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ユニーク英雄伝説 最強を目指す俺よりも、魔王な彼女が強すぎるッ!?  作者: 青色の鮫
第11章「恋敵の壊滅竜」

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第79話「ユニクの休日 ①」

 

「僕、もう、お嫁にいけない……」

「むぅ!?」



 リリン達の今日の予定は、ラボラトリー・ムーの見学。

 そして俺は、久方ぶりの完全自由時間となる。


 そんな訳でテンション高めの朝食を済ませた俺達は、ワルトと合流し……、出会って早々、意味深なオーラが発生中。

 どう見ても魔王フラグにしか思えない。

 なので触りたくないんだが……、平均的に興味津々なリリンがちょっかいを出し始めた。



「むぅ!じゃあ、ユニクは諦めるの?答えてワルトナ!!」

「……と思って心が折れ掛けたけど、最終防衛ラインは死守した。ギリギリたぶん」


「むぅー」



 何の最終防衛ラインだよッ!?という無粋なツッコミはしない。

 そんな事をしようもんなら、俺の最終防衛ラインが神殺しの矢で射ぬかれるぜ!



「ねぇねぇ、ユニクルフィン?」

「おう、メルテッサか。おはよう」



 タヌキ秘密基地に売り飛ばされるという、俺がその立場だったら絶対に青ざめる状況なのに、なぜかメルテッサの顔が色付いている。

 そう、これはまるで恋を知った乙女……、いや、タヌキ地獄に行くのにそんな訳あるか。



「いいか、今から行くのはタヌキ地獄だ。カツテナイ体験が待っているから気を確かにな」

「ふへへ、ぼくはもうイッちゃったよ」


「うん?」

「なんかもう凄くて、えへへ、確かにカツテナイ体験だった。これが成長期、いや性徴期というべきか」


「うぅん?」

「ねぇねぇ、お試しで良いからさ、ぼくをお嫁にしてみない?この身体を好きにし――、痛ってぇえええっっ!!」



 あっ、リリンとワルトが巨大ハリセンでメルテッサを滅多打ちにしてる。

 一秒前まで言い争いをしていたのに、めちゃくちゃ息ぴったり。

 やっぱりこの魔王共、俺で遊ぶ為に喧嘩してるふりしてるだろ?



「ユニに手を出そうとすんな、悪性。張ったおすぞ」

「おおむね同意。違う点は張り倒すだけでは済まない所!」

「えー、だってねぇ、お嫁に行ったら毎日あんなすごい事して貰えるんでしょ?」


「しねぇよ。死んじゃうからねぇ」

「良く分からないけど、私達は普通の家庭を築きたい。なのでお母さんを参考にする!」

「じゃあするじゃん、すっごい奴!!」



 ……。

 …………。

 ………………一応、美少女な恋人(紛争中)な魔王共が、色っぽい地獄を語っている。


 断片的に聞こえてしまった話によると、ワルトとメルテッサ、あとなんかサーティーズさんは、ビッチ狐と大性母と女王様に調教されてしまったらしい。

 ワルトからは悲壮感が漂っているのに対し、メルテッサは頬を赤らめて語っているのが、なんというか、非常に生々しくて言葉にならない。


 だが、これだけは言わせてくれ、リリン。

 ワルト達が体験したのは、決して花嫁修業なんて綺麗なものではない。

 だから絶対に覚えないでくれ。頼む。



「なぁ、仮にもタヌキの根城に行く訳だろ?ホロビノとか連れて行かなくて良いのか?」



 ここに集まったメンバーは、俺、リリン、ワルト、セフィナ、メルテッサ、レジェリクエ、メナファス、の7名。

 カミナさんは既にラボラトリー・ムーに行っており、レラさんやミオさんは温泉を楽しみに行った為、不参加。

 そんな訳で、戦力的な意味でちょっと不安がある。


 ゴモラの加護があるリリンはともかく、ワルトやメルテッサ、メナファスの身の安全は保障されていない。

 だからこそ、一定以上のタヌキ耐性があるホロビノやラグナ、あと、尻尾切りに使うトカゲなども連れて行った方がいいと思う。



「ホロビノに行く?って聞いたら、全力で拒否された。ちょっと悲しい」

「ラグナも同様だねぇ。まぁ、誰が好き好んでタヌキのねぐらに行くって話だし」

「まぁ、そうだよなぁ。アイツらにも休みが必要か」


「今日は冥王竜と一緒に友達に会いに行くって言ってた。森の奥に居るんだって」

「ラグナも満月狼の縄張りを視察に行くってさ。こっちもダルダロシア大冥林だ」

「なんか散歩感覚で出入りしてるけど、これって地味に人類の危機じゃないか?」



 べアトリクスもそうだが、ウチのペット共が人類の防衛手段を素通りしている。

 つーか、生命危機レベルの恐怖結界は平然と通るのに、ラボラトリー・ムーに行くのは嫌がるんだな。


 生命の危機 << タヌキ。

 これが俺を含めた超越者の常識だ。



「ユニクもデートの下見を頑張って欲しい!」

「おう、任せておけ」


「ん、とても楽しみにしてる!!」



 お?リリンにしては珍しい率直なアピールだな。

 いいぞ、こういう可愛らしい奴は大歓迎だぜ!!



「はぁ、しょうがない。そろそろ行くとしよう。《寄贈する扉(どねーとどぁー)》」



 あ、ワルトは完全に不貞腐れてる。

 義母のノウィンさんに弄ばれた上に、義姉妹のリリンに遠慮して我慢しているようだ。

 よし、余計なひと言でも付け加えておくか。



「リリン、ワルト、喧嘩すんのは勝負するときだけにしとけよ」

「むぅ」

「分かってるさ」


「ちなみに、俺が用意するデートのコースは二つだ。勝った方が先だが、負けたからって何もない訳じゃないぞ」

「ん!分かった」

「うんっ、僕も分かった」



 自分でやっておいてなんだが、正々堂々と二股を掛けます宣言とか、余計なひと言以上の何者でもねぇ。

 ま、リリンやワルトも不満はなさそうだし、これで良いか。



「ユニク、行って来るね!」

「いいかい、二つとも同じくらいの楽しさかつ、ジャンルの違うコースを研究しておくんだよ。ショボかったらぐるぐるげっ刑だからね」

「善処するぜ!」



 よくよく考えてみたら、デートコースなんて始めて作るんだが……、町を見ている内にそれっぽい案が思い付くはず。

 温泉卿は歓楽街になってるらしいし、実際にやって見て面白かった施設を書きとめておこう。


 さてと、最終目的地は既に決めてあるからいいとして……、とりあえず、思いつくままに片っ端から遊んでみるぜ!!


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