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ユニーク英雄伝説 最強を目指す俺よりも、魔王な彼女が強すぎるッ!?  作者: 青色の鮫
第13章「御祭の天爆爛漫」

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第135話「御神楽幸七・久遠竜鬼-こおりおに-ユニクルフィン side」

 

「……もはやヤバすぎて、感想が出て来ねぇ!?」



 ホロビノに乗ったサチナの後を追うように、俺とレラさん、レジィが結界の外に出た。

 パッと見た感じ、戦場は三つに分かれている。


 空に飛び立とうとしている木星竜に攻撃を仕掛けている、見たこともない黒金色の新型エゼキエル。

 これがリリンが言ってたエゼキエルリリーズだな?

 魔王が召喚する最終兵器の名に恥じない、カツテナイカッコ良さだぜ!!


 次に目についたのは、天窮空母とその周囲に飛んでいるエゼキエルの群れ VS 黒い靄を纏っている巨大な鳥。

 なるほど、コイツが疑似皇種って奴か。

 破壊値数が並の超越者では比較にならない黒い霧、これは金属を粉末状に加工したものっぽい。

 キングフェニクスと同じく、体内で作った雷で操作しているんだろう。


 後は、少し離れた所で戦っている奴がいる。

 木に隠れて見えないが……、グラムの破壊の波動を扱えるのは、俺が知る限り二人。

 親父とエデンとかいうタヌキのどちらかだが、これは親父の戦い方じゃないな。


 さてと、どこに加勢するか……、そんなことを考えつつ様子を見ていたら、サチナとホロビノが木星竜VSエゼキエルリリーズの戦いに乱入。

 しれっと距離を取って傍観体制に移行しやがったクソタヌキの代わりに攻撃を仕掛け――、洒落にならないレベルの天変地異が起こった。


 いや、なんかもう、マジでヤバすぎ。

 いくらサチナの鬱憤が溜まっているとはいえ、全長100kmの竜を空に叩き上げてから一方的にボコりまくるとか誰が予想できるんだよ。



「にゃはは。サチナちゃんがヤバいのはおねーさんも分かってたよ?分かってたけどさぁ……、レジィは知ってたん?」

「無知ほど幸せなことってないわよねぇ。アレを完封しようって発想は、今の余からは絶対に出てこないわぁ」



 うわぁ、大魔王姉妹すらドン引きしている。

 まぁ、俺も完全に同感だけどな。

 人知を超えた大災害を前にすると、一周回って「へぇー」って気分になる。



「どういう理屈なのかさっぱり分からないが、サチナのド突きが100kmの地面を揺らす威力なのは理解したぜ!」

「その理屈が尋常じゃないんだよね。権能を相手の肉体に適応して、えっっぐいアンチバッファを掛けてるよ」


「あんなに跳ねる理由は、ボールみたいに跳ねる特性を付けたから?」

「そうそう。どっちみち、あの巨体を対象に取ってるだけでとんでもないことだけどね」



 もはや岩盤プレートを引っぺがした様なもんな訳で、その衝撃は計り知れない。

 というか……、温泉郷が壊滅している気がする。

 どう考えても、地震とかいうレベルじゃねぇ。



「町が気になるかしら?」

「そりゃな。建築物が全滅しててもおかしくない揺れだぞ」


「カミナ考案の建築技術でどこまで耐えたかしら。けど、思ってるほど被害は出てないと思うわよぉ」

「どうしてだ?」


「ナインアリアや軍団将に治安維持を命じてあるしぃ、なにより、サチナは温泉郷に背を向けていた。衝撃が伝わりにくいように配慮してるわよ、途中から空に打ち上げたし」



 あんだけ暴れてて理性的なのは最強すぎる。

 なのです☆★って言ってた可愛らしいサチナの新しい一面に、ドキドキと動悸が止まらないぜ!!



「それでどうする?俺なら、あの戦いに参戦するのも出来なくはないが?」

「やめておいた方が良いだろうね」


「レラさん?」

「ユニくんが介入すると事態が悪化すると思う。木星竜の狙いは背中の命を殺して取り込むことだよ」


「命を取り込む?」



 輪廻を宿す木星竜の種族は、エンシェント・森・ドラゴン。

 その特性は背中に森を作って小動物を住まわせ、非常時に餌にする、か。



「あの規模だぞ。そんだけの命で何をするつもりだ?」

「んー、あの木星竜の身体は動かせるように出来ていない」


「実際に動いているけど?」

「自壊を承知で動いた。だから多分、木星竜の狙いは、あの体を捨てて戦闘形態になることだと思う」


「戦闘形態、だと!?」

「木星竜が支配しているのは、あくまでも生えている木。だから無理やり動いて背中の生物を殺して木で吸収。権能で本命の体を作ろうとしてる」


「凄まじいキマイラみたいなのを作ろうとしてるって事か?」

「もしくは、過去に斃された強力な生物。王蟲兵とかかも?そして、ホロビノはそれに気が付いて対策してる」



 ホロビノが対策?

 そういえば……、サチナが攻撃するたびにクリスタルが飛び散っているのはなんでだ?



「サチナのルールじゃ、死んだ後でクリスタルに封印されるのは選ばれた130名だけだよな?」

「そのはず。けど現に、この場で死んだ命は全部クリスタルに封印されてる。それが出来るのは、サチナちゃんと一緒に居るホロビノだけ」


「狐はクリスタルに触れるだけで蘇生できる。ってことは、木星竜から背中の生物を助け出しつつ、力を削ぐ妙案か」

「そういうこと。下手に神殺しで殺すとホロビノの邪魔をしかねないよ」



 なるほど、クソタヌキが様子見してるのはそれが理由か。

 だとすると、俺達は別の相手の所に行くのが良さそうだが……。



「ラグナガルムの背中に乗ってるのが敵の狐か。俺が対処してきて良いか?」

「にゃは、いいと思うよ。おねーさんの狙いとは違うし」


「レラさんはエデンか?」

「もち。どさくさに紛れて雪辱を果たす!」


「レジィはどうする?」

「天窮空母に行くわぁ。ホロメタシスにお礼を言いつつ、不測の事態(アホの子)のコントロールしないと、斜め上を爆破されかねないしぃ」



 不測の事態(アホの子)

 なるほど、セフィナは天窮空母にいるのか。



「戦場でのフォローは任せろ。今まで全くいい所がないからな、俺だって少しは見せ場が欲しい」

「にゃは、期待してるよ!」

「くすくすくす……、言質は取ったしぃ、そろそろ行きましょうか」

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