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ユニーク英雄伝説 最強を目指す俺よりも、魔王な彼女が強すぎるッ!?  作者: 青色の鮫
第9章「想望の運命掌握」

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第106話「超魔王会談①聖女、レジュメアス」

「さぁ、どうぞ。今は紅茶に合わせる程度の軽食しかないが、すぐに料理も用意するよ」



 大魔王撃退記念お食事会、兼、これからの作戦会議を行うと思っているロイが、にこやかな笑顔で食堂の扉を開いた。

 そして、香って来た紅茶のさわやかな匂いが、平均を軽々と凌駕している腹ペコ魔王を誘う。


 あっ。ついさっきまでバッファ全開で戦闘していたせいで、残像が発生してやがる。

 壁際に並べられているお茶菓子が壊滅するのも時間の問題だな。



「ははは、そんなにお腹が減っていたのかい?リリンちゃん」

「もふっふう!」



 速攻で頬袋を膨らませた平均的なハムスターは放っておくとして、俺は俺で心の準備をしておこう。

 なにせ、もう既に嫌な予感が半端じゃない。


 ロイに連れられて此処に来る途中、戦医団から一人の女性が抜け出てきた。

 仮面を被っているその女性は、レジィ同様に高貴な法衣を身に纏う高位司祭。

 聖女・レジュメアスの側近だというその司祭は、ロイを見るなり『私はクーディ・ターと名乗っています』と深々と頭を下げ、気が動転しているロイは言葉通りに受け止めて同行する事になった。


 んだが……。

 うん、名前が既にクーデター(国家に対する一撃)だな。


レジアス(高貴な)』+『レジーム(社会組織)』『レジュメ(計画)』をもじったと思われる聖女レジュメアスも大概に酷いと思ったが、それを超えるどころか、悪意の塊みたいな名前だ。

 で、そんなクーディーさんだが、なんかどっかで見たことある。

 というか、あの仮面は認識阻害が掛っておらず、どこからどう見ても……ロイの姉のテロルさんなんだよなぁ。



「なぁ、ロイ。お前って何でレジェンダリアと争おうと思ったんだっけ?」

「なんだユニフ。せっかく私の秘密を打ち明けたのに忘れてしまったのか?従姉のテロルさんを取り戻すためだ」



 ……そうか。良かったな。ロイ。

 もうすぐ会えそうだぞ。

 たぶん1時間もしないうちに。



「さぁ、私達も勝鬨をあげようじゃないか。本来ならフィートフィルシア自慢の葡萄酒でも用意すれば格好も付くんだろうが、今は紅茶で勘弁して欲しい」

「戦時下だものしょうがないわよぉ。でもぉ、戦争が終わったらご馳走して頂けると嬉しいわぁ」


「おや?レジュメアス様はお酒を嗜まれるのですか?」

「大好きよぉ。聖女だからこそ美食には精通してるのぉ。だって私が知らないと民と分かち合えないものぉ」


「おぉ、まさに聖女様に相応しいお言葉ですね!」



 ……そうか?

 普通に腹が減ってるだけな気がするんだが?

 つーか、俺やお前も含めて未成年ばっかりなのに酒を勧めようとすんな。

 もし間違ってハムスターの口に入ろうもんなら、速攻で超魔王・呑んでリリンが降臨するぞ。覚えておけ。



「お酒は出せないですが、フィートフィルシアは紅茶栽培も誇っております。こちらの名前は『ティアラーズ・オブ・ノーブルホーク』。ブルファム王国の給仕長であるノーブルホーク伯爵が宮廷料理に使用するブレンドの一つであり、さわやかな口当たりが特徴です」

「ん!?この紅茶、とっても美味しい!!というか、どのお茶菓子とも合うと思う!!」



 ノーブルホークで給仕長だと……?

 なんかもう絶対にリリンの血縁者だろ。間違いなく。


 トレーいっぱいにお茶菓子を乗せて戻ってきたリリンは、ロイが注いだ紅茶に口を付けて目を輝かせている。

 どんな味がするのかと思って俺も飲んでみると……なるほど、ハッカ系の爽やかな風味の紅茶なんだな。

 確かにこれなら甘いお茶菓子と合わせるのに丁度いいし、頭が冴えるから話し合いの場にもピッタリだ。


 だが、決してがぶ飲みするタイプの紅茶じゃないぞ。リリン。

 その大ジョッキはしまっておけ。



「あら、おいしぃ!ペパーミントを中心に、ハーブ、バジル、レモンも混ぜてあるのねぇ」

「レジュメアス様は紅茶にもお詳しい様ですね。こちらは私の領地で栽培している茶葉をブレンドしたものであり、疲労回復の他、精神を落ち着ける効能もあるのですよ」


「へぇー。執務をしている友人のお土産に丁度いいわねぇ。いくつか融通して欲しいんだけど、御幾らかしらぁ?」

「買えばそれなりにする高級茶葉ですが、命の対価に比べれば些事でしょう。保管樽ごと用意させますので、是非お納めください」


「いいのぉ?ありがとねぇ」



 ……後悔すんなよ、ロイ。

 そいつ、諸悪の根源の大魔王だぞ。



「さてと、そろそろ食事も並び始めましたが……」

「時間も惜しいし、食べながら会談しましょぉ」



 レジィは優雅な所作で頬笑むと、ロイが給仕スタッフに料理を運ぶように指示を出した。

 次々に並べられていく料理の数々にリリンどころか、レジィはテロルさんまで目を輝かせている。

 攻める側と攻められる側が納得しているのならそれでいいが、飯を食べながら侵略するって斬新過ぎるだろ。



 **********



「ふぅ……。何だかんだ美味かったな。ロイん家の料理」

「何だかんだとはなんだ?ユニフ、私の領地自慢の料理だぞ」


「いや、戦時下って言うともっと質素な物が出ると思ったからさ。ふつーに美味くてビックリだぜ!」

「まったく、不遜な態度は変わらずだな、ユニフ。……ホントに懐かしくて、涙が出そうだ」



 なんか悔しいから控えめな表現をしちまったが……ロイの領地の料理、滅茶苦茶、美味かったッ!!

 紅茶の良し悪しなんて分からない俺ですら、出てきたステーキを口に入れた瞬間に全てを悟った程だ。


 大魔王さんが声にならない叫びをあげる程の美食の宝庫なら、まず間違いなく冥王竜が住み付くだろう。

 伝説の駄犬プルぅが遊びに来る領地として、地域PRにでも使ってくれ。



「ではそろそろ、腰を据えて歓談をしたいと思っております。レジュメアス様」

「そうねぇ、聞きたいのはレジェンダリアの事でしょぉ?」



 紅茶を始めとした特産物の話から始まり、着々と領地情報を手に入れていた大魔王陛下にロイが切り込んだ。

 テロルさんは今までの情報を手帳にまとめつつ、鋭い視線をロイへと向ける。


 いよいよ始まるんだな、超魔王会談が。

 頑張って耐えてくれ、ロイ。



「レジェンダリアで何かしらの動きが有ったと報告を受けた私だったが、その対策を立てる間もなく冥王竜の襲撃を受けてしまった。そこをレジュメアス様やクーディー様、リリンちゃん、ユニフに助けられた訳だ」



 直接的に大魔王と戦った俺達よりもレジィ達の名前を先にあげたのは、それだけニセ聖女共を尊敬しているという事なんだろう。

 この時点で、もうロイに勝ち目はないと思うが……、まぁ、せっかくなので楽しみながら見てみるぜ!



「魔王はリリンちゃんやユニフが退けてくれた。だが、あの巨大すぎる冥王竜には、どうやって立ち向かえば良いんだ……」

「ん?なんだって?」


「ユニフは知らないのか?冥王竜だよ。先触れたる巨竜も大概にデカイが冥王は横幅もある。あんなのが地上に降りただけで軍が壊滅するだろう」

「……。そいつ冥王竜じゃねぇからッ!!」



 あれを冥王竜って呼ぶのは無理があるだろッ!!

 どっからどうみてもゲロ鳥じゃねぇかッ!!



「ロイ、あいつは冥王竜じゃねぇぞ。メカゲロ鳥だ」

「……は?何を言ってるんだユニフ?どう見ても冥王竜以外の何者でもないだろう」


「あれの何処をどう見たらドラゴンになるんだよ。お前の目は節穴か?」

「あの威光は間違いなく冥王竜だろうが。それにゲロ鳥を2000匹も産んだんだぞ?」


「ゲロ鳥を産んだんならドラゴンじゃねーだろッ!!」



 なんか、メカゲロ鳥が冥王竜扱いされ、ついでにゲロ鳥を出産した事になってるんだが……?

 種族の壁どころか性別まで変わってるとか、冥王竜への風評被害が半端じゃねぇ。



「魔王の襲来で頭がおかしくなってるのか?ロイ、あれはゲロ鳥だろ。どうみても」

「いや、そう言われてもだな……。確かにゲロ鳥に似ているのは確かだが、ならばゲンジツとカイコンが追従しているのはなぜだ?おかしいだろ」


「おかしいも何も、冥王竜もいたじゃねーか」

「はぁ?何処にいたんだ?他には魔王の乗り物にされていた哀れな小型の竜しか見当たらなかったぞ?」



 その小型の竜が冥王竜なんだよッ!!

 確かに威厳が欠片も見当たらないが、一応ドラゴンを統べる王竜の一体なんだぞッ!!

 戦ったら腹ペコ手加減大魔王さんとは比べ物にならない被害が出るからなッ!!



「何か勘違いしているようだが……ロイ、そのちっこいドラゴンが冥王竜だ」

「……なんだとッ?流石にそれは無理があるだろう!!それだと伝説の竜王がゲロ鳥を引っ張っていた事になるんだぞ!?」


「悲しいことに、それが現実だッ!!」

「そんな意味不明な現実、受け入れられるかッ!!」



 うん、自分で言っておいてなんだが、意味不明すぎるよな。

 だが事実であり、冥王竜を従えるためにぶら下げた餌がフィートフィルシアだと知ったらすごく驚くだろう。



「もぐもぐ……。ロイ。ユニクの言っている事は本当」

「リリンちゃん!?」


「あれは間違いなく冥王竜。私も保証する」

「リリンちゃんまでアレが冥王竜だというのか……?ならそうなのか……?」



 コイツ、リリンが冥王竜だと言った瞬間に信じやがった。

 さっきから思っていたが、俺との温度差がだいぶあるよな?

 なんかこう、俺とはワザとふざけ合って話を大きくしてる様な……?



「ユニクといいリリンちゃんといい、冥王竜にやたら詳しいが、もしや……」

「そう、私達は冥王竜と戦った、もぐぐ。この近くにいるはずのドラピエクロを捕獲したのも私達だし、もふふ」


「冥王竜と!?それにあの頭のおかしいドラゴンを捕らえたのも君達だったのか!?」



 なるほど、ドラピエクロはこっちでも頭のおかしいドラゴン扱いされてんのか。

 まぁそうなるよな。ピエロメイクをしている全長80mのドラゴンとか狂気沙汰でしかないし。



「あれが冥王竜で……後ろのデカイのがゲロ鳥を模した船……。にわかには信じられんが」

「受け入れろ。俺もリリンも嘘を言っていないぞ」


「そもそも、なんでユニフ達はそんなことを知っているんだ?」



 うっ!

 そこを突かれると非常に困る!


 冥王竜はともかく、レジェンダリアと関係が無いはずの俺達がメカゲロ鳥を知っているのはおかしい。

 やっべぇ、調子に乗って話し過ぎたっぽい。

 リリンも失策に気が付いたのか、飯を頬に詰め込みなくって言論拒否。

 脂汗が滲み始めた俺はどうにか挽回しようと口を開き掛け――。


 様子を窺っていた大魔王陛下の策謀が始まった。



「その情報をリリンやユニクルフィンに教えたのは私よぉ」

「レジュメアス様?」


「私は聖女として様々な噂を集めていてねぇ。レジェンダリアが冥王竜を従えたという噂や、超弩級の空中要塞を建造しているという眉をしかめる噂を聞いて、確かめに来たって訳ぇ」

「なるほど、最前線であるフィートフィルシアにいればレジェンダリア兵が来ると思った訳ですね?」


「まさか到着と当時に大規模な戦闘が起こるなんて、お互いに運が良いわねぇ」

 


 この聖女、息をするように嘘を吐きやがる。

 メカゲロ鳥の建造を指示した張本人が言うのは、絶対に噂とは言わねぇだろ。


 ツッコミ役は俺しかいないが、変に突っ込むとボロが出そうで怖い。

 ここは大人しくロイが転がされるのを眺めていよう。



「レジェンダリアに攻められた事は幸運ではありませんが……確かに死者が出たという報告は届いておりません。これもレジュメアス様の尽力のおかげですね」

「大した事してないわよぉ。余の友人が作った経口補給液とミサンガを配布しただけ。あとの炊き出しなんかは冒険者たちが主導だったしぃ」


「この補給液と回復促進アイテムですね。十分すぎますよ」



 話に合わせるように、ロイがバックから瓶とミサンガを取り出した。

 ミサンガは言うまでもないとして、その補給液も胡散臭いな。

 別系統の大魔王さんの関与がある気がするし、確認しておこう。



「リリン、あの補給液って?」

「カミナが作ったやつ。その効能の高さから、医療界では『霊的新薬ポーション』って呼ばれてる」


「絶対に体に悪いだろッ!?」

「そうでもないらしい。レモン味で後味さっぱり。色んな天然素材を使って作るって言ってた」


「あれ、意外とまともそう……」

「でも、100種類を超える素材の成分抽出をしてから濾過融合し、その効能を極限まで高めているからカミナが調整した機械でしか作れない。一度飲んだらまた飲みたくなるけど、レジェンダリアの秘宝と化してるから流通しないし」


「前言撤回。ヤバい薬にしか聞こえねぇ」



 依存性があるって、どう考えても違法性を感じるんだが?

 つーか、いよいよ心無き魔人達の統括者全員が参加する総力戦になりつつある。

 紅茶がどうとか言ってる場合じゃないぞ、ロイ。



「それにしても……レジェンダリアは卑劣ですね。冥王竜を従えて街を襲わせるなど、同じ人間とはとても思えない」

「そうねぇ。取っても酷いと私も思うわぁ」



 襲ってねぇけどな。冥王竜。

 アイツの役目は荷車馬だし。



「所で、レジュメアス様はレジェンダリアの事をどうお思いですか?」

「そうねぇ。改善の余地があると思ってるわぁ」


「改善などではすまないでしょうね。レジェンダリアは天上の国……などと呼ばれている噂を聞いた事がありますが、全くの嘘であり話にならないですから」

「あら?どうしてそう思うのぉ?」


「出来過ぎているからです。レジェンダリアを擁護する人は皆、本当に様々な証言をする。レジェリクエに忠誠を誓っただけで300万エドロも貰えたとか、病気の子供に薬を与えたばかりではなく両親ともに暮らせる家に住まわせ賃金を保障しているとか、果ては大罪を犯した人間を更生させ真っ当に働かせているなど……まったく、信じるに値しない」



 一応、全部事実だな。

 入国の時にしっかり見たし、実際に俺は法外な金額を受け取っている。

 なお、法外過ぎて天文学的な数値であり、扱いに困っている。誰か助けてくれ。



「そんな物は領地を運営している貴族なら誰だって嘘だと見抜ける事です。あまりにも高い実績など、実現できる訳がない」

「そうねぇ、でも、眉唾だと思った空中要塞は実在していたわぁ。なら、そんな噂もあり得るかもしれないわよぉ?」


「いえ、ないでしょう。レジェンダリアの称賛は酷い物があるが、悪評も同じくらい酷いのですよ」

「おっと、そこくわしくぅ」


「一例ですが……、入国料が法外であり一般の民は入る事すら許されない」

「無条件で国を解放する訳ないでしょぉ」


「侵略された地域に住む民は根絶やしにされ、代わりにレジェンダリア軍の駐屯地になる」

「やせ細った民を残しておいても良いこと無いんじゃない?スペシャリストが土地を再生させた後で返してるのかもよぉ?」


「レジェリクエの不興を買ったものは裸に向かれ、恥辱の限りを尽くされる」

「それは2パターンあるわねぇ。不興では無く興味を買われたものと、本当に不興買ったパターン。後者はぐるぐるげっ刑に処されるわぁ」


「他にも……強盗殺人を繰り返した盗賊が、入国できずに絶望している女性を攫って行ったという目撃情報もあります。本当に胸が苦しくなる思いだ」



 ……見方によって捉え方が違うようだが、最後の盗賊の件はしょうがない。

 俺だって、あんなザ・盗賊が人助けをしてるなんて思わなかったしな!


 ロイはレジェンダリアへのうっ憤を晴らすように、思っていた事をどんどんぶちまけていった。

 どうやら相当溜めこんでいたようで、途切れることなく吐き出される暴言を大魔王陛下がニコニコしながら聞いている。


 うん、マジでそれくらいにしておけ、ロイ。

 ぐるぐるげっ刑じゃ済まなくなるから。



「後は、国民総奴隷などと戯言を発し、多くの民を苦しめている。それがなによりも不愉快だ!」

「……へぇ。隷属システムをそういう風に捉えているのねぇ」



 あ、やべ。

 隷属システムはローレライさんが関与しているシステムであり、大魔王陛下の琴線だ。

 どう考えても大魔王陛下の逆鱗であり、迂闊に触れるとランク0の魔法で焼きつくされる。



「待て待て落ち着け、ロイ。言い過ぎ――えっ。」



 俺が止めに入ろうと声をかけた瞬間、ロイが吹っ飛んだ。


 今まで静観しており書記に準じていたテロルさんが立ちあがって、思いっきりロイにビンタを喰らわしている。

 ……椅子から転げ落ちたロイの胸ぐらを掴み、現在進行形で、ビンタを喰らわしている。



「ちょ、まてまて、それ以上やるとロイが死ぬ!!」

「愚弟を躾ける為には、これくらいでちょうどいいんですよ」



 物理的に殴るのはやり過ぎだと思って止めに入ると、テロルさんがロイの事を『愚弟』と呼んだ。

 そしてそれを眺めている大魔王陛下はニコニコしている。


 どうやら、最悪の形で再会を果たす事になりそうだぞ。ロイ。



「クーディー様……?愚弟とは一体どういう事でしょう?」

「まだ気が付かないのですか。本当に愚弟、やはり私の教鞭で性根を鍛え直す必要がありますね」


「な、何を言って……?」

「私の顔を見ても、まだ分かりませんか?ロイ」



 そう言って、テロルさんは仮面を取った。

 そして、ロイがついに第一の策謀に直面する。



「え?えぇ?テロルさん……?」

「女性の顔を見て疑問符を浮かべるのは失礼だと教えたでしょうに。まだ躾けが足りていないのですか?」


「ひぃ!ごめんなさい!!じゃなくて、えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇッッ!?!?」



 うん、えーとなんだ。

 とりあえず……、再会おめでとう、ロイ!



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