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第41話「ドラゴンフィーバー①―夜明けのバッファ―」

「きゅあらららー。きゅあらららー」



 空から舞い降りたホロビノが、何かを知らせるように鳴いている。

 いつもなら「腹でも減ったのか?」と思う所だが、今はそんなボケをかましている暇など無い。


 遥か遠くの山々に灯る、朝日。

 うすら紫の幻想的な光景も一瞬で過ぎ去り、山々の尾根に光が射した直後、俺の目に異様な光景が映ったからだ。



「あの影がドラゴンなのか?」

「……間違いない。あれは正真正銘、ドラゴンの群れ」

「あぁ、まったく忌々しいくらいに、ドラゴンドラゴンしてるね」


「意外と落ち着いてるんだな。もしかして、慣れてるのか?」

「流石に一度に200匹のドラゴンを相手にしたことは無い。連鎖猪くらいならチョイチョイあるけど」

「僕は……人間200匹でいいなら、経験があるよ!」


「人間を動物と一緒にすんなよ!」

「ん。雑談はここまで。ワルトナ、準備バッファを始めよう」

「あぁ。……こうしてリリンと共闘するのも一年ぶりか。僕としても、感が鈍っているかもしれないし、全身全霊の全力で行かせてもらうとしよう」



 リリンもワルトも、そう言いながら杖を構え、精神を集中し始めた。


 一時の静寂の間、俺は迫るドラゴンに視線を向ける。

 測れないほどの遠距離だというのに一匹一匹の形が判別できるのは、ドラゴンの大きさがそれほど巨大だという事。

 まるで訓練されているかのように一糸乱れず飛行するその姿も相まって、否応なしに俺の危機感を煽る。


 そして先頭を飛ぶのは、周囲のドラゴンよりも格段に大きい巨体。

 頭一つだけで他のドラゴンの胴ほどもある奴こそが、群れのボス、『ドラジョーカー』なのだろう。


 あれだけの巨体を前にして、俺達に成す術があるのだろうか?


 初めて相対する絶対の暴力の前に思考が停止し掛けていると、俺の袖がくいくいと引かれた。

 振り返れば、瞳に強い光を宿したリリンとワルト。


 そしてリリンが、「バッファと戦闘空間バトルフィールドを構築する。体に負担が掛るけど、耐えて」と言ってきた。

 ……戦闘空間バトルフィールド

 聞き覚えがないが、何となくどんな物か想像ができる。


 心無い系の(アンハートな)奴だろう。



「ユニク。今から私達が行うのは、バッファと認識拡張、アンチバッファと認識阻害、防御魔法と空間魔法などを複数組み合わせた、私達『心無き魔人達の統括者(アンハートデヴィル)』用の全力戦闘魔法連(プログラム)

「本来ならば、僕とリリン、それとカミナとレジェの4人掛りでやるんだけど、今は二人しかいないから二人でやる」

「……全力戦闘プログラム。なんて恐ろしき響き!」


「私がバッファと防御系、ワルトナがアンチバッファと認識系にしよう。二人とも、準備は良い?」

「ほいきた。いやー久しぶりの共闘に、胸がときめくってもんさ!」

「あぁ、確かに心臓がドキドキいってる……!」


「じゃあ、始めよう。《四重奏魔法連カルテットマジック第九守護天使セラフィム》」

「おーけー。《四重奏魔法連カルテットマジック第九識天使ケルヴィム》」



 そして、心無き魔人達の統括者(アンハートデヴィル)な二人による、本気のバッファが始まった。

 まず手始めに、リリンとワルトは俺とホロビノを含めた4人に魔法を掛ける。


 絶対なる防御力を誇る第九守護天使セラフィムと、緻密な意思の疎通が可能になる第九識天使ケルヴィム

 この二つだけでも、並みの冒険者では突破することが難しいだろう。


 しかし、こんな程度で二人のバッファは終わる事は無い。



「《四重奏多層魔法連カルテットマジカライズ瞬界加速スピーディー飛行脚フライトステップ空盾エアロシール―》」

「《四重奏多層魔法連カルテットマジカライズ閃光の敵対者(ライトエネミー)次元認識領域トライキュービクルスフィア戦線の見取り図(マッピング)》」


「《四重奏多層魔法連カルテットマジカライズ物理隔離パージアタック幻想郷ファンタジア対滅精霊八式エーテルダウン・エイト》―》」

「《多層魔法連・伝達阻害ミステイク確認不足ケアレスミス逆行する時間と約束(タイムパラドクス)歪曲する真実の虚偽(フォールストゥルー)次空間の抜け穴(ウロボロスホール)》」


「《……汝願うは、無限の勝利であろう。さりとて、その願いなど聞き届けられることは有りはしないのだ。我がついの魔陣にて抱かれ墜ちるが良い ―雷陣形成らいじんけいせい―》」

「《……我願うは、永劫なる不朽不滅よ。さすれば、お前如きが我が瞳に映れることを誇りに思うが良い。汝がついの悪陣にて落ちる様を笑ってやろう ―氷陣形成ひょうじんけいせい―》」


「《雷陣の元に集いし真なる塵芥どもよ。その命を費やし、我が道を照らせ。雷人王の掌(ゼウスケラノス)常駐ホールド》」

「《氷陣の元に集いし無謀なる英雄よ。その熱を消し、抗う術を失うが良い。氷終王の槍刑(ハデスバイデント)常駐ホールド》」



 怒濤のバッファとアンチバッファが連なり、敗北の可能性を完全に潰すための時間は終わった。


 主にリリンはメリットのある効果、速度上昇や防御力上昇などを使い、ワルトは俺達の認識を拡張し、敵の意思の伝達を阻害するアンチバッファを掛けている。

 そして、一連の魔法の最後。とっておきの切り札たる『雷人王の掌(ゼウスケラノス)』と『氷終王の槍刑(ハデス・バイデント)』をそれぞれが唱え、戦闘準備は完了した。


 正真正銘、俺の知る限りの全力の魔法群。

 この心無き大悪魔さん達は、二人で戦争でも始めるつもりなんだろうか?



「リリン、それにワルト。凄まじい程の殺意を感じるが、目的はドラゴンを追い払うことだったよな?」

「何を言っているの?ユニク。ドラゴン200匹を前にして手加減なんてする訳ない。隙あらば殺る!」


「……は?」

「当然だね。普通のドラゴンだけならまだしも、ドラジョーカーまで居やがるんだ。殺そうとしたって中々死なないし、それぐらいやらないとね!」


「……え!?ちょっと待て、そこまで酷い状況なのかよ!?」



 待て待て、そんなの聞いてない!


 俺の予定では、何だかんだ言いつつも、余裕で撃退するもんだと思ってたんだけど!

 強いって話だったが、まさか本当に総力戦を仕掛けるレベルなのかよ!?


 これは本当にヤバいかもしれない。

 この間の森ドラゴンが意外とさっくり倒せてしまったせいで、認識にズレがあったようだ。


 おっかしいなー?リリン達には常識が通用しないと思ってたんだけど!



「という事は、もしかしなくても、俺、ピンチ?」

「大丈夫。私が守るから」

「くくく。普通、逆だと思うけどね」


「くっ!気にしてる事を言いやがって……」

「そう言いつつも、ワルトナもユニクを守るために準備をしている。ワルトナのアンチバッファは伊達では無い」

「そうそう。陸の上の大船に乗ったつもりで居てくれたまえ」



 ……陸の上の大船?

 それって、唯のガラクタってことじゃないのか?

 ちょっと不安になったのでワルトに聞いてみたら、「水の上にないんだったら、沈みようがないだろ?」と自信満々に返答された。


 確かに絶対に沈まないが、そもそも陸の上に船があるなんてのは、『作りかけ』か『廃棄処分する時』だけだろ!

 いまいち不安がぬぐえない。


 それともう一つ、未だドラゴンは遥か遠くにいるけど、アンチバッファは届いているのか?



「ワルト、アンチバッファを使うのが早すぎるんじゃないのか?届いていなくね?」

「いいんだよこれで。僕が魔法を掛けたのは、”空間そのもの”なんだから」


「空間そのもの?」

「意味がないと思うかい?たしかに今は効果が発揮されず、僕の魔法は霧散してしまったさ。でもね、全ては計算どうり。僕らのバッファは、この魔法によって融合するんだからね」


「……な、に?」

「こういう事だよ!《大規模個人魔導(パーソナルソーサリィ)価値観の崩壊(カラプス・エヴリディ)》」



 ワルトは、自信のみが使えるという魔法、価値観の崩壊(カラプス・エヴリディ)を発動させ、俺に見せつけるように指をパチリと鳴らす。

 その刹那、今まで何の変化も無かった空間が、音を立てて歪み始めたのだ。


 ミシリミシリ、と脈動を開始した空間は、瞬く間に波紋を広げると、悠々と空を飛んでいたドラゴンをも追い越し空の果てに消えゆく。

 そして、今まで2人掛りで発動されてきた全てのバッファが混じり合い、俺の頭の中に、情報の濁流が流れ込んできたのだ。


 ― 4つの視点。俺、リリン、ホロビノ、ワルト。混ざる感覚と音。溢れる涙。

 ― 過敏すぎる感覚と、どよめく空気。伝わる動悸と呼気。

 ― 平面に記された地形と、一刻秒ごとに変化するドラゴンの分布図。

 ― 湧き出る力と歪む骨。軋む筋肉とクリアな視界。

 ― 脳内に響く凛とした声と、媚を売るような音。

 ― 敵はどこだ?この分布図によれば、敵は203体。そして、分布図上の敵のレベルのほぼ全てが……99999。


 ……ゆ、に……?ゆ、……ゆに、く……。


 ― 声か?この声は……リリン?



「ユニク!」

「はっ!」


「大丈夫?いきなり4人分は負荷が強すぎた?」

「リリン、これは一体?」


「ワルトナの魔法によって、今までの魔法が全て融合し相互に効果を及ぼしている。私達は最大限のパフォーマンスを発揮でき、ドラゴンは能力を低下させる。この空間こそが、心無き魔人達の統括者(アンハートデヴィル)の絶対支配領域『慈悲なき絶命圏域スクウェア・オブ・ハードデヴィル

「……慈悲なき絶死圏域スクウェア・オブ・ハードデヴィル 。ハードでデヴィルな四人組スクウェア……。」


「この空間にはいくらかの慣れが必要。もし辛いなら、少し認識を減らしたほうがいい」

「……俺の頭の中に流れているのは、すべて必要な情報なんだよな?」


「そう。私達、心無き魔人達の統括者(アンハートデヴィル)は全力戦闘を行う時はこの空間内で戦う。この状態ならば、完全に敵の動向を把握することができ、導き出される情報は、もはや未来予知とすら呼べる」

「未来予知か。だったらこのままでいい。戦う前から加減するなんて男らしくないからな!」


「くす。それは良い心がけだと思う。だとしたら、私の大規模個人魔導を重ねても大丈夫だね」

「……え?」


「《大規模個人魔導パーソナルソーサリィ絶対強化空間レインフォース》」



 え、まだ重ねるのかよッ!?


 俺が静止を進言する間もなく、リリンは鈴のような優しい声色で、大規模個人魔導パーソナルソーサリィを唱えた。

 そしてその魔法による変化は、言うならば、『目覚めるようなもの』だった。


 ついさっきまでの俺など、眠っていたに等しい。


 そう感じてしまう程に、俺の体は変化した。

 髪の毛の先端から足の爪先まで、すべての細胞が一斉に活動を始め、体中が脈打つ。

 無意識下で押さえていた身体のリミッターが完全に解除され、セーブされることのない力が溢れだす。


 俺は足元の石を拾い、握り締めてみた。

 すると、パサリとした感触の後、掌の中にあった石は砕けて砂となり、風に乗って散る。

 間違いない。……確信を持って宣言しよう。


 俺はついに、人間をやめた!



「これが私の大規模個人魔導、『絶対強化空間レインフォース』。師匠達(変態ども)監修のもと、バッファと感覚の鋭敏化を調律し、それぞれの効果を最高峰に高める禁断の魔法」

「体験してみて分かったが、効果が凄すぎる!……というか、こんな魔法があるのなら、なんで日常的に使わないんだ?」


「……副作用があるから?」

「副作用があるのかよッ!?」



 何だよ、副作用って!?

 明らかに体のリミッターを外しまくってるし、その代償に寿命が短くなるとか言わないだろうなッ!?


 さすがにそこまで悪魔ではないにしても、相応の覚悟は必要な気がする。

 ……だってホロビノが、ちょっと涙ぐんでる。



「副作用は、全身の筋肉痛。この筋肉痛はおおよそ3日から1週間くらい続く。文字どおりの満身創痍で、特に足腰はガッタガタになる」

「地味に嫌な奴!」

「ほんと、困った副作用だよね。肉体労働の嫌いな僕なんて、体中バッキバキになるからね。だからこの後は有給休暇を取って、9泊10日くらい温泉で癒されてくるよ!」


「うわぁ、ずっるい!……リリン、俺達も温泉に行こうぜ!」

「え?ま、まだ……時期が早すぎると思う!」



 何の時期だよッ!?

 全身筋肉痛になるんなら、これ以上にないくらいにベストなタイミングだろ!!


 流石の俺もツッコミを我慢しきれず、「そんな事を言わないで行こうぜ?」とリリンを促す。

 すると、何故かリリンは頬を赤らめて、「もう少し待って欲しい!二人で温泉に入るのは、まだ早すぎると思う!!」とか言い出した。



「いや、何かがおかしい。一緒に温泉に行くって言ったって入るのは別々だし、なんも問題ないだろ?」

「私の自宅には……混浴もあったはず。ユニクは、そういうアダルトなのが好きだってさっき言っていた!だからきっと混浴に行くに違いなくて、だとすると私も同行しなければならない!!でも、それはまだ早すぎると思う!!」


「まてまて!?自宅に混浴ってどんな状況!?」

「私の自宅は温泉宿を経営している。超優良店と評判も高い!」


「それは自宅って言わねぇんじゃないか?というか、どうしてそんな事に……?」

「なぁ、きみら。ドラゴンの事、完全に忘れてるだろ?」

「「あ。」」


「この僕、聖女ワルトナちゃんを差し置いて、イチャイチャラブラブするとかさ。……何だろう、この虚しい気持ち。帰ってふて寝していい?」

「すみませんでした!」

「話が脱線し過ぎた。ごめんワルトナ」


「じゃ、温泉旅行はみんなで行くって事で!」

「ドラゴンの話に戻れよ!」

「確かにそうした方が良さそう。ホロビノ、かもん!」


「きゅあら!!」



 リリンの合図とともに、ホロビノが身を寄せて頭を垂れた。

 リリンとワルトは素早くホロビノの背に乗り、戦闘準備。


 敵は空を飛ぶのだから、俺達も当然、空に行かなければならない。

 合理的手段としてホロビノに空に連れて行って貰うのが手っ取り早く、ある程度の高度に達したら飛行脚を使ってバラける手筈になっている。


 さて、リリン達も乗ったし、俺も背中に乗らせてもらうかって……おい!立つんじゃねえよ。俺まだ乗ってねえんだけど、ホロビノ!!

 あ、コイツ、俺は手で持つつもりか!?ちょっ、脇はやめ……ぐえッ!


 結局、リリンとワルトはホロビノの背中の上に乗ったのに、俺は三頭熊の死体を運んできた時と同じく、両手で抱えられている。


 ……シリアスな雰囲気だったのに、ほんの少し油断したら、すぐこれだよ。

 まだドラゴンが遠いからって、いくらなんでも、ふざけ……。


 おかしい。ドラゴンの群れが消えた?



「リリン、ワルト!ドラゴンが居ない!!」

「知覚された?ん。あれを見て、転移陣がある」

「上だよ!ドラゴンは成層圏に転移。……二人とも、来るぞ!!」



 途方もない物量の弾雨と言えば、分かりやすいだろうか。


 天空より無数に打ち下ろされたのは、亜音速となった青紫のドラゴンだった。

 ワルトが言うにはこの紫のドラゴンは『エタニティ・風・ドラゴン』。

 ドラゴンの中でも、最もスピードに優れた種族であり、最高速度が音速を超える個体もいるという。


 空に漂っていた雲に無数の穴を開けて降り注いだ風ドラゴンは、アクロバットな飛行で空に模様を描いた。

 そして、今度は俺達の上空から凄まじい量の炎が噴き出し、あっという間に雲を散らす。


 それはまるで、演劇の舞台幕が上がる時のようだった。



「なんだ……?何が起こってる?」

「ユニク、あれを見て!」

「おいでなさったよ。……アイツが、『ドラジョーカー』だ!」



 空よりゆっくりと降下してきたのは、鋭い鱗を荘厳に並べた肉の壁。

 言葉にし尽くしがたいほどの巨体は、そびえ立つ山を彷彿とさせ、いかに人間が小さき生物なのかを思い知らされた。


 コイツが、ドラジョーカー。正式名称『アルティメット・ドラゴン・ジョーカー』。

 究極の名を冠するドラゴンの群れの、ボスだ。


 そして、俺たちの視線を集めているドラジョーカーは、口を開いた。



「ピーエピエピエピエ!ピィエローゥ、ドューナルドーゥ!ピエローン!!」



 ……。


 いや、確かに、もの凄くでかいよ?

 俺から300m以上も離れてるのに、翼や尻尾の先が確認できないくらいだからな。


 でもさ。鳴き声が「ピエーロ!」って。

 小物臭がにじみ出ているんだけど!


 しかも、近くで見て初めて分かったが、コイツのデザインが全体的にふざけてる。

 顔なんて明らかに後から描いたっぽい星やダイヤな模様があるし、下半身なんか赤と白の水玉模様だ。


 え?こんなのが、ドラゴンのボス?

 髪型もすげえし、頭がどうかしてるんじゃねーの?

 どう思う?リリン?



「くぅ!ここまで強そうなオーラは予想外。白銀比様を思い出す」

「……え?」


「まったく、自分の運の無さが嫌になるね。こいつは骨が折れそうだ」

「……は?」



 え?何を言ってるんだよ、二人とも。

 こんな髪型が、『クルクルチリ毛・タヌキ将軍!』みたいなモッサリヘアードラゴンが恐ろしいって言ったのか?


 いやだって、レベルも……。



 ―99999―



 まぁ、最大値だけど。

 でもなぁ。



「リリン、ワルト。コイツのどこがヤバいのか、俺に説明してくれないか?」

「見るべきは、その態度。コイツは私達がバッファとアンチバッファを掛けている事に気が付いている。それでも笑みを絶やさず、奇襲もあえて外した。自分の力を見せつけるために」

「それだけじゃないね。人間の恰好を真似ているということは、それだけ知能が高いということでもある。どこでピエロなんて見たのか知らないけど、化粧をしてるくらいだし相当に賢いだろうね」


「……単純に頭がおかしいという可能性は?」

「「ない」」



 そうか、ないのか。


 ……ドラジョーカー、やべぇぇぇぇぇ!!!!!!


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