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ユニーク英雄伝説 最強を目指す俺よりも、魔王な彼女が強すぎるッ!?  作者: 青色の鮫
第8章「愛情の極色万変」

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第42話「極色万変・白銀比、求めし願い」

「よし、出来たぜ!」


 リリン達が話し込んでいる隙に、レベルと強さの情報を紙にまとめ終わった。

 これから先、様々な強敵と戦う事になるだろうし、こういった地道な作業をしておかないと命に関わるからな。


 俺はもう一度、完成したばかりの紙を眺め、情報に抜けが無いかを確認する。




 ―――――――――――――――――――弱↓



 『  強さ順のレベル表記  』 


『普通の生物』

 レベル1~99998

 例(ウマミタヌキ、連鎖猪、三頭熊、アルカディアさん)


『レベルカンスト』

 レベル99999(レベル限界値)

 例(リリンの師匠、ドラピエクロ、キング鳶色鳥)



 ★☆★☆★☆ 通常生物限界の壁 ★☆★☆★☆



『超越者見習い(英雄見習い)』

 レベル100000         

 例(白い敵)


『超越者・英雄』 

 レベル100001~999998

 例(英雄ローレライ)


『超越者・眷皇種』

 レベル100001~999998

 例(ソドム、ゴモラ、ホロビノ、冥王竜)


『超越者・皇種』  

 レベル100001~999998

 例(天命根樹)


『ミリオン』

 レベル999999 

 例(        )  



 ◆◇◆◇◆◇ 伝説級の神獣 ◆◇◆◇◆◇



『階級持ち』 

 レベル億~レベル載 

 例(幾億蛇峰・アマタノ)


『七源の階級 ”千載せんざい”』 

 レベル10×47乗     

 例(        )


『七源の階級 ”ごく”』 

 レベル10×48乗

 例(極色万変・白銀比)


『七源の階級 ”恒河沙ごうがしゃ”』

 レベル10×52乗    

 例(        )


『七源の階級 ”阿僧祇あそうぎ”』 

 レベル10×56乗  

 例(        )



 ■□■□■□■ 神の力を授かりし者 ■□■□■□■



『七源の階級 ”那由他なゆた”』・『始原の皇種』

 レベル10×60乗 

 例(那由他)


『七源の階級 ”不可思議ふかしぎ”』・『始原の皇種』 

 レベル10×64乗

 例(不可思議竜)


『七源の階級 ”無量大数むりょうたいすう”』・『始原の皇種』

 レベル10×68乗 

 例(蟲量大数)



 ―――――――――――――――――――強↑




 よし、こんなもんだな。

 後で書き足す事も考慮して空白も作ったし、新たな敵が判明する毎に情報を追加して行こう。


 なお、人類代表として、アルカディアさんを入れておいた。

 なんとなく、書いておかないといけない様な気がしたのだ。


 それに、俺やリリンの名前を書くとしたら、一番上の『普通の生物』の欄になる。

 ……うん、ちょっとマジで危機感しかない。

 なにせ、過去の俺や親父は、この表で最下層に君臨する蟲量大数と戦っていたらしいのだ。


 こういうのって、普通は3階級上あたりで、『あぁ、ちょっと無理すればギリギリ手が届くかもしれないなー』なのが相場だろッ!?

 食物連鎖ヒアラルキーで言う所の、微生物と大型肉食獣くらいの開きがあるってどういう事だよッ!!

 というかこれって、事実上の、微生物ミジンコ最上位捕食者ドラゴンの戦いだよなッ!?


 あれ、俺って、ちょっと弱すぎない?

 ……闘技場低ランクの部を優勝したぐらいで調子に乗ってすみませんでしたッ!


 つーか、ちょいちょい現れるクソタヌキをこの表に当てはめると、親父と同じく、俺の三階級上という事になるはずだ。

 というのも、アイツの見た目はレベル99999だが、どうもレベル詐称をしているっぽい。

 リリンの話では、白い敵はレベル詐称をしており、それが超越者になる為の条件だとか言ったらしいのだ。


 たぶんそれは、レベル詐称をしないとまともな生活が送れないという事なんだろう。

 リリンのレベル4万ですら恐れられるというのに、レベル10万とかが街を歩いていたらパニックになるだろうしな。


 という事で、クソタヌキの野郎もレベル詐称をしている可能性が高いと判断した。

 過去の俺でも倒せなかったというし、……第一、アイツは世界一腹の立つクソタヌキだからなッッ!!



「アマタノは尾を擬態させているなんしが、本体を見分けるのは簡単でありんす」

「そうなの?あ、もしかして、あの白いのがそう?」


「そうでありんす。尾を斬られて焦ったら姿を表すなんし――」



 俺がまとめている間も、リリンとギンはアマタノについて語り合っている。

 その表情を見る限り、二人とも会話を楽しんでいるようだな。

 よし、リリンが時間を稼いでいる間に、俺はこれからどうやって核心をついて行くか考えておこう。


 ギンは情報を出し渋った……と見せかけてはいるが、何だかんだ重要な事を言っていた。


 ・『白銀比は、あの子との約束により、全てを話す事はない』

 ・『あの子の存在を留める為に、白銀比の力を模した神撃魔法が使用された』

 ・『幾億蛇峰は俺達と戦う運命にある』

 ・『超越者になる為には、超越者を殺す事が必須。それ以外にも条件はあるが、アマタノを殺せば全ての条件はクリアされる』



 この4つだな。

 上の二つと俺達の知る情報をふまえて考えると、


『あの子は、天命根樹により命の危機に晒されたが、それを解決する為に、白銀比の力を模倣した魔法を使用した』


 という事になる。

 で、それが天命根樹の攻撃を受けた直後なのか、世界を旅して万策尽きた後なのかが焦点となる。


 前者ならば、白銀比の力では天命根樹が与えた傷を癒す事が出来なかったか、もしくは、旅をする時間を稼いだだけとなる。

 だが、神が与えし力を模倣して作った神撃魔法とかいう、すごくヤバそうな魔法だぞ?

 しかも、ギンが軽い気持ちで使ったという訳ではなく、親父や英雄アプリコットが使用したというのが鍵だ。

 狙った効果があると確信しているからこそ、その魔法は発動されたはずだしな。


 なら、後者……か?

 リリンの日記によると、『あの子は、全ての存在を無かった事にされる創生魔法で、人々の記憶から消された』と書いてあった。

 その魔法こそ、ギンの力を模した神撃なんじゃないだろうか?

 これなら、ギンがあの子の存在を覚えているのも説明できる。


 次に、下の情報二つだ。

 要約すると、『俺達はアマタノと戦う運命にあり、アマタノを倒せば超越者になれる』となるが、これは話が出来過ぎている気がする。

 というか、言い替えれば、『俺達を超越者にする為に、アマタノと戦わせるようにし向けられている』って事なんじゃないのか?


 さっきからギンはノリノリでアマタノ談義に花を咲かせているし、そんな気がするんだよな。

 だとすると、俺やリリンが超越者になると、何かしら事態が進展する?


 ……そうか、なるほど。

 白い敵はセフィナを育てていた。

 しかも、神殺しという世界に10本しかない伝説の武器まで与えている辺り、本気で育成している。

 狙いはセフィナを自分と同じ超越者にさせることか、二人以上の超越者が必要ということなのか?


 俺が出来る考察はこれくらいだろう。

 なら、ギンから聞きだしておくべき情報は、


 ・『あの子を取り戻すには、何をすればいいのか』

 ・『今の俺達が現実的に倒せる敵はどこまでなのか』

 ・『過去の俺が戦ったとかいう、蟲量大数とは一体どんな存在なのか』


 あとは、俺の興味がある所だと……。


 ・親父と白銀比は、人類とキツネという禁断の障害を乗り越えてしまったのか?

 ・その結果、可愛らしいケモミミロリなサチナが生まれたのか?


 ……だな。

 まさか、アプリコットさんがサチナの父親という事はないだろう。

 リリンは妹の様に溺愛しているけど、実際に腹違いの妹でした!とか、ちょっと面白い展開だが、そのかわりリリンの家庭事情が崩壊するから無しの方向でお願いします!


 さて、俺もそろそろ話に参加するとしよう。

 俺はリリンとギンの話に耳を傾けた。



「他にアマタノの弱い所は……酒が嫌いでありんすな。恒河沙蛇様が酒に入り浸るのを見て、やるせなさそうにしてたなんし」

「ん。巨大な酒樽を用意して、アマタノにぶつける?」


「あ奴は鼻が利く。顔にぶつけようとしても邪魔されるのがオチでありんすな。あ、尾の付け根の穴に叩きこむのはありかも知れなんし」

「それは人としてやってはダメだと思う!」



 なんて酷い話題だよッ!?

 数千年生き続けた化物を討伐する算段とは、到底思えないッ!!

 つーか、おいビッチキツネ!!変なプレイをリリンに吹き込まないで欲しいんだがッ!!



「だいぶ話が盛り上がってるみたいだな。だが、そんな穴に酒を叩きこむのは禁忌だからな?絶対にダメだからな?」

「分かってる。あの変態共とか喜びそうだし、絶対にダメ!!」


「喜ぶなよ、変態共。で、ギン、なんか俺達とアマタノを戦わせたいみたいに見えるんだが、何か理由があるのか?」



 あの子の事を聞いても、ギンは答えてくれないだろう。

 だから、超越者になるという意味を聞きだしたい。


 俺の疑問に対し、ギンはくすり。と笑みを溢し、ゆっくりと頷いた。



「アマタノを殺せれば、お前さん達は親の様に超越者となると言ったでありんす」

「それって、英雄になれるって事だよな?英雄になってどうするんだ?」


「出来る事が増えるでありんすから、好きな事をすればいいなんし。ユルドルードの様に戦いに身を置くのもよし、アプリコットの様に仮初の幸せを楽しむのもよし」

「出来る事が増える……ね。なるほど、参考になったぜ!」



 つまり、今の俺達じゃ出来ない事があるという事だ。

 そしてそれはたぶん、『今の俺達では、あの子を取り戻せない』という事だろう。

 なら、俺達は白い敵を警戒しつつ、英雄を目指せばいいって事になるな。



「ちなみにさ、アマタノを倒す以外に超越者になる方法はないのか?というか、俺達がアマタノと戦って勝てる見込みはあるのか?」

「後者に答えてやるなんし。……今のお前さんらではまず勝てん。鱗くらいは削げるでありんしょうが、肉を絶てる事は難しいでありんしょ」


「……。つまり、手も足も出ないと」

「手も足も出ないのは、蛇なアマタノも同じでありんすが、奴には長大な体と尾がありなんし。そも、いくら最下層たる”億”とはいえ、階級持ちを殺そうなどと人間が図に乗るなと笑う所でありんす」


「じゃあなんで勧めたんだよ!?」

「勝てる勝てないは問題にありんせん、宿命でありんす。それに……あ奴も動けなくて暇してるでありんしょうから、刺激を与えてやろうと思ったでありんす」


「おい最後!明らかに悪意が見え隠れしているんだけど!!」

「わっちは極の階級を持ちし皇種、極色万変・白銀比。世界を不安定にさせる事こそ、神が求めし皇の務めでありんす。ついでに蛇も不安にさせるでありんすー」


「単にイタズラしたいだけじゃねえのか!?」



 このビッチキツネぇえええ!

 俺が真面目に考察してるというのに、完全に遊び気分だ。

 ギンがアマタノと戦えと言ってきているのも、アマタノが殺されるなんて微塵も思っていないからなのかもしれない。


 ん?絶対に勝てない存在に挑むように誘導し、その結果を見て楽しむつもりかッ!?

 なら、俺はそれを理由に情報を引き出してやる!!



「勝ち目が無い奴に挑むのもどうかと思うんだよな。というか、俺達はこの表で言う所のどのランクまで勝てると思う?」

「ほう?それなりに正確な表なんしな。どれどれ……」



 先程作った表をギンとリリンに見せ、俺達が通用するのはどのランクまでなのかと質問をする。

 ギンならば、俺が知っているよりも詳しい情報を持っているはず。それに、昔の俺の戦闘力も知っているはずで、ある程度の当たりを付ける事が出来るだろう。



「うむ、一つ聞くが……ユニクルフィン、グラムは覚醒させられるでありんすか?」

「あぁ、できるぞ」


「それは、神への反逆星命ハイオーダー・コラプスなんし?」

「ん?そうだが……?」


「ふむ、女神(ゴッデス)の名を冠していないのであれば、ミリオンはおろか、上位の眷皇種にも遠く及ばないなんしな。……レベル20万にも満たぬ下位超越者にせいぜい勝つのでギリギリでありんしょ」

「なに?その言い方だと……グラムの力には、まだ先があるように聞こえたんだが?」


「本当に愚かでありんすなぁ、ユニクルフィン。そのグラムは『無量大数』の上に君臨する神を殺そうと造られた神滅兵器なんし。その力を十全に引き出されれば、わっちとて、本気で戦っても勝てるかどうか分かりゃせん」



 ……なん……だと……?

 グラムの力を引き出せれば、ギンとだってまともに戦えるというのか?


 俺の目の前にいるギンは、ただ座っているように見える。

 だが、俺が殺意を持ってグラムの柄に触れた瞬間に、俺の首は跳ね飛ばされるだろう。

 火に触れれば熱いと本能で分かるように、白銀比に刃向かえば死ぬのは道理だ。


 そして、それを覆すだけの力がグラムには秘められており、それをギンは知っている。

 その力の存在が明らかになっただけでも、収穫はあったな。


 ……だからな、リリン。

 そんなキラキラした目で俺を見ないでくれ。

 今、戦いを挑んでも、瞬殺されるから。



「白銀比様は時間を止められる!!攻撃に対応するとかそういうレベルじゃないのに、ユニクは勝てる可能性があるという事になった!とてもすごい!!」

「いや、時間を止められたら無理だろ。まず動けねぇ。……あれ、今も動けないな?たすけてくれ」

「くっくっく、これくらいの術、ユルドルードは初見で破ったでありんす。それに、わっちの権能の時間支配領域内でも、あ奴は戦えたなんし」


「すごい!英雄は時間を止められても戦える!!凄く速い!!まさに英雄!」

「やべぇ、親父は化物だったのか。心の中で、散々罵倒しちまったぞ……」

「わっちの本気の求愛から逃げ続けたでありんすから、あ奴の強さは本物でありんす」



 ん!?

 まてまて、今、重要な事を言ったよな!?

 確かに、求愛を拒み続けたって言ったよな!!



「求愛から逃げ続けただと?なぁ、気になってたから素直に聞いちまうが……サチナは親父との間に作った子供じゃないのか?」

「えっっっっっ!?!?!?」



 俺のいきなりの問いかけに、リリンがビックリして声をあげた。

 平均的な表情はどこへやら。

 どうやらまったく予想外の事だったらしく、年相応に可愛らしい少女なリリンが、素っ頓狂な声をあげて絶句している。


 そして、ギンは今日一番の笑顔かつ、恐るべき覇気を纏わせて、こう言った。



「違うでありんす。まことに悔しい事に、わっちは未だに、あ奴を組み敷しけていないなんし」


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