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ユニーク英雄伝説 最強を目指す俺よりも、魔王な彼女が強すぎるッ!?  作者: 青色の鮫
第13章「御祭の天爆爛漫」

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第111話「恋人狼狐・朝の考察⑤」

「さてと、ユニ。僕らがやることは至ってシンプルだ。人狼狐の全滅……、レジェ達を潰すよ」



 確定した人狼狐は5匹。

 レジェリクエ、ローレライ、金鳳花、セブンジード、メイ。

 限りなく黒に近いのが、

 カミナ、メナファス、金鳳花の二人の兄の紅葉くれは紫蘭しらん

 そして、自分の意志で裏切ったのが、メルテッサだ。



「見つけ次第、対処するってのは理解した。だが、メルテッサはどうするんだ?」

「処分に決まってるだろ。考えようによっちゃ一番性質が悪い」


「操られている訳じゃないから、生粋の敵ってことか?」

「指導聖母なんてものは、自分の利益を最優先に考えるものさ。僕も含めてね」



 相手の英雄クラスの戦力は、ローレライ、メルテッサ。

 次点で、レジェリクエやメナファスも準ずる強さは持っているだろう。

 カミナさんは完全なサポート役、非戦闘員になるはずだ。


 一方、俺達の戦力は俺、ワルトの二人だけ。

 サーティーズさんも行方知れずだし、かなり分が悪い。



「戦力対比は4対2か。ローレライ以外が相手なら俺は問題ないと思うが……、」

「レジェはローレライを信奉し、それに応じる実力が備わっている。だからこそ、どこで仕掛けてくるか手に取るように分かる。……彼女の役割は遊撃だ」


「遊撃?」

「こちらの勝利条件が相手の全滅であるように、向こうの勝利条件もこちらの全滅。だからこそ、2対1の状況に持ち込みたいのは同じだろう」


「なるほどな。例えばメナファスを囮に使っておびき出し、ローレライが奇襲を仕掛けてくる訳だ」

「そして、相手の布陣は完璧と言っていい。餌であるサチナをカミナが設置し、監視魔道具を支配しているメルテッサが僕らの動きを探る」


「!!」

「近接戦闘もこなせるレジェが囮になって罠を張り、ローレライが奇襲。援護射撃にメナファスと隙が無い」



 サチナが生かされているのは、俺達をおびき出す囮にするためか。

 その囮だって本物であるかどうかも疑わしく……、まったく、敵にすると厄介だな、魔王って奴は。



「突破口はあるのか?」

「もちろんだとも。奴らの目の良さを逆手に取る。騙すのは僕の専売特許さ」


「……メルテッサとローレライは温泉郷全体を見ている、あぁ、そういうことか」



 魔道具とローレライの絶対視束による二重の監視に掛かれば、俺達の動きを把握するなんて造作も無いだろう。

 だからこそ、ユニクルフィンが複数存在すれば、相手は必ず混乱する。



「僕のシェキナは想像と創造の弓、ユニクルフィンという存在を想像し、創造するなんて造作も無い」

「おう、ワルトの認識阻害は真理究明のクソタヌキすら騙せてたもんな」


「あの時も実はこっそりシェキナを使っててねー。という事で、温泉郷の観光客をユニに仕立て上げてローレライを釣る」

「あの目は特別だからな。直接見られたらバレちまうだろうが、逆に、出てくるしかねぇって訳だ。だが、危険じゃないのか?その人って俺の代わりに命を狙われるんだろ?」


「選ばせてあげるよ。必要経費として割り切るか、人の代わりにタヌキ奉行をユニに仕立て上げるか」

「……苦渋の決断過ぎる。んー、タヌキで!!」



 俺までとうとうタヌキになるのか。

 いや、タヌキが俺に化けるんだったか?

 人命には代えられないとはいえ、生理的に嫌すぎる。



「交渉している所を見られたら意味ないからね、物陰からこっそり矢を撃ちこむよ」

「ローレライの一撃を耐えられそうな奴が良いな……、バビロンとかどうだ?」


「創造の矢を撃ったら華麗にキャッチされて、ド級のカウンターを食らいそうなんだけど。却下で」

「じゃ、アヴァロン」


「手頃だねぇ、いちころだねぇ」



 殺すな殺すな、峰射ちにしておけ。

 あのデカい尻が狙い目だ!!



「バビロンはタヌキ奉行の元締めだからね。矢倉台ステージにサチナが吊るされたら助けに行くだろうし、そういう意味でも丁度いい」

「ん?なんで矢倉台ステージにサチナが吊るされるって分かるんだ?」


「人狼狐の開催を発表したのが矢倉台ステージだからだよ。いいかい、人狼狐は観光客も参加しているイベントで、みんなサチナを探している。チラシも配ったしね」



 そうか、人狼狐の認識をずらす為の仕掛けが、ここで効いてくるのか。

『狐の心臓とは、狐が持っているハート型のキーホルダーである』

 そんな認識錯誤が掛かったチラシを拾った人は、サチナの所に集まる訳だ。



「レジェならその人混みを隠れ蓑に利用する。だから僕らも同じことをする」

「俺らも観光客に紛れるのか」


「タヌキに化けさせても良いけど?」

「はっ、丁重にお断りす……なんだッ!?」



 おおよその方向性が決まったその瞬間、けたたましい爆裂音が響いた。

 その衝撃で温泉郷を覆っている結界が揺らいでいる。

 って事は、外からの攻撃か!?



「ちっ、外に何かいるようだな。魔力を感じないせいで正体が分からねぇが……、見に行くか?」

「……。いや、やめとこう。怒り狂った超危険生物がいるだけだし」


「かなりの問題じゃないのか?種族だけでも確認して対策を練った方が良いだろ」

「それでローレライに見つかって奇襲されたら?百害あって一利なし、無視だよ無視」



 結界の外にはリリンがいる。

 あんだけの音なら聞こえているだろうし、意志の疎通を図る意味でも見に行くのが良い気もするが……、確かにそこを狙われちゃ悪手になる。


 ……にしても、すげぇ音だな。

 どんだけキレてんだよ、超危険生物。

 腹を空かせたタヌキだって、もうちっと大人しい攻撃をするぞ。


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