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ユニーク英雄伝説 最強を目指す俺よりも、魔王な彼女が強すぎるッ!?  作者: 青色の鮫
第13章「御祭の天爆爛漫」

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第112話「恋人狼狐・キミに背を向けて」

「おーい、サチナ見なかったか?サチナ。昨日から居ねぇんだよー。ヴィギルオンッ!?!?」



 レラさんに見つからないように物陰に隠れながら移動し……、お土産区画でアヴァロンを発見。

 開店前の準備をしているおっちゃん達に話しかけている無防備な尻を狙い……、


 ……よし。

 ワルトが放った創造の矢が見事に命中。

 飼い主を探してさ迷い歩く忠犬っぷりを発揮していることだし、後で飯でも奢ってやるからな。



「矢は刺さったが、すぐに俺の姿になる訳じゃないんだな?」

「タイミングを見計らって遠隔で操作するよ」



 なるほど、タヌキは人に化けるからな。

 俺の姿を上書き……されるだけならまだしも、中途半端に混じったタヌクルフィンが爆誕しようもんなら目も当てられねぇ。



「それで、他に済ませておく事は何だ?なんでもするぜ」

「なん……、んー……。そこにホテルがあるでしょ?」


「あるな」

「一番いい部屋を取って休憩でもしよっか」


「……は!?」



 この緊急事態に休憩だと!?

 ちょっと城っぽい豪華なホテルで休憩とか、そんなことしてる場合じゃないだろ!?



「何の冗談だよ。そんなことするくらいなら……」

「いや、大胆に動いてローレライに見つかる方が不味い。事態が動くまで、大人しくする(・・)のが最善だ」


「事態が動くって……、いつだよ?」

「人狼狐終了がお昼の12時って事を考えると、10時から11時の間。几帳面なレジェの事だし、30分刻みの三択だと思う」


「10時00分、10時30分、11時00分のどれかって事か?ちっ、あと3時間くらいあるな」

「おや、丁度いいねぇ。このホテルには3時間パックがあるんだ」



 ……。

 …………。

 ………………宿泊施設で3時間パックってなんだよ?

 飯を食うには長いし、仮眠を取るには短いと思うんだが?



「わざわざ部屋の中に入らなくても、そこらの飲食店で良くないか?」

「ローレライの目は24時間以内に見た光景を監視できるんでしょ。バレるに決まってる」


「このホテルだって見られてるかもしれねぇだろ」

「絶対ないねぇ、潔癖だからねぇ」



 よく分からん理由だが……、ワルトの顔は真剣そのものだ。

 ここまではっきり言うんなら、大丈夫なんだろうが……、このホテルの名前、『隷愛城』とか書いてあるんだが?

 大魔王陛下の城の名前と完全一致なんだが?本当に大丈夫か??



「へぇー!いい部屋じゃないか」

「こんな時じゃなければな」


「プロのスポーツ選手は試合前に最大限のリラックスをするもんさ。それは、歴史書を紐解いても同じ。名のある英雄は固くなった体をほぐしてから戦いに挑むのが常識だよ、ユニ」



 部屋に入るなりベッドにダイブしたワルトはマットの柔らかさを堪能した後、俺の方をじっと見て……、近くにあった棚を調べ始めた。

 それにしても、緊張をほぐす、か。

 俺には、お前の方が緊張しているように見えるんだがな。



「まぁ、一理ある。特に狙撃兵のお前は僅かなミスが致命的だし」

「でしょ。紅茶とコーヒーがあるけど、どっちがいい?両方一袋で数万エドロの高級なやつだよ。……さっすが」


「紅茶で」

「ミルクと砂糖と媚薬はどうする?」


「ストレートで。飲み慣れてるからな」



 紅茶を飲む時は、だいたいが飯の付け合わせだ。

 リリンに合わせて腹いっぱい飯を食うようになってからは、おやつを……、なんで媚薬なんか置いてあるんだよ!?!?



「いや、なんかこのホテルおかしい気がする。ガラス張りの壁とか何の意味があるんだ?」

「さぁ、僕も始めて来たし。情緒かねぇ?叙事かもねぇ?……ほい、どうぞ」


「さんきゅー」



 とりあえず紅茶を一口。

 ……ふぅ、って、落ち着いて考えてみれば、俺達は徹夜で動き回っていた。

 体力のある俺は大丈夫だが、ワルトにとっては気になる程度には疲労が溜まっているのかもしれない。



「なんなら、少し寝ても良いぞ」

「ねっ……。」


「おーい?ワルトー?」

「……いや、いい。その代わり背中を貸してくれるかい?」



 背中?

 あぁ、そういえば俺の背中に寄り掛かるの好きだったっけな。

 ラグナが来てからはお役御免になったけど。



「ふぅー、温かい」

「そりゃ、動き回ってるからな。こんな背中で良いなら、いつでも貸してやるぜ」


「……ねぇ、ユニ。せっかくだから、思い出話でもしようよ」

「ん、別に良いけど、作戦とか練らなくていいのか?」


「何を言っているんだい、これは戦闘訓練だよ。僕も君も互いに背中を預けて戦うんだ、感覚を覚えておかないと困る、だろう……、」



 背中合わせでベットの上に座っているせいで、ワルトの顔は見えない。

 ただ、それからの会話は途切れることはなく……、その時が来るまで、思い出話に花を咲かせた。



皆様、こんばんわ!青色の鮫です!!

ついに本作品は8周年となりました。

長い物語にお付き合い頂き、本当にありがとうございます!!


8年前の8月18日というと第7話、ちょうどリリンがユニクを誘惑(旅に誘う)回でしたね。

そんな記念日に狙いを定めて仕掛けてくるワルトナ、マジ、策士。


連載開始当初では思いもよらないお話(※タヌキと狐のせい)となっていますが、このユニクルフィンを巡るワルトナVSリリンの戦いは、ちゃんと構想にありました。

色々とパワーアップしておりますが、決着をどうぞお楽しみに~。


それと、悪魔を調べていく内に、新作を書きたくなりまして……、



『~ソロモン 72 メスガキ~』



というタヌキもびっくりなタイトルで、投稿を始めました。

これは、悪魔の情報を僕の解釈で魔改造……、げふんげふん、改訳したものであり、かなり遊んだ内容の悪魔書-グリモワールとなっております。



評価ポイント欄の下のリンクか、作者名から飛んでいけます。

僕の作風が好きな方は楽しんでいただけると思いますので、こちらも応援のほど、どうぞよろしくお願いします!!

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