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ユニーク英雄伝説 最強を目指す俺よりも、魔王な彼女が強すぎるッ!?  作者: 青色の鮫
第13章「御祭の天爆爛漫」

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第81話「人狼狐・夜の襲撃、ゴモラVS白虎皇」

「お前が介入してこないから、勢い余って殺してしまった。どうしてそんなにやる気がないの?ヒャクゴウ」

「くぁ~~あ。我に利益がない」


「金鳳花に媚びを売れる」

「そのかわりタヌキに睨まれる。プラスマイナス、ゼロだ」



 アステカトリポカとサーベロスとゴモラ、三者の戦いをヒャクゴウは見ているだけだった。

 戦いに介入しないどころか、戦闘の意思すら見せない。

 ただ草むらに身を投げ出して、暇そうに欠伸あくびをしているだけだ。



「じゃあなんで、金鳳花に加担している?」

「勝ち馬に乗っただけだ」


「なら、形成によってはこちら側になるということ?」

「……なると思うか?」



 ゴモラの問いかけにヒャクゴウはつまらなそうに答えた。

 それはまるで、答えを知っている大人のような余裕。

 そして、まったくやる気のないその態度が、ゴモラの琴線に触れる。



「あまりにも不遜。やる気がなくて運動をしないからプルンプルンのお腹になる、メタボ虎」

「やる気?そんなもの久しく感じていない」


「なに?」

「逆に、お前らのような方が珍しかろうよ。我らのように階級を持つ者は数千年の時の中で、大体の欲求は叶えている。腹が減れば食らい、子が欲しければ生ませ、生を実感したくなれば戦ってな」


「だから?」

「飽きているのだよ、全てに。無色の悪意は欲求に反応する、金鳳花に植え付けられた時は僅かに期待したものだが……、大した刺激にはならなかった」



 再び欠伸をするヒャクゴウ、その姿は隙だらけだ。

 だからこそ、ゴモラは気に入らない。

 それはまるで、ゴモラでは相手にならないとでもいうような――。



「そう。なら、本気で殺しに行っても良い?」

「いや、困るな」


「……は?」

「我は争いを望んでいない。我と種が生き残れるならば何でもいい。他者がどれだけ犠牲になろうとも」



 そうして、ゴモラは理解した。

 ヒャクゴウはもう、取り返しの付かない程に無色の悪意に汚染されていること。

 そして求めている欲求が、『堕落』であることも。


 何事にもやる気がない、争いを望まない、犠牲を厭わない平和主義者。

 だからこそ、絶対に相容れない。

 ゴモラの推理が正しければ、今回の金鳳花の最終目標はサチナの殺害ではなく――、リリンサ。



「お前、何を知っている?」

「口止めされているぞ、これは最後の引き金だからと」


「……分かった、もういい。二度と喋るな」



 本当にいい度胸してるね、カーラレス。

 そう呟いたゴモラがメルクリウスを構える。

 そして、声に乗せて殺意を放った。



五十重奏魔法連(クァ)原色を照らす太陽王(テン)



 それは、人繋ぎにされている、50個の炎の数珠。

 バスケットボールサイズのそれらがヒャクゴウの周りに出現し、落下。

 地面に触れた瞬間、大地が持つ原子が熱融合を始め――、眩い死の閃光が周囲を蹂躙することはない。



「レッスン3,高威力の魔法は防御魔法や空間魔法を併用して使う。環境への配慮と相手の回避妨害の為に」

「だが、階級を持つ相手ミリオンには悪手だ」



 原色を照らす太陽王を閉じ込めるように発動された、キューブ状の原始を守りし抱擁王オムニバス・セラフィム

 その上に立っているヒャクゴウ、その四肢は太く、そして、腹がたるんでいる。



「メタボの癖に回避するとか、本当に腹が立つ」

「立派なものだろう、我の自慢の権能ぞ」


 ふさふさな体毛で隠し切れていない贅肉が、プルンプルンと揺れる。

 常識的に考えれば、それはデバフにしかならない。

 筋肉ではない唯の重りなど、超越者同士の戦いでは邪魔にしかならないからだ。


 だが、その法則はヒャクゴウには当てはまらない。



白虎皇バイフーワン・ヒャクゴウ』


 種族   白帝虎はくていこ

 年齢   推定3000歳以上

 性別   オス

 称号   白虎皇バイフーワン・ヒャクゴウ

 レベル999999(ミリオン)、階級『がい

 危険度  大陸滅亡の危機(カンタナントカタフス)


『基礎情報』


 ゴモラが知る虎の皇種は3体。

 鳳皇を倒して皇になった初代、滅亡の大罪期でゴモラ達と戦った二代目、そしてコイツ。

 少なくとも、皇種になってからは3000年以上、その前の眷皇種時代がどれだけ長かったかは不明だけど、初代から仕えていたのなら、4000年以上は生きている。


 長く生きているという事は、それに足る実力がある。

 レベル『がい』はソドムと同じ階級であり、けいであるゴモラよりも上。

 純粋な運動能力はソドムどころか、七源の階級『阿僧祇』であるエデンよりも上の可能性すらある。


 だがその力の本質は、自身を知り尽くしているということ。

 権能への理解が深い=戦闘能力。

 それを体現しているのが、このヒャクゴウだ。


『戦闘能力』


 肉体の大きさは約5m、そんなものは見かけ上の情報でしかない。

 皇種になると、ある程度の肉体可変が可能になる。

 これは、神の理から脱却した結果、自身の過去の姿を目指し、肉体を成長させることが出来るようになるから。

 だけど、ヒャクゴウのそれは権能によるものだ。



代謝の権能(メタボリズム)


 新陳代謝の権能であるこの力は、体内で起こせる化学変化を全て超高速で出来るというもの。

 異常な肉体操作、新陳代謝、消化、再生、疲労物質の分解、若返り、成長、体に関することならなんでもできる。


 汗を気化させて霧を作る事も、体表に象牙質を集約させて光を反射することも可能、ベアトリクスのような圧倒的なフィジカルを持ち、自分自身の種族限定になるが、アルミラユエトのように別個体にも変化できる。


 それは、他の皇種が権能を用いて行うことの模倣。

 最初から5個の能力を持つチィーランピンとは違い、コイツが扱える贋作の権能の数は増え続け、今となっては100以上。

 故に、百業ひゃくごうと呼ばれている。

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