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第50話『バトルトーナメント⑧毒吐き食人花VS七騎士』

「アルカディアさーーーーん!?!?」



 なんだ今の!?

 ものすっごく酷いもんを見た気がするんだがッ!?


 高鳴る胸に期待を乗せて、俺はワクワクしながらアルカディアさんの戦いを見ていた。

 だがしかし、想像していた戦いとは、ちょっとだけ違ったようだ。


 俺が想像していたのは、ドンキブルのバカデカイ体から繰り出される攻撃を、アルカディアさんはスピードで圧倒。

 ヒットアンドウェイを繰り返し、ダメージを蓄積させてからの辛勝。

 そんな感じになると思っていた。


 ……だが、現実は違う。

 アルカディアさんは、あろうことか、ドンキブルにパワー勝負を挑み、圧倒。

 振り抜かれた斧は白羽取り。

 殴り掛られても、知らん顔で反撃。

 極めつけには、150kgもある巨体を空に打ち上げてからの、怒濤の連撃。


 なんていうか、うん。

 これはちょっと、受け入れるには時間が掛りそうだ。



「なぁ、メナファス。可愛らしい女の子は脳筋じゃないといけない決まりでもあるのか?」

「ねえよ。現実に帰って来い。つうか、あんな芸当リリンでも出来ないぞ。リリンが巨体を吹き飛ばせるのは、瞬間的に魔法を発動させて、爆発力を上乗せしているからだ。今のとは芸風が違う」


「そうなのか。だとすると……アルカディアさんはパワータイプって事に……」



 そんな……。

 俺の初恋の人が、三頭熊もびっくりのパワータイプだっただと……。


 というか、アルカディアさんの大悪魔度が妙に高そうなんだけど。

 俺は散々、リリンの事を大悪魔やら食人花やらと言ってきたが、一応ギリギリのところで人間的な優しさが残っていると思っている。


「服を完全に剥ぐのは可哀そうだから、パンツを残してみた。」

「不快感に身を任せてモウゲンドしたけど、ミディアムレア(生焼け)にしてある。」

「ドラゴンの雛を殺すのは忍びないので、調教し、タクシー代わりに使う。」


 など、こうして考えてみれば、最後の一線は越えていない。


 だけど、アルカディアさんはドンキブルを完全に剥いた。

 一糸まとわぬ姿となり、歴史ある彫刻的な姿となったドンキブル。

 そんな悲惨な姿を晒した後、ヤジリさんに命令されたタコヘッドによって回収され、目立たない隅っこに放置されている。

 エッグい部分には布がかけられ辛うじて尊厳を保とうとしているが、5万人の目撃者がいる以上、もうどうにもならないだろう。


 ん?

 アルカディアさんが、投げて壁に突き刺した斧を持って、ドンキブルに近づいて行く。

 なるほど、いくら試合中とはいえ、相手の武器を奪って投げ捨てるという暴挙を行ったわけだし、謝罪しに行くのか。


 良かった。倫理観とか常識は持ち合わせているんだな。

 そして、安堵しながらアルカディアさんへ視線を向けた。



「未だドンキブルは気絶しているけど、どうやって謝罪するんだろうな?」

「どうだろうな。目覚めさせるために蹴飛ばしたら面白いんだけど」


「そんな死体蹴りをするのは、大悪魔だけだろ!」

「お?着いたな。どれどれ……」



 いくらアルカディアさんがドンキブルを剥いたと言っても、それは試合中の出来事だ。

 流石に、まさに死体蹴りとも言うべき事はしない……だろ?

 妙な不安感を感じながら、俺は行く末を見守る。


 そして、アルカディアさんは、仰向けに寝かされているドンキブルの横に斧の柄を突き立てた。

 ……墓標かな?

 そんでもって、そっとドンキブルの腹の上にチョコバナナを置く。

 ……お供え物だな?


 最後に、しっかりと手を合わせて、深々と頭を下げながら、祈りを捧げた。

 ドンキブル。ここに死す。



「アルカディアさん……。」

「寸分の狂いもなく死体蹴りじゃねえか。ありゃあ再起不能だな。副館長もこれでシングルマザーか。可哀そうに」


「ドンキブル、立ち直れないかな?」

「無理だろ。あんな姿を晒した以上、突然の失踪は確実だ」



 ……。

 謎のタヌキ系美少女アルカディア。

 やはりタヌキの名が出ている以上、こうなってしまうのは必然だったようだ。


 そして、あまりの衝撃映像を見たせいで、俺は精神に異常をきたしたかもしれない。

 なにせ、あんなに可愛らしいアルカディアさんの動きが、ちょくちょく、アホタヌキの動きと被って見えるのだ。


 俺はどうかしてしまったのだろうか?

 アホタヌキはメスだと言えど、あんな可愛らしい顔立ちをしていない。

 むしろ、ブン殴りたくなる顔をしている。


 つーか、アホタヌキは人間にはならないだろ!

 アイツは頑張っても、妖怪止まりだ!

 しっかりしろ、俺!!



「まっさか、心無き魔人達の統括者と同等レベルの大悪魔だとはな、アルカディアさん、恐れ入ったぜ!」

「そのことでよ、気になる事があるんだが?」


「なんだ?気になる事って?」

「アルカディアが最後にドンキブルをボコった動き、カミナの近接戦闘術にそっくりだったんだが?……アイツ、弟子でも取ったのか?」



 実は、俺も気になっていた。


 アルカディアさんが最後に繰り出した連撃は、カミナさんとの肉弾戦訓練で俺が受けた技にそっくりだったのだ。

 その技は、まるで生き写しであるかのようで、精巧に模倣されたコピーとすら言えるほどの完成度。


 普通に考えれば、カミナさんの弟子だと考えるのが筋ってもんだと思う。

 でも、それはあり得ないはずだ。


 なにせ、カミナさんは面会の予約が2年間も埋まってしまう程、超多忙。

 1日に手術を10件近くこなすスーパードクターであり、格闘技術を教え込む時間なんて無いはず。

 あ、もしかして、リリン達と別れてから病院に勤めるまでに、空白の時間があるのか?



「確かに、アルカディアさんの動きはカミナさんっぽかったんだよなぁ。病院に勤める前に弟子でも取ったのか?」

「いいや、それはしてないな。オレ達のパーティーで離脱が一番早かったのはカミナでさ。ちゃんと『聖・オファニム慈愛大医院』まで送り届けたぞ」


「んん?だとすると、弟子を取る暇なんて無いよな?カミナさんは毎日忙しそうに勤務していたし」

「まだ病院に居るんなら、弟子の線はあり得ないだろうな。マジでアイツは何者なんだ……?」



 謎のタヌキ系美少女アルカディアさんには、未だ、多くの謎が隠されているらしい。

 できることなら、俺はその謎を解き明かしたい。


 そんでもって親しくなって、両手に花状態を満喫してみたい。

 ……片方は、毒を吐いて人を喰らう花だけど、良薬は口に苦しともいうし、多少の問題は見ない事にする。



「あぁ、アルカディアさんについて考えると、胸と息が苦しくなって、油汗まで滲んでくるぜ!」

「それは何かの病気な気がするぞ。カミナに見て貰えよ、頭蓋骨の中身とかさ」


「健康診断では『健康そのもの』と言われたから大丈夫だ!」

「そうか。ならもう治らねえな。不治の病くらいならカミナは治すし、それ以上の何か、あぁ、お前は変態の息子だったか。遺伝じゃしょうがない」



 メナファスは何かを悟った風にやれやれと頭を振ると、闘技石段に目を向けた。

 そこに居たのは、毒吐き食人花こと、リリン。

 それともう一人、恐らく次の対戦相手だと思われる人物がいるんだが……。


 その男は、すごい嫌そうな顔で、リリンの事をチラチラと横目で見ている。

 そして、その視線に気が付いている風なリリンは、平均的な暗黒微笑を称えて、嬉しそうに星丈―ルナをハンカチで磨いていた。


 ……あ、これ、引き続き大悪魔な奴だ。間違いない!



 **********



『はいはい!ドンキブルには黙祷をささげたし、気分を切り替えていっくよー!一回戦も終り、次は二回戦に突入だ!対戦カートはこの二人!『毒吐き食人花ポイズン・デス・フラワー』と『七騎士セブン』!』



 観客席から降り注ぐ大歓声を浴びながら、二人の出場者はそれぞれ思考に浸っている。

 二人の表情と雰囲気は、相対する二律相反なものだ。


 いつもの平均的な表情を若干ながら明るいものに変え、薄ら笑みすらこぼしているのはリリンサ。

 リリンサは、今にも鼻歌を歌いだしそうなほどの楽しげな雰囲気で、愛杖の星丈―ルナをハンカチで磨いている。

 それは、リリンサの機嫌が良く、狩りに意欲的に取り組む際に見られる、ちょっとした仕草だ。


 それの意味を知るのは、仲間である心無き魔人達の統括者のみ。

 リリンサがこの仕草をした時は、大抵、心無き魔人達の統括者は大きく動き出す事になるのだ。

 ……なお、ホロビノがそれを見た場合、バッファ全開で逃げ出し、ワルトナが捕獲しに行くまで帰ってこない。


 そんな仕草を、リリンサは闘技石段の上で行っている。

 当然、これから起こるのは悲劇だ。



『あれ?毒吐き食人花、やる気十分そうだね?何かあるのかな?』

「ある。まさかこんな所で会うとは思っていなかった。腕が鳴るというもの!」


『という事は、対戦相手の『七騎士』とは因縁があるってことかな?おやおや!面白くなってきたじゃん!?』



 やる気を十分に漲らせ、リリンサはふんす!と鼻を鳴らした。

 それを見て戦慄したのは、対戦相手の七騎士。


 七騎士はゴクリと喉を乗らして唾を飲み込むと、揺らぐ瞳をぐるぐると巡らせ、逃げ場を探す。

 そして、逃げ場が無い事を悟ると、腹いっぱいに空気を吸い込んで、大声で叫んだ。



「俺の負けですぅゥゥゥゥゥゥ!!負けました!無条件降伏!ですから、戦いはお終いってことで、どうか、お願いしますっっっ!!」


『……は?』



 突然、予想外の事を叫ばれて、百戦錬磨のヤジリも言葉を失った。

 何を言っているんだコイツ?作戦か何かか?と、あらぬ疑惑を向けるも、七騎士の目は本気を示している。

 目は血走り、口元はきつく一文字で縛りあげられ、背筋をぴんと伸ばしての直立不動で立っているのだ。


 それは、厳しい訓練を重ねてきた軍人のような、慄然とした態度。

 そうするのが当り前であるかのように、七騎士は動かず、事態の進展を待っている。

 まるで、上官に対して意見具申を行った兵士のように、ただただ、返答を待っているのである。



『なんか、降伏してるみたいだけど、どうする?毒吐き食人花』

「……却下」



 そして、上官リリンサからの返答を待つ兵士(七騎士)に、死刑宣告が言い渡された。

 それを予期していたであろう七騎士は、ぐっと拳に力を入れると、もう一度だけ唾を飲み込んで、勇気を振り絞る。


 再び大きく息を吸うと、今度はそこそこの音量で、リリンサへ向けて話しかけた。



「あの……そこを何とか、お願いします……」

「ダメ。」


「あぁ!いや、まだ何か手はあるはずだ……。そうだ、今度おいしい食事をご馳走しますよ!俺、そういうお店いっぱい知ってるんで!」

「美味しいお店なら、レジェに言えば予約してくれる。というか、わざわざお店に行かなくても、レジェはお店を召喚してくれると思う」


「畜生め、権力が違いすぎる……。それなら、ええと、服とかアクセサリーとか興味ありませんか!?可愛いの、コーディネートしますよ!」

「興味ない。服は機能性重視だし、アクセサリーは好きじゃない」


「これだからお子様は。あ……いえ、」

「……何を言っても無駄。テトラから機会が有ったらあなたに訓練をつけて欲しいとお願いされている。運命は変えられない」


「なんだと!?い、嫌だぁぁぁ!」



 二人のやり取りを見て、ヤジリは大体の関係性を把握した。


 それは、リリンサが、七騎士の上位に居るという事。

 七騎士はリリンサに意見具申をする事が出来るが、一方的に拒否を突きつけられれば、それ以上は何も言えない。

 さらに、リリンサ以外にも上官が存在し、それらの意思は統一されているという事も。


 これらの話を統合して、ヤジリは『七騎士は毒吐き食人花の部下』という結論を出す。

 そして、その仮定を事実に変える為、ニヤニヤ笑いながら七騎士に話しかけた。



『なになに?七騎士は毒吐きの部下なのかな?』

「あぁそうだよ!俺は総指揮官の部下でさぁ!」



 露骨にヤサグレながら、七騎士は適当に言葉を返した。

 だが、その瞳は死んではいない。

 どうにかこの場から脱出せねばと思考を巡らし続け、計画を練っているのだ。


 この悪い態度も、リリンサの油断を誘う為のブラフ。

 幾度となく死線を潜り抜けてきた七騎士は、最後の一瞬まで最善を尽くす。

 その諦めの悪さは、レジェンダリア国一だと揶揄されるほどだった。



「そんなに私と戦うのが嫌なら、何で出てきたの?自滅だと思う」

「自滅ですって!?誰が好き好んであなた様に戦いを挑むもんですか!嵌められたんですよ!!女王陛下に!!」


「ん。そう言えばさっきムツキがいた。もしかして、レジェが来てるの?」

「来てた。が正しいですねぇ。なにせ、女王陛下は午前の部を見終えたら、俺を置いて、さっさと帰りましたからねぇ!」


「なるほど。レジェならやると思う。信憑性は高い」

「やると思うじゃなくて、やりやがられたんですよ!くそっ!何が『フィートフィルシアに攻め込む前に、息抜きをして、英気を養いましょぉう』だ!息抜きって言うか、息の根が止まるだろ!!」



 地団太を踏みながら、七騎士は頭を抱えた。

 オーバーなリアクションをとり、周囲の感受性を刺激して、思い通りの結果を呼びよせる。

 一部隊を率いる事もある七騎士は心身掌握術も心得ており、実際、こういった手段は大概は上手くいく。


 だが、リリンサには通用しない。

 平均的な表情は何を考えているか読みずらく、しかも、突拍子もない事を突然言いだす天才肌のリリンサとは、歯車が噛み合わないのだ。

 もっとも、リリンサを除いたレジェンダリアの上層部にも、七騎士の心身掌握術はまったく通用しない。

 こちらは素直に、技量で劣る為だ。



『えー。なんか内輪で盛り上がっているけど、私にも教えて貰いたいなーなんて。ダメかな?』

「……一部、ボカして言う。それでいい?」


『十分十分!それでいいよ!』

「じゃあ説明する。私達は、実は、とある国に席を置く兵士。私の方が上官であり、その立場は絶対的なもの。だから私は、セブンジードをボコらなくてはならない!」

「ボカしてるのに、俺の名前は暴露しやがった!?」


『七騎士の本名は、セブンジードって言うのか。へー』

「あ。ごめん。……で、セブンジードはサボり癖が有ると評判。ブルファム侵攻軍の統括軍師であるテトラからの依頼により、根性を叩き直して欲しいと言われている」

「それ、ボカせてない!ギリギリアウトとな奴!」


『侵攻軍ね。へー。これ以上は観客の皆様のご想像にお任せするというとで!あー藪蛇、藪蛇!』



 その断片的な話を聞いて、とあるVIP席に座る男は、傍らの赤い髪の女に情報提供を求めた。

 そして、もたらされた情報を聞いて、男は背筋を震わせたのだ。


 七騎士こと、『セブンジード・エイトクロス』は、独裁掌握国レジェンダリアに属する兵士であり、その配属先は『ブルファム王国方面・侵攻軍』。

 つまり、リリンサが総指揮官を務める侵攻軍『終末の鈴音(べルナロク)』に属している。

 さらに、数多くの人員がひしめく中で、セブンジードは指揮官補佐を務めている。

 セブンジードは、終末の鈴音の中でも4番目に強い命令権を持つ実力者なのだ。


 その実力は確かなものであり、レベル69769という数字は伊達ではない。

 そんなセブンジードは、良くも悪くも、ものすごく目立つ存在だった。


 セブンジードは最初から、今の地位に居た訳ではない。

 当初は一兵卒として、雑兵の中に紛れていた。

 しかし、敵国の罠に掛り、部隊が全滅の憂き目に有った時に、実力を開花させたのだ。


 25名の偵察部隊が、800名を超える敵兵に囲まれるという、絶望的状況。

 有効な攻撃手段はなく、後は蹂躙されるのを待つばかりという中でも、セブンジードは諦めなかった。

 言葉巧みに敵と味方を誘導し、か細い活路を繋げたのだ。


 セブンジードは、敵兵を寝返らせて、825名の強襲部隊を新設。

 そのまま敵の本部に潜り込み、情報を奪い尽くした後、レジェンダリア国の本部隊と合流を果たして一気に攻め落とした。

 その鮮やかな手腕をテトラフィーアに絶賛され、異例の大昇進となったのだ。


 今となっては、2000名を超える部隊に成長した『終末の鈴音』。


 その中でセブンジードは、ナンパとデートを繰り返している。

 無駄にバリエーションに富んだ知識と機転を利かし、あの手この手で、女の子を口説く。

 成功確率は20%にも満たないが、それでも、一日に何回もアタックをすれば、それなりの人数と遊ぶ事が出来た。


 そして、そんな悪評が広まった結果、テトラフィーアに付けられたあだ名は『チャラ男』。

 毎日チャラチャラして遊んでばかりで働かないという中傷の言葉だったが、セブンジードは自ら『チャラ男』でいいと、開き直って名乗っている始末。


 そしてついにテトラフィーアの逆鱗に触れ、リリンサの所まで話が行ってしまったのである。



「改めて言わせてもらいますけどね、俺は、総指揮官とは戦いたくないです!」

「何でそんなに嫌がるの?別に、普通に訓練するだけ」


「普通の訓練ん!?あなたの訓練を受けた人の末路を知る俺に、その言葉を投げかけるのですか?」

「……。何かしたっけ?」


「『バルワン・ホース』『サンジェルマ・キュビリア』『トウトデン・ボールド』、どいつもこいつも俺の上官ですが、あなたの訓練を受けて感情を失っています。今となっちゃ、ニコリとも笑わない戦闘マシーンですよ!」

「……もともと、そんな感じの人だった気がするけど」


「あんなのが元々!?非番の日には庭で草むしりをするのが趣味とか言うのが、元々ですって!?」

「ガーデニングが趣味でもいいと思う」


「えぇい!俺は嫌なんですよ!……俺は!まだ!チャラ男でいたいっ!!」



 そんなどうしようもない慟哭を受けて、リリンサは杖を構えた。

 瞳の奥に、呆れと好奇心を灯して。


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