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ユニーク英雄伝説 最強を目指す俺よりも、魔王な彼女が強すぎるッ!?  作者: 青色の鮫
第8章「愛情の極色万変」

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第91話「再臨する絶望・エゼキエルオーヴァー=ソドム⑤」

 認知できない程に遠くなった視野が割れ、再び現実に戻る。

 万策尽きた……とは思いたくない。

 ここで諦めたら、それこそ終わってしまうからだ。


 どんな些細な希望でもいい。

 リリンが稼いでくれたこの一瞬を使って、俺は――。



「掴まれッ!!ユ二ッ!!!」



 悪喰=イーターから出現した剣が、俺の腹の表層を裂いている。

 もう、迷っている時間はない。

 俺の直感は掛けられた声を信じ、次空間移動ディメンジョンムーブで無理やりに体を反らした。


 腹の表面を鎧ごと切り裂かれたものの、剣は内臓には届いておらず、辛うじて命は繋がっている。

 だが、剣を返されれば、すぐに俺の命は消える。

 それでもこの選択肢を取った理由、それは……。

 開かれた視界の先から、一条の暗黒が走り寄ってくるのが見えたからだ。



「乗るんだッ!」



 そして――。

 一条の暗黒が俺とエゼキエルの間に割り込み、その上から真っ白い腕が差し出された。

 それは、死にゆく愚者を救い上げる聖母の御手。

 腹の熱さに負けない程の温かみを宿すその手は――ワルトのものだ。



「大丈夫かッ!ユ二ッ!!!」

「マジで助かったぜ。ありがとな、ワルト。腹の傷も大したことな……いつっ……」


「血が出てるじゃないか!ちっくしょうめ!!僕のユ二になんて事をしてくれんだよッ!!クソタヌキィィィィィィィィッッッ!!」



 ……いつから俺は、”お前の”になったんだよ、ワルト。

 聞いてねえぞ!


 だが、今はそんな野暮な事を言っている場合じゃない。

 一応見栄を張って大丈夫だなんて言ったが……俺の腹にはクソタヌキカリバーが刺さった。

 感覚的に先端の数センチだけと思うが……、それでも、腹の肉を裂かれた事には変わりない。



「まずはリリンと合流する!その後止血だッ!いいね!!」

「すまん、頼む」


「あーもー!!しおらしくするの禁止!!クソタヌキィィィッって叫んでなッ!!」



 それは却下だ。傷口が悪化して死ぬからな。

『温泉郷の草原で、クソタヌキィィ!と叫んで死ぬ』とか、確実に歴史書に刻まれるだろ。

 絶対に却下だ。


 その代わりと言ってはなんだが、俺は今置かれている状況に思考を向ける。

 クソタヌキカリバーに刺し貫かれそうになった俺はワルトの手を取り、引き上げられた。

 ……ワルトが騎乗している『謎の黒モフモフ』の上に。


 改めて状況を整理してみると、俺は謎の黒モフモフに乗った大魔王聖母様に助けられた事になる。

 俺の前に座って黒モフモフを操っているワルトは、今もチラチラと俺に視線を向け、腹の傷を見て眉をしかめた。


 驚かせてすまんな、ワルト。

 傷の見た目は派手だが、致命傷じゃないぞ。

 どちらかと言うと、これから大魔王聖母様から請求される対価の方が致命的な気がする。

 俺の財布的に。



「で、何でワルトが居るんだ?敵の正体を調べに行ったんじゃなかったのか?」

「うっさい黙ってろ!後で説明してやるからッ!!ほら、リリンの所に着いたよ!!」


 俺は無事だって言う意味を込めて声をかけたが、黙ってろと一喝されてしまった。

 しょうがないので別の事を考えよう。


 それにしても、この黒モフモフ、速いな。

 ……いや、速すぎる。


 その速度は、さっきエゼキエルの前に割り込んだ俺と同等。

 だが、俺は真っすぐな突進だったのに対し、この黒モフモフはエゼキエルの周囲をすり抜けるように疾駆していた。

 俺の最高速度を出しつつ縦横無尽に草原を駆けるとか、どう考えてもただ者じゃない。



「ユニクッ!!」



 俺達が近づくのに合わせて、リリンがバッファ全開で突っ込んできた。

 その表情はいつもの平均的な物では無く、うっすらと涙を溜めている。

 そして、黒モフモフから下りた俺を見たリリンは、赤くなった俺の腹を見て「そんな……」と溢し、一気に血の気が引いた。



「ごめん、ごめんね、ユニク……。私の原初守護聖界では防ぎきれなかった……」

「いや、アレが無けりゃ致命傷だったぞ。助かった、ありがとな、リリン!」


「ユニクッ!!」

「リリンッ!!」


「ハイそこイチャラブ禁止ー。僕に見せつけるとか、切れないナイフ(アンカットレス)で傷口抉るぞ?」



 ひぃぃぃ!!早速、プレゼントが使用されようとしているッ!!

 だがもっと平和的に使ってくれ!リリンはそれで食パンを斬ってたぞッ!!


 こんな軽いやり取りができる以上、軽傷なのは間違いない。

 だが、この傷で戦えるかと言われたら微妙な所だ。

 必死の攻防中に傷を負ったのなら、その勢いに任せ一時的に痛みを忘れる事が出来る。

 しかし、一度離脱した以上、どうしても意識が傷に向くのは避けられない。


 ここら辺の感覚は、実は、親父との訓練で学んだ事だ。

 鋭い裂傷は、実は、斬られた瞬間はまったく痛くない。

 だが、その数秒後、血が流れ出すと共に痛覚が激しく警笛を鳴らし始め、それが蓄積すると動けなくなる。


 で、それをタップリと体感した俺は、今の状況に焦りを感じている。

 少なくともこの出血をどうにかしなきゃ、クソタヌキとは戦えねぇ。



「ワルトナ、ユニクは!?ユニクはどうなるの!?」

「落ち着けリリン、そこまでひどい傷じゃない。血止めの塗り薬は欲しい所だがな」

「安心しな。僕はこれでも聖女や聖母に名を連ねた者だ。傷を癒す手段は用意しているよ。《サモンウエポン=救命救急救世(クロノクロン)》」


「え?」

「え”。」

「えい」



 ドスッ!

 ……。

 ワルトは虹色の輝くナイフを召喚し、躊躇なく俺の腹に突き刺した。


 うん、これはもしや、介錯という奴なのか?

 これ以上苦しまない様に、慈愛に満ちた聖母様はトドメを刺したのか?



「ワルトナッ!?何をしてるのッッ!!」

「カミナだって、治療する時に患者の腹を切るだろ?」


「でもドスッ!って、ドスッ!って!!」

「見てくれが悪い事は理解してるよ。でも、僕は医者じゃないんでね、こういう魔道具に頼るしかないんだよねぇ」


「魔道具!?」

「『死んでなきゃ(エリク)死なせない(シール)』と呼ばれる魔道具群があってね。これはそれの最上級で、指導聖母が所持している特別な魔道具なのさ。大聖母ノウィン様が僕に授けてくれた物でもある」



 ワルトがそう言い終えた頃には、俺の腹の熱さは何処にもなかった。

 不思議に思い視線を落として見ると、腹に突き刺された虹色のナイフは輝きを失い、飛び出ていた持ち手の部分がポロリと地面に落ちる。


 そして、その跡は普通の肌色。

 ナイフの断面も、血を溢す傷口も何処にもない。



「すごい……傷が元通り」

「リリンも知ってる、命を止める時針槍(クロック・クロノス)の魔法効果を応用して作られた魔道具でさ。どんな傷もほらこの通り」



 そして大魔王聖女様は躊躇なく俺の腹を叩いた。

 スパァン!っと気持ちの良い音が鳴り、俺の心が悲しみに包まれる。



「あっ!だめ!!ユニクは叩かれると喜んでしまう!!」

「なんだって!?」

「喜ばなねぇよッ!!」



 おい、リリン。その情報どっから仕入れやがった!?

 キツネか?キツネだよな?

 アプリコットさんじゃないよな?

 アプリコットさんが俺達の関係を邪魔してるんじゃないよな?



「で、なにこの混沌とした状況。というか何アレ。絶望かな?」



 強制的に話を打ち切ったワルトは、真っ直ぐにエゼキエルを指差した。

 うん、気になるよな。

 ……だってロボだし。

 というか凄く今更だが……、剣と魔法の世界に、なんつうもんを持ちこんでんだよ、クソタヌキィィィィィッ!!



「ん、アレの名前はエゼキエル。タヌキ帝王・ソドムのロボット!」

「あれがエゼキエルだってッ!?!?なんで!?えっ、なんで!?」


「なんでってなに?知ってるの?」

「……知ってるさ。『タヌキは、エゼキエルという名の恐ろしい兵器を隠し持ってる』。そういう噂話、いや、童話があってねぇ」


「童話?もしかして、『カチカチ山のクソタヌキ!』のこと?」

「なにそのクソタヌキィ……」



 リリンがその童話を知っているのに驚いたワルトは「クソタヌキィ……」と奥歯を噛みしめた。

 おう、まさにクソタヌキだぞ。

 作中のクソタヌキは、「きゅあ!きゅあ!」と鳴く真っ白いドラゴンに大規模殲滅魔法、たぶん『天討つ硫黄の火(メギドフレイム)』を放ちやがったからな。



「でもさ、僕の知ってるエゼキエルは黒いんだけど。なにあれ?」

「アレの正しい名前は、『帝王枢機カイゼルリヴァーズ・エゼキエルオーヴァー=ソドム』。パワーアップしている!」


「なんだってぇえええええ!?どうしてそうなった!?」

「ユルドルードがソドムと戦って、前のエゼキエルを壊したらしい!」


「マジでっ!?おじ……ユルドルード様、すごっっ!!」



 ワルトは凄い凄い!とはしゃいでいる。

 なんか、すげえ喜びようだな?

 どんな内容だったんだよ?童話。

 少なくとも、小さい頃のワルトにカツテナイ絶望を与えたのは間違いなさそうだ。



「それで、なんでワルトナが居るの?」

「あぁ、この近くでちょっと訓練しててさ」


「むぅ、訓練って……。そんな時間があるのなら、パパに会って欲しいのに……」

「あぁ、ごめんよ。夜は多忙なんだ。暗劇部員は夜行性だし、今日もうっかり貫徹しそうになったよ。……うん、徹夜はダメだねぇ、死にかけるからねぇ」



 死にかける徹夜ってなんだよ!?

 そんな危険な綱渡りをしてるのかッ!?



「ワルト、正直、徹夜とか慣れてるだろと思ってたんだが、すげぇ苦労を掛けちまってるのか?」

「徹夜の内容が問題なんだよ。恐怖と緊張が天元突破。うっかり別次元の扉が開いて飲み込まれ、世界の覇権を決める頂上決戦が始まったりするからね。『あ。死んだ。』って十回くらい思ったからね」



 そんなに過酷な状況なのか……。

 指導聖母同士の戦い、いや、格上との戦いにワルトも攻めあぐねているのかもしれない。


 そうなってくると、俄然、気になる存在がそこに居る。

 ワルトの横で大人しくお座りしている全長2m弱の大型犬……。

 いや、コイツは狼……か?



「ねぇ、ワルトナ、この子は?」



 俺が気になるのと同様、リリンもこの黒モフモフが気になっているらしい。

 俺だって傷が感知した今、ほぼすべての興味はこの黒モフモフだ。


 ……だからクソタヌキの相手は任せたぞ、ホロビノ。

 俺達が雑談、もとい、戦略を練る時間を稼いでくれ。



「この子かい?んふふ、この子はねぇ……。僕の新しい相棒の『ラグナガルム』だよ!」



 この黒モフモフの名前はラグナガルムって言うらしい。

 ラグナガルム……凄く威厳がありそうな名前だが、どっかで聞いたような気もするな。

 んー、どこだったっけ?



「か、可愛い!凄くモフモフ!!」

「だろう!ラグナは世界一可愛いからね!」


「ん!世界一可愛いのはホロビノ!この子は二番目!」

「いいや、ラグナが一番さ!」



 傷が治った俺を放置し、ラグナガルムとホロビノを比べる大魔王さん。

 完全にペット扱いだが、どっちも、どう考えても伝説クラスの魔獣だ。


 クソタヌキと戦えているホロビノは当然として、このラグナガルムも相当強いはず。

 俺の最高速度と同じスピードで走る、しかも、上に俺とワルトを乗せた状態でだ。

 並みの冒険者じゃ、触れることすら敵わないだろう。



「それでワルト、こんな凄そうな奴、どこから仕入れたんだ?」

「あぁ、僕が思ってたよりも敵の力は強大でさ。なにせ、現在進行形で強化トレーニングをしてるらしい。そんな敵と戦わなくちゃならない僕は新たな力を求めた」

「もふもふ!すごくもふもふ!!」


「それがこのラグナガルムか?」

「ワン子……ラグナとの出会いは仕組まれた偶然とも呼ぶべきものだったけどね。なぁに、難しく考える必要はない。僕とラグナは一蓮托生。キミらで言うホロビノみたいなもんさ」

「あったかい!それに、シャンプーの良い匂いがする!!」



 俺は改めてラグナガルムを観察した。

 ん?レベルが見えないな?認識阻害が掛けられているのか?


 どうやらそれは正しいらしく、認識阻害の仮面に似たものが付けられた首輪を嵌めている。

 飼い主と一緒に悪だくみをしてるんだろう。



「ラグナ~~!もふもふ!」

「くぅーん……」



 で、そんな威厳あるラグナガルムが、リリンに撫でられて硬直している。

 助けて欲しそうな顔を俺に向け、あ、これ、完全に怯えてるな。


 つーか、なんか凄く近視感がある光景なんだが?

 この後、力加減を間違ったリリンに毛を毟られる。そんな悲しい未来が起こるような危うさがヒシヒシと感じるぜ!


 それに、さっきワルトは『ワン子』って呼んでたよな?

 完全に犬扱い。

 なまじ近隣種な分、余計に性質が悪いと思う。


 ワン子、ワンコ、……ワン子(笑)?

 あれ、なんかすごく懐かしい感じだな。



「さてと、あのクソタヌキのエゼキエルをぶっ壊すんだろ?ユニ、僕も手伝うよ」

「あぁ、助かるぜ!だが、俺達は攻略の糸口が見えていない。思いついた最強の技も、悪喰=イーターから出たグリット模様の剣に敗北、覚醒体が壊されちまった」


「また悪喰=イーターか。というか出てきた剣って、まさか……」



 どうやらワルトは何か思い当たる節があるようで、困惑の瞳をエゼキエルに向けた。

 それに釣られて俺も視線を向ける。


 あ、ホロビノが纏っていた最後の魔法陣がぶっ壊された。

 生身で頑張れ、ホロビノ。



「ワルトナ、ソドムはエクスカリバーを持ってる。それはたぶん……神殺し」

「そうなるよねぇ……。あぁ、クソタヌキィィィ」



 アレが神殺しの一本だとッ!?

 確かに凄まじい力を感じたし、その可能は高い気がする。

 で、何で人類の至宝をお前が持ってんだよッ!!クソタヌキィィィ!!



「アレが神殺しだと?というか、何処で判断したんだ?」

「実は、神敗途絶・エクスカリバーはホーライ伝説に出てくる。英雄アサイシスが使用していた絶対勝利の剣」


「エクスカリバーか、確かにそう叫んでたが……。アレがそうなのか?」

「そして、ソドムが持っている裏付けも巻末のエピローグで語られている」


「なんだって?」

「アサイシスは長きに渡り謎の獣と戦い続け、そしてとうとう勝つ事は叶わなかった」


「……なんでだ?」

「ドラゴンと戦い傷ついたアサイシス。ギリギリの攻防の結果、討伐に成功するも既に満身創痍」


「まさか……」

「そう、そこにソドムは現れた」


「くっ……!」

「そしてロクに動けないアサイシスへとゆっくりと近づき……」


「……。」

「ソドムは、疲れて動けないアサイシスを散々罵倒した後、エクスカリバーを咥えて逃げた」


「伝説の剣を盗んでんじゃねえよッッッ!!クソタヌキィィィィッッ!!!」



 童話どころか、全世界ベストセラーに登場してんじゃねえよッ!!クソタヌキッ!!

 というか、アサイシスって見覚えがあるぞッ!!

 13巻で出てきた妙に強いタヌキはお前だったのかッ!クソタヌキィィィィッ!!


 意図せず盛大なネタバレを喰らった俺は思考を停止し、内容を現状を打開する策へと切り替えた。

 そろそろホロビノが限界そうだしな。


 あ、こっちにふっ飛ばされた。



「きゅあああああ!」

「ん!大丈夫、ホロビノ!?」


「きゅあ……きゅあらん……。きゅあ?」



 吹き飛ばされたホロビノは、丁度良く俺達の前で着地。

 すべての魔法陣が破壊され武装解除してしまっているが、傷は負っていない。

 流石は希望を頂く天王竜。

 戦闘センスは俺達の誰よりも優れている。


 そんなホロビノは増えた人物……ワルトナをチラ見した後、すぐ横の黒モフモフに視線を向けた。

 誰だコイツ?という顔をした後、ずずいっ!っと頭を寄せる。



「きゅあらん?きゅあらららん?」

「ぐ、ぐるううううぅ!」


「きゅぐろぉ?きゅあはぁあん?」

「がう!?くぅーん、くぅーん……。」



 ……。格付け終了。

 勝者、駄犬竜・ホロビノッ!!


 ホロビノに睨まれたラグナガルムは一瞬で降伏し、地面で寝転んで腹を見せた。

 うん、完全に降伏している。

 その姿は、ラグナガルムなんて大層な名前は似合わない。

 ワン子で十分だ。



「ワルトナ、見て!ホロビノの勝ち!!」

「ぐぬぬ……。あとでお仕置きだよ!ホロビノ!!」



 ラグナワン子を威嚇されたワルトは逆上し、ホロビノを叱責している。

 そして怒られて怯えるホロビノ。

 たぶんこの駄犬感が、クソタヌキと間にある圧倒的差って奴なんだろうな。


 クソタヌキなら、こんな状況に置かれても平然とバナナを要求してくる。



「くっくっく!三色団子が揃った上に、ホロビノとラグナガルムまで居やがるじゃねえか!大盤振る舞いだな!」



 あ、エゼキエルが空から降って来やがった。

 笑ってんじゃねえよ、クソタヌキ。


 ほんの僅かな休憩時間。

 だが、結果的に戦力は増強され、俺も無傷の状態へと戻る事が出来た。


 そして――。



「あぁ、大盤振る舞いになるかもな。その対価はお前の敗北で良いぞ、クソタヌキ」



 垣間見えた、死。

 その中にあった気がするんだ。


 絶対”破壊”グラム、その真の姿が。

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