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チートな師匠と普通な俺  作者: azusa.yukari
3/17

一件落着?(魔王にはたどり着いてない)

「この俺に刃向かうなど笑っぎゃああああああああああああ。」

 テンプレセリフの言えない小悪党がいる。


 旅は順調だった、なのに余計な物に遭遇してしまった。

「ぐぎゃ、やめ、ごはっ、もうじ、ぎぃやあああああああ。」

 余計な物の絶叫を聞きながら、俺は三人を眺めた、生き生きしてんなぁ。

「三人さんそろそろ終わりにしないとそれ死んじゃいますよー。」

 一応警告だけはしてみた、三人はすっと真顔になり。

「「「むしろ殺す。」」」

 と言い切った、やばいなそろそろ本気で止めようかな。

 ちらっと師匠の方を見やれば、手早く手下をまとめ上げ、一括りにまとめていた、あれは誰か一人でも暴れると、全員の首のロープが閉まるとかいう鬼畜縛り…師匠も普通に切れてました。

「でもそれ一応婚約者なんでしょ、いっそ王都にこの事報告して、婚約破棄と継承権の剥奪も含めて、投獄してもらった方が早いって。」

 ティナさん達が手を下すまでもなく死刑確定でしょ?

「甘いな隆二、これの家はこれしか男児がいない、だから連中は必死になってこの男の刑をもみ消しにかかるぞ。」

 マジで?いやいや、でもきちんと司法と言うものがありますよね。

「だから甘いと言うのです、この国の男性優位を舐めないでくださいまし、男児がたった一人の継承者なら、どれほどの大罪を犯そうが刑が執行されることはありませんわ。」

 一年程牢と言う名の塔に入って贅沢三昧をしてあっさり出てくるだけですわ。

「マジですか…。」

 本気で腐ってんなこの国。

「いや、でもこれはさすがにまずいでしょ、なんせ、よその領地の村を襲って略奪と人さらいと殺人、放火って、ここの領主だって黙って無いでしょ。」

 普通に死刑でしょ、下手したら、領地同士で戦が始まるぐらいの大事でしょ。

「此処の領主はこれの家とは縁続きだ、もみ消すだろうな。」

 最低、マジ最低、これ許すとかどんな連中!?

「だから言っただろう、今ここで殺す。」

 ティナさんが剣を振り上げた時、止めたのは意外にも師匠だった。

「行くぞ。」

 止めるだけ止めて圧倒的に言葉が足りません師匠!

 慌てて師匠を追いかけようとして、一歩踏み出したら、そこは王様の目の前でした。

 なんだ、これ!?

 唖然としている俺達と王様、そして師匠の様子に明らかにまずいものを感じ取ったらしく逃げの態勢に入り。

「どこに行かれる。」

 地を這うような師匠の一言、効果ハ抜群ダ!王ハ動ケナイ。

 じゃなくて、なんでいきなりこんなとこに!?

「空間移動…、なんでこんなにあっさりと…。」

 サシャさんが死んでる、そっかそんなすごい術なんだ。

「すごいどころではありませんわ、100年前に術式は作られたものの誰も成功していない御業ですわ。」

 青い顔で解説ありがとうございます、ルルさん息してますか?そして師匠やはり人間やめてましたか。


 そこからは師匠無双でした、スゲエこの人腕力だけじゃなかった。

何にもない空間からいきなり人間引っ張り出したかと思うと全員主犯のバカ息子の関係者だった。

 相手もなにがなにやらわからないうちに、王と世界最強の前で、王女自らバカ息子の狼藉を告発され、

それでも男性優位の慣例を上げて乗り切ろうとしたら、師匠があっさりとひっくり返した。

「では代わりに貴殿たちが苦役に付き、生き残った村人への賠償を完了させた後、死刑となるのだな。」

 師匠の言葉に全員が固まった。

 その後、親族全員からの、たかが平民を殺したぐらいで発言に師匠は切れた。

 どうやら三人が婚約者を嫌っている様子に手助けになればと、独自に手を回してバカ息子の事を相当みっちり調べたらしい、ついでとばかりに親族たちの悪行も。

 もう、出るわ出るわ、なんで今まで露見し無かったと思ったら、結構な数の役人もグルだった。

「そうかこれが芋づる式ってやつか。」

 現実逃避でそんなこと言ってるうちに、ルルさんサシャさんの実家まで出てきた、え、これ不味くない?一人焦ってる俺を尻目に、二人はすがすがしい笑顔で。

「滅ぶのならいっそ滅んだ方が世の為ですわ。」

 と、助けろと泣き叫ぶ父親と兄弟たちに言い放っていた、まあ自業自得?

 焦った俺に向かってティナさんが、一族郎党で罰を共有するシステムはないと教えてくれました、ああ、良かった、でも爵位の剥奪とか、降格はあるらしい、まあそれは仕方無いのかな?

 それにしても、よくこれだけの事を調べれたなあ、と感心していたら、ティナさんがあっさりと。

「当たり前だ、軍部は一部の近衛以外全て師匠に掌握されている。」

 ああ、はい、もうさ、クーデター起こされなかっただけましだと思いなよ?王様。

 何でも、地方に駐留してる隊に一言伝言するだけで、全ての隊に伝わってこの大騒ぎらしい。

 それからの事はもう俺の頭では理解できませんでした、もうとにかく、裁判所と化した王の執務室で、師匠と実質王の執務をしてたティナさんの一番上のお姉さまとで、刑が言い渡され、ひたすら貴族たちが

連行されていく、そんな流れ作業を、ぽかんと見てたら、ちょっとは手伝えと言われ色々使い走りをさせられました、感想としては大人って汚いの一言です、あんなグロい暗部見たくなかった(泣)

 その間、この執務室の本来の主はと言えば、居心地悪そうに部屋の隅に待機させられてました、警備と言う名の監視を兵士から受けながら。

 そしてすべての貴族への刑が言い渡された時、師匠はあっさりと。

「これだけの貴族共の不正、見逃しておいて、そのまま王位に留まるとは言いますまい。」

 と言って、王を退陣させた、そんな簡単に…、いや、まあ、師匠だし。

 此処までの事全て、師匠が王の執務室に突撃して、2週間で起こったことである、逆に二週間もかかったのだ、師匠のチートスキルを駆使してなお、どんだけ腐ってたんだこの国。


 結局この国の貴族たち、幼児やごくたまにいる善良な人以外ほぼ全ての男性貴族が何らかの刑を受け、爵位をはく奪されるか、継承権をなくすか、強制引退で、公の場どころか、一生外の空気を吸えない身になりました、まあ当然だね、あんなに腐り果ててればね。

 しかし、そんなにみんないなくなって大丈夫なのかと思ってたけど、何の問題もありませんでした、何故ならどいつもこいつも、奥さんか娘に仕事押し付けて悪巧みばっかりしてたクズ野郎だったから、むしろいなくてもいい人間が消えて皆さん生き生きと仕事をなさってる。

「いや、でもこれだけ男性居なくなると今度は跡継ぎ問題とか出てきません?」

「大丈夫だ、うち(城内)の離宮に山ほど穀潰し(兄弟)がいる、この二週間で私たちでみっちり教育しておいたから、すぐにでも下げ渡せる。」

 ティナさんが怖いこと言っている、サシャさんとルルさんの笑顔が黒いいいい、いやだマジで怖い、

何してきたんだこの人たち、いや聞かない方がきっと心が平穏でいられる、うん、俺は何も知りません。

「まあ、奥さん千人いる人だからそれなりに居るんでしょうが、足ります?」

「安心しろ、王族は逆に男余りだ、周りの貴族共どころか、本人たちですら理解していなかったが、王族はむしろ女の方が貴重だ、男どもは900人いるが、女は姉さまと私と妹の三人だけだ。」

 各家に3人ずつは払い下げれると言ったら非常に感謝されたぞ、って怖いです。

 それにしても極端だな、と言うか元王様よく種がもったな。

 この碌でもない国で、ティナさんの家系が王族として権威を保ち続けれていたのも男子の出生率の高さかららしい、そりゃ周りが女ばっかりだからね、ちやほやされるわ、それに胡坐掻きすぎてこの体たらく、だってここ数代男子はどれだけ産まれても、結局王位争奪戦で王様以外はほぼ死でるんだ、自分達には何のうまみもない、むしろ要らん、となりつつあったぽい。

「内乱一歩手前?」

「むしろこの犯罪件数がすでに内乱です。」

 ああ、獅子身中の虫と言うやつですか、納得。

「じゃあ、誰が王位継ぐんです?」

 まさかの師匠ですか?本当に王位簒奪しちゃいましたか!?

「馬鹿者。」

 ごんっと何かが頭に落とされた、痛ってええええ、何で殴られ…師匠の拳…死ななくてよかった(泣)

「じじょう…。」

じゃなくて師匠、酷いです。

「自業自得だ。」

 調子に乗りました、申し訳ありません。

「師匠が王位に就かれても問題はないが一応王族がのこっているからな、姉さまだ、実質執務をこなしていらしゃったのは姉さまだからな、何の問題もない。」

 王子たちは何やってた…。

「忘れたか?この国の男の貴族は働かない。」

 王族もかよ!よくそれで成り立ってたな。

「女が優秀だからな。」

 なるほど、だから師匠は静観していたと。

「だがあの報告書を見てそろそろ限界かとを持っていた矢先に、あの愚か者の愚行だ。」

 はい、わかりました、だからなんか禍々しいもの放出せんでください、あ、壁ぎわの兵士と侍女さん達が倒れた。


 そんなこんなありまして、お姉さまの戴冠式まで師匠の目が光ってないとやばいかもと言う事でさらに1週間お城に滞在、お姉さまの戴冠式に涙を浮かべて喜ぶティナさんに、ほのぼのし、新しい城の役人及び領主たちの実に9割が女性で、なのにこなれた所業に、この国の男貴族のクズっぷりを改めて体感させられた。

 そうして、その他の色々な行事もありましたが割愛、とにもかくにもこの国に史上初の女王陛下が誕生しました、そしてやはり初の女領主もそれはもう大量に、そして彼女たちは下げ渡された男どもを引き連れ颯爽と自身の領地に帰っていった。


 めでたしめでたし?


さて、俺も帰r

「長らくすまなかったな、さあこれで何の憂いもなく魔王退治が出来るな。」

 はい、そうですね。

 いい加減帰りたい、焼き肉食いたい、頻繁に焼いた肉は食ってるって?気楽さが違うんだよ(泣)

 がっくりうなだれた俺を尻目に、師匠と3人に引っ張られ俺は2度目の旅に出ました。

「師匠ー、空間移動すればいいじゃないですか。」

「当たり前だ、追いつけよ。」

 は!?

 置いて行かれました、1枚の紙だけが残されてる、サシャさん曰く空間移動の術式(師匠オリジナル)だそうです、下に小さく但し書きで、2日以内に来いと書いてあるそうで…。

 え?つまり何?自分たちでこれ使って来いって?え?まじで?練習すらしてませんけど?

「「「「師匠の鬼ー!!」」」」

 俺たちの絶叫が王都に響き渡った。



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