず…幻覚?」
「幻覚じゃないです!貴方のスキル︰ナビです!」
「スキル?ナビ?何が何だか…。とにかく、現状を説明出来るのか?」
「はい、初仕事ですね!私はスキル︰ナビ。この世界の案内役です。貴方はステータスを入手し、異世界に転移しました。その際身体は、成長率や肉体的に最盛期の身体に再構築されています。」
「えっと、ステータス?を手に入れたのってなんでなの?そのせいで異世界に行かなきゃ行けなくなったんだよね?」
「その通りです。貴方の世界はステータスやスキルに対応してないですからね。ステータスを手に入れる条件は、種を超えた能力があることです。例えば、度を越した聖人君子、その逆の悪逆非道。他には種を超越した身体能力などもあります。ただ、このようなものが生れる可能性は低く、転移する可能性は非常に低いです。」
「俺は当てはまってないようだけど。どうして?」
「確かに聖人でも悪人でもなく、身体能力も普通の人ですね。ただ、その普通さが異常でした。普通の家庭に生まれ普通に育ち、普通の大学へ行き普通に就職した。成績や年齢的な身体能力はジャスト平均。それにどんな状況でも普通の精神で過ごせる。3年前に飛行機事故に合ってますよね?その時に救助された唯一の生き残り。それなのに外傷はなし、周りが死体だらけだったにもかかわらず、精神的にも異常はなく冷静に受け答えをしました。貴方は普通に生き残りました。これが異常ではなくなんだと言うのでしょう?それに今も、平静に転移したことを受け入れて原因を確かめている。異常な普通。それが貴方が転移した理由です。」
確かに俺はあの事故の後も普通だった。休みを何日かもらい、普通に仕事に戻った。それに今も冷静に状況を確認している。自分では当たり前だと思っていたが、これは他人から見ておかしいのだろうか?
「普通とは個人の認識で変わるだろ?その辺はどうなの?」
「個人の見識で左右される所もあります。あなたの場合、どんな状況でも普通の状態を維持している。これが異常なんですよ。」
「なるほど、俺個人の主義主張では無く、世界から見て異常に普通だったと言うことだな。それで?この世界はどんな世界だ?」
「この世界はステータスやスキル、魔法がある世界です。異種人族、魔物も存在します。文明レベルは魔法が発展していて、近代より便利な所もありますけど基本的には中世。
ようこそサレニティへ!この世界の誰よりスキル︰ナビが貴方を歓迎します。」
後々、改定していきたいです。