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ユニーク英雄伝説 最強を目指す俺よりも、魔王な彼女が強すぎるッ!?  作者: 青色の鮫
第11章「恋敵の壊滅竜」

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第75話「お宝の山分け」

「それでセフィナ、こんな所で何をしてたの?」



 無事にセフィナを奪還したリリンが、平均的なジト目で問い掛けた。

 これは……、ちょっと怒っている時の目だな。

 電話すら放って踊っていた事に文句を言いたいらしい。



「えっと、宝探しをしていたら、ドングリを見つけてね」



 あっ、そうか。

 セフィナはブルファム王国の東塔で暮らしていたから、ドングリやプラムさんと顔見知りなんだよな。



「迷子になったプラムさんとアルカディアさんを一緒に探して欲しいって頼まれたの!」



 ここまでの経緯を整理すると、


 ① レラさんが、アルカディアさん・プラムさん・ドングリ、その他タヌキを放逐。

 ② アルカディアさんがレラさんを足止め。 

 → 楽園タヌキルートへ。

 ③ 逃げだしたプラムさんとドングリ。  

 → アルカディアさんを捜索する為、二手に分かれる。

 ④ 両方とも迷子になる。

 ⑤ 途方に暮れていたドングリをセフィナが捕獲。


 となったようだ。


 それにしても、プラムさんが災難すぎる。

 ぱっと見た感じセフィナと同年代、13歳程度か?

 背格好はセフィナよりも高くてリリンに近いが、それでも150cm程の少女だ。

 これは流石に、レラさんに苦言を言っておかないとな。



「いくらタヌキをおびき出す為とはいえ、こんな小さい子に剣を向けるのはどうかしてるぞ、レラさん」

「……。いや……、うん、そうだね。この件に関しちゃ、あらゆる面でおねーさんが間違っていたよ。ごめん」



 現在のプラムさんは、ひっくひっくと嗚咽を漏らしながらアールを抱きしめている。

 そして、それを庇うようにドングリタヌキ連合が囲み、レラさんに睨みを聞かせているという状況だ。

 なお、カミジャナイ・タヌキを筆頭としたタヌキ将軍どもは静観を選んでいる模様。



「でも、ここは結界の中、そう簡単には入れないはず」

「結界って?」



 リリンが抱いた疑問に、セフィナは疑問で返した。

 どうやら、結界をガン無視したっぽい?



「おい、悪喰タヌキぃ。上司であるこの僕、大牧師ラルラーヴァーが命令するよー。説明しろ」

「こんなショボい魔道具で無効化できる精神汚染が、アップルルーンに効く訳ないじゃーん」



 カミジャナイ・タヌキに代わって答えたのは、白衣を着た褐色タヌキ少女・ムー。

 俺もそうじゃないかと思っていたが……、機神が人間の常識をことごとくブッ壊しやがる。



「ん、でも、そのタヌキ達は自力で入って来たということ。どうやったの?」

「おい、悪喰ぃ。そこんとこどーなってんの?」

「さっき自分で言っていたじゃのー。気合いだと」



 ……いや、気合いで超えられても困るんだが?

 そんな一時のノリでホイホイ超えられる結界とか、欠陥にも程ある。


 俺と同じ意見だったワルトは眉間にしわを寄せ、カミジャナイ・タヌキに詰め寄った。

 だが、それをカミナさんが止めた?



「キミの立場じゃタヌキの肩を持ちたくなるのも分かるんだがねぇ、僕は指導聖母であり結界の管理者だ。簡単に引く訳にはいかないんだよねぇ」

「そういうけれど、『気合いで突破』が事実なのよ」


「あん?」

「大体の場合は『恐怖で上書き』なんだけどね。この結界の抑止力たる恐怖って、生命的な危機のことよね?じゃあ、現在進行形で生命の危機に陥っている場合はどうなるかしら?」


「それは……、心的抵抗を感じない、か」



 もし仮に、俺がカツテナイ機神に追い掛けられていたとして、目の前にも機神の気配を感じたら?

 後ろには機神が迫り、捕まれば殺される。

 となれば……、死地と分かっていても前に進むしかない。



「そうなの?プラム」

「う"ぃるぷる……、さがしてあせあせ」


「探してた?」

「おねーさま、めっちゃ探してあせあせ。うち、おねーさまを助けにいこ、おもて……。ぷるん」



 なるほど、事件の真相はこうだ。

 抗えぬ絶対的脅威レラさんに恐怖していたプラムさんは、結界の前に辿りついた。

 そして、その気配をレラさんのものだと勘違いし、特攻。

 その理由はアルカディアさんを救出する為という、涙ぐましい姉妹愛の結果、こうなってしまったらしい。



「ん、よく頑張ったね。偉い」

「う”、う”ぎぷるです……」



 リリン的にも受けが良かったようで、空間から取り出した大量のオレンジデザートをプラムに振舞っている。

 そして、その様子を近くにいるタヌキが涎を垂らして見ているが……、あっ、リリンが手をこまねいて呼び寄せた。


 こうして、ものの20秒で30匹のタヌキに餌付けした。

 1匹当たり1秒も掛けていない。すげぇ。



「さてと、後はアルカディアさんを探すだけだな」

「……。」

「……。」

「……。」



 ん?なんか視線を感じるんだが?

 特に、ペットが俺に向ける視線が鋭い。

 おいマジかよコイツ?って顔に書いてあるラグナワンコに事情を聞くとしよう。



「ラグナ、なにか言いたそうだな?」

「……別にないぞ。お前が鈍感なのは今に始まった事では無いからな」


「含みがすげぇんだが!?良いから話せよ」

「全知なる那由他様に聞けばよかろう」



 ワルトの話によると、ラグナはソドムと因縁があるらしい。

 そのせいなのか、出来るだけタヌキの前で目立ちたくないっぽい。

 それは俺だって一緒なんだが……、しょうがねぇ、素直に聞くか。



「那由他、アルカディアさんって女の子を知ってるか?親父と顔見知りなんだけど」

「知ってるじゃのー」


「行方を追えたりしない?」

「ふむ、リリンサの晩餐の時にでも連れてきてやるじゃの」



 おぉ、流石は神様から知識の権能を授かったタヌキ!

 ゴモラの時点で便利だったが、軽々とその上を行く!!



「よかったなプラムさん、アルカディアさんが見つかったぞ」

「……?ぷるん?」



 泣きじゃくっていて話を聞いていなかったのか、プラムさんが可愛らしく首をかしげた。

 だが、アールは話を理解したようで、姉妹の再会を祝福のタヌキ舞いで祝っている。



「なんか良い話風に纏まってるけどさ、指導聖母な僕的には大問題なんだけど」

「なんでじゃの?」


「お前はホント……。いいかい、危険区域の結界は、人類の目線では絶対不可侵でなければならない。気合いとか姉妹愛とか、そんなんで超えて良いもんじゃないんだよ」

「その持論をノウィンに言ってみるがよい。鼻で笑われるのが関の山じゃの」


「なに?」

「お前が所属している組織の名は、何というのじゃのー」



 指導聖母、いや……、不安定機構アンバランスか。

 だとすると、これは意図的に用意された抜け道だっていうのか?



「世界各地で頻発する高ランクの危険動物被害、それが意図されている?そんなことってあるの?ワルトナ」

「……無いとも言い切れない、ね」


「そうなの?」

「短絡的な目線では、確かに凄惨な犠牲者が出ている。だが、同時に人類を存続させる下地でもあるって気が付いた」


「被害が出ているのに?」

「被害が出ているからこそ、退治しに行く。そうして成長してきたんだろう、僕らは」



 もし仮に、危険生物が完璧に隔離されている世界だとしたら?

 そんなもの、居ないのと同じだ。

 当然、戦う必要が無くなった冒険者は街で暮らす民と同レベルに弱体化するだろう。



「もし仮に完璧に隔離されていた危険生物が解き放たれてしまったら? 世界は成す術なく崩壊するかもしれない」

「確かに、街で暮らす一般市民では、ドラゴンにもクマにも絶対に勝てない」


「犠牲はどちらにしても出る。なら、抑止力が育っている現状の方がマシか。世知辛いねぇ」

「でも、物理的な障壁がある所もあったよね?」


「それも意図的なものだろうね。犠牲と救済を選び、指し導く聖母か。やな役回りだよ」



 結界を眺めているリリンとワルトの横顔は、どこか納得していない物で。

 人の命を必要経費だと割切れない優しさ。

 それを持つお前達は、世界で一番優しい魔王だと思うぜ。



 **********



「つーことで、宝探しの順位が決定した訳だ」



 セフィナが集めたお宝は、カード2枚とタヌキ将軍30匹。

 ちょっとしたロイの砦なら落とせる大軍勢ではあるが……、残念な事に、どれだけタヌキを捕まえても0ポイント。

 そんな訳で、宝探しの順位は、


 ① リリン

 ② ワルトナ

 ③ サチナ

 ④ レジェリクエ

 ⑤ 俺

 ⑥ サーティーズ

 ⑦ セフィナ


 で決定。

 これにより、リリンは全員に、ワルトは一人にお願いをする事ができる。



「優勝はリリンだな!皆にするお願いは決まったか?」

「大丈夫、ちゃんと考えてある!」



 本題はリリンとワルトの勝負とはいえ、こっちの賞品を忘れてはいけない。

 もしも勝ったのが大魔王陛下とかなら戦々恐々とするが……、リリンなら飯に関する事だろうし安心だぜ!!



「じゃあ、まずはレジェから! レジェンダリア国の全料理店・無料パスポートが欲しい!」

「くすくす、そんなのでいいのぉ?」


「セフィナとユニクの分も付けて!」

「おっけーい。隷属手帳での決済は、レジェンダリア城へ請求される様にしておくわぁ」



 よしよし、リリンらしい良いお願いだな。

 国の血税が使われている様な気がしないでもないが、総指揮官の給料と思えば安いもんだろう。



「次はサチナ! 何処かのタイミングで混浴を貸し切りにして欲しい!!」

「それは、前みたいなお掃除の時間でも良いです?」


「大丈夫!」

「分かりましたです。後で打ち合わせするです」



 こ、混沌温泉、再びだとぉ……。

 しかも今回は、心無き魔人達の統括者が全・員・集・結。

 生き残れる気がしねぇ。



「セフィナは、おねーちゃんの言う事を聞くこと!」

「えっと具体的には何をすればいいの?」


「全部!」

「えぇ!?」



 おい、そこのアホの子姉魔王。

『お願いの回数を増やして系』はタブーだぞ。



「そしてワルトナは……。お母さんとの決戦の時に味方して!」

「つっ!?!?!?」


「ワルトナが居ないと勝てない。むしろ、私の代わりに一番槍を務めて欲しい!!」

「それ、槍じゃないよね!?盾にするつもりだよね!?」



 あっ、これは賢い。

 やってる事は友達を生贄に捧げる魔王の所業だけど、実に利に叶ってる。



「そしてユニク……、」

「おう」


「……。私とするまで、ぇっちなこと禁止!!」

「……。」



 ……いやさ?

 なんていうか、別に嫌な訳じゃないんだ。

 唯でさえ大魔王ハーレムルートとかいう、妙な事になってる訳で、誠実な心構えは必要だと思う。


 ……。

 …………。

 ………………でも、一言だけ文句を言って良いのなら。


 混浴イベントのフラグを立てておいて、そりゃねーぜ。


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[良い点] いつも楽しく読ませていただいてます! [気になる点] 誤字報告です 68話 なるほど、だから防御魔法を掛けたてくれたんだな。 → なるほど、だから防御魔法を掛けてくれたんだな。 [一言…
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