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復讐遊戯 3

まだR指定には引っかからないはず。

 女性の言葉に、その場の全員が呆けてしまう。


 「なにを言ってるの!?」 

 

 アクアは叫んだ。

 冗談じゃない、と叫んだ。

 ここで乱交をしろなど、ふざけるのも大概にしてほしい。


 『そのままの意味です。拒否されますか?

そうしますと全員脱落となりますが、よろしいでしょうか?』


 血相を変えたのはずっと黙ったままだったロックである。


 「やります!!」


 アクアに負けないくらいの声で叫んだかと思うと、彼は彼女に突進した。

 そして、床に押し倒すと馬乗りになった。


 「質問。全員一斉にやれということか?

それとも――」


 『順番、プレイのやり方は参加者様に任せます。

ただ、アクア様をその場の全員で犯してください。

そう、かつて、貴方方が一人の少女にしたように』


 そこで、灯りが消えたかと思うと、映像が食堂の壁に映し出された。

 それは、あの日の光景だった。

 声が言った、とある少女を犯した時の光景だ。

 脅しも兼ねて、映像に残していたのだ。音は無かった。

 アクアをまたイジメたらこの映像を、ネットで全世界に流す、と脅しをかけたのだ。


 「お前、あの女の関係者か!?」

 

 ギルが叫ぶ。


 『やっと気付きましたか。お馬鹿はこれだから』


 「なんでだ!?慰謝料は払っただろ!!

どうして、こんなこと」


 ジークも納得がいかない、と叫ぶ


 『わかりませんか?』


 女性の声は、不気味なほど淡々としていた。


 「わかるわけ無いじゃない!!」


 アクアが金切り声をあげた。


 『本当に、わかりませんか?』


 「しかえし?」


 唯一、アクアを声の指示通り犯そうとしていたロックが正解を口にする。


 『…………。

自分で起こした事は、いつかどこかで自分に同じように返ってくるものなんですよ。

お金で、解決できたと本当に思っていたのですか?』


 「……そう、仕返しだ。彼女は死んだ。自殺した。

僕らは手を汚してない。でも、断罪した。彼女を正義の名の下に断罪した」


 ぶつぶつと、ロックが虚ろな目をして呟き始める。


 『そうですね。正義です。悪い事を正すのが正義なら、いま貴方が組み敷いているその女。

全ての元凶である、その悪女を断罪するために犯すのも正義だと思いませんか?』


 「そう、正義だ。この女の言葉。それを全て受け入れたからこうなった。

僕がここにいるのは罪を購うため。誰かの正義のため」


 「いや、いやよ。こんなことやめて」


 アクアがこれから行われるだろう事の恐怖で、歯をカチカチ鳴らしながら抵抗しようとした時。

 映像に、音が付いた。


 『いやぁぁああああ。やめて、いや、いや!!!』


 『はは、悪女が。いやらしい体しやがって。ほら、もっと俺達を楽しませろよ?』


 『ひぅっ。ちが、わたしはわるくな』


 『だれもあなたの言葉なんてしんじない。

あなたは悪、なんですよ?』

  

 『おら、ちゃんと足開けよ』


 『いや。やめて、おねが』


 『そう言って抵抗したアクアを虐めたのは誰だ?』


 『わたし、そんなことしてない!』


 『あぁ、はいはい。嘘がお上手で』


 少女が性的暴行を受ける生々しい音声が流れる。


 「違う。私はこんなこと頼んで無い!!

この男達が勝手にやったことじゃない!!」


 アクアの訴えに、女性の笑い声が響く。

 ひとしきり笑い終えると、女性は告げた。


 『そうですね。たしかにそうです。私はいま貴方方に指示を出しました。

アクア様を犯すよう、アクア様が犯されるよう指示を出しました。

しかし、選択権はあるんですよ?

私の指示に従うか否か、選べるんです。

選択という自由を与えてるんです。どちらを選ぶかは貴方方の勝手なんです。

選んだ上で指示に従わない、という詐欺を働く事もできますよ。

しかし、それは貴方方の勝手なんです』


 女性の言葉が終わると同時に、ロックが彼女の服を切り裂いた。

 乱暴にロックが彼女を、指示通りに犯そうとする。

 その光景を、他の二人は見ている。

 

 『あぁ、そうだ。アクア様。今ぐらいの抵抗だったら良いですが。

本気で逃げようとするのも有りです。その場合、やはり全員が命という対価を払うことになります』


 「たすけて、たすけて。お願いよ。ジーク!!」


 助けを求めてくる、かつて愛した女性。

 その女性の体を乱暴に抱く友人。

 その二人を交互に見て、ジークは考えた。

 さきほどは助けるつもりだった。

 ギルが彼女を傷つけないように、彼女が傷つけられないよう助けるつもりだった。

 でも、今は――。


 「ロック、どけ」


 「ジーク!!助けて!!」


 ジークの声に、アクアが希望に満ちた表情をする。

 しかし、それはすぐに絶望に変わる。


 「まずは、俺が犯る。お前は押さえつけてくれ。

ギル、さっきは止めて悪かった。ちょっとこの女を殴って黙らせてくれないか?」


 「そんな」


 嘘だ、とでも言いたそうなアクアの声に、女性が愉快そうに言った。


 『男好きな貴女には御褒美ですよね?

たっぷりと幸福を味わってください』



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