そして、始まる彼女の復讐劇
私はノートパソコンを閉じた。
姪であり、妹が残した日記を見る。
そこに書かれていたのは、彼女のイジメられてから自殺するまでの記録。
痛々しい、記録。
「絶対に許さない」
許すモノか。
妹から時間を奪った奴を許すものか。
これから恋をするはずだった。
楽しい時間を過ごすはずだった。
そんな妹の人生を、自殺という形で奪った奴らを許してなるものか。
殺してやりたい、正直に言ってしまえば今すぐにでも包丁でも持って滅多刺しにしてしまいたい。
でも、それは出来ない。
死んで楽になるなど許さない。
苦しめばいい。
苦しんで苦しみ抜いて、生き地獄を味わえばいい。
生きているから苦しめることができる、死んだらそれができなくなってしまう。
だから、訴訟は始まり。
ただの始まりだ。
裁判で話が決着したとしても、その後も人生は続くのだ。
私はふと携帯を操作して、妹が好きだった曲を流した。
優しい、春の歌。
希望に満ち溢れた応援ソング。
迷探偵さんは、たぶん画像の花瓶と花を用意したのが私だと気付いている気がする。
花瓶は競り落とした父への意趣返しだ。どうせ使っていなかったし。
あの花は、妹への手向けである。
だからこそ、明るい花言葉のものを選んだ。
机と靴箱だけは、現物を携帯で撮影したのだ。
私がついた嘘は、妹のフリをしたことと花瓶と花くらいだ。
妹の日記には、前世の事とゲームの事も書かれていた。
そして、主犯であるあの女の事も書かれていた。
その取り巻きの男共の事も書かれていた。
妹に何をしたのか。
そして、妹が何をされたのか。
同じ事を全員にしてやる。
お楽しみは、裁判の先にある。