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ユニーク英雄伝説 最強を目指す俺よりも、魔王な彼女が強すぎるッ!?  作者: 青色の鮫
第13章「御祭の天爆爛漫」

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第78話「人狼狐・夜の襲撃 ロリコン・フェチ・オタク・魔王・魔法少女・クマ、タヌキ」

「属性盛りすぎだ、馬鹿。戦隊ロボ、悪の女幹部、魔法少女、けも耳アイドル、マスコットキャラまで完全網羅とか、ニチアサ要素コンプリートしてんじゃねぇよ、馬鹿」

「馬鹿馬鹿うるさい。ついでに言うと、あなたの役回りは襲われるモブキャラ一般人。そこで大人しく見てるといい」


「あ”ァ?」



 エアリフェードはともかく、アストロズとシーラインは真っ当な武芸者としての人生を送って来た。

 当然、子供向けの作品になど微塵も関わらない人生であり、好き嫌いを語る以前の問題だ。


 そんな彼らがオタクと罵倒されるようになった転機、それは、大聖母ノウィンに子守りを言い渡されたから。

 笑いも泣きもしない平均的に無感情の少女にどう接すればいいか悩んだ結果、普通の子供が楽しむ娯楽を体験してみることにし……、ドハマりしたのである。



「ふざけんな、俺様がモブキャラだとォ……」

「ふ。文句があるなら汚名返上をする機会をあげる。《魔神の黒縄獄(デモンセカンド)!》」



 接触した対象物を『解析』し、動きを相殺する『負荷』を与えて『統率』し、『結束』の鎖で『固定』する。

 そんな効果を持たせた魔王の脊椎尾での横払いがアストロズに直撃。

 そして、受け身すら取れずに吹き飛ばされたアストロズは、瞬きの間にバランス感覚を取り戻し華麗に着地する。



「随分と扱いが上手くなったじゃねぇか、リリンサ」

「お喋りはあと。この皇種達は舐めて良い相手じゃない」



 この場には、10名の超越者級の実力者が集結している。

 リリンサ、セフィナ、アストロズ、ゴモラ、ベアトリクス。

 チィーランピン、暗号熊エニグマー、そして、素早く身を隠して様子を伺っている皇種が3体。



「ボディフェチ、あなたはここで何をしていた?」

「エアリフェードの馬鹿が結界を張り替えるっつーんで、皇種が出て来ねぇように見張ってた」


「……。いっぱい居るけど?」

「知らね。さっきまでは、そこの麒麟だけだったんだがな」



 晦瞑刻限(ツクヨミ)夜叉月見尊(ヤシャツキノミコト)での監視には引っ掛からなかった。

 アストロズはそう呟きながらリリンサにも魔法を同期し、効果を体験させる。

 そうして情報共有を済ませたリリンサは、平均的な表情で思考を終えた。



「そこのクマのせいっぽい。そうだよね?ベアトリクス」

「ダゾ。アイツの名前は暗号熊エニグマー、『原初の言葉(スタートスペル)』っていう魔法を持って生まれた、めんどくせー奴だゾ」



 リリンサは、ソドムの真理究明の悪食=イーターを持っている。

 その性能はゴモラが人間用に調整した万物創造の悪食=イーターと統合しており、知りたいと願った情報が解説付きで手に入る便利辞書のような状態となっている。



「ゴモラ、セフィナ、役割を分けたい」

「うん、私、頑張るよ!!」



 アップルルーンの操縦席にいるセフィナとゴモラに向かい、思念を飛ばす。

 タヌキどころか、猫の手も借りたいような状況、だが、セフィナの安全が何よりも最優先だ。



「セフィナとゴモラには、これ以上結界から皇種が出てこない様にして欲しい。できる?」

「えっと、えっと、どうすればいいのかな!?教えてゴモラ!!」



 リリンサの悪食=イーターから引き出せる情報は、彼女自身が知っているものだけ。

 その基本設定は変わっていないが、そこにソドムの真理究明の悪食=イーターが加わったことで、より詳細な解説と最適解が手に入るようになっている。

 そして、神域浸食・ルインズワイズを知っているリリンサは、その効果を使った戦略を求めることが出来る。



「んー、じゃ、ルインズワイズとアップルルーンを貸してあげる」

「えっ!?」


「やり方は悪食=イーターを参照、ってことで、ゴモラはあっちを処理する。面倒ごとは面倒になる前に叩くに限る」

「えぇ!?」


「とぉー」



 アップルルーンのコクピットハッチ開け、ゴモラが飛び降りた。

 空中でくるりと一回転し、体勢を立て直すと同時、その姿は人間の少女のものとなる。



「ゴモラ、セフィナに運転を任せて大丈夫?」

「この間の宝探しの時、ゴモラのサポートなしで運転させたら出来た。問題なし」


「……想定外の使い方をすると思う」

「いや、流石にそれは……、あ。」



 ゴモラが見上げた空で、アップルルーンが光った。

 そして、打ち上げ花火のように真っすぐ上昇していく光景を見たゴモラは、ひっそりと分身をコクピットに送り込む。



「ゴモラ、これは無色の悪意が関与している戦い。なのに手伝ってくれるの?」

「それとこれは別問題。砂を引っ掻けられて黙っているほど、ゴモラは温厚じゃない。ソドムだったらキレ散らかしているところ」


「くすっ、分かった。あっちの逃げそうな皇種を任せたい」

「おーけー。ああいう隠れている奴をブチ転がすの得意だし。……おい、そこの豹、犬、虎のキャラ被りセット。まとめて相手してやるからあっちに行くぞ」



 ゴモラが着ているのは、最高権威を持つ神官が身に纏うような、荘厳な魔導ローブ。

 事実、それは最高位神官――。大聖母が着る服。

 ゴモラの主であったシアン・リンサベルから受け継がれてきた、神性を持つ防具だ。



「ベアトリクス、そこのクマは任せる」

「当たり前だゾ。こいつの処理は皇であるオイラの役目。マジ、ギルティーなんだゾ!!」



 リリンサの指示に従い、それぞれに4つの役割が割り振られた。

 ・アストロズとシーラインが行っていた牽制をセフィナ。

 ・すでに侵入した皇種の対処をゴモラ。

 ・因縁の相手である暗号熊の処理をベアトリクス。

 そして自分の相手は……、レベル999999(ミリオン)の皇、チィーランピン。



「待っててくれてありがと。それとも、つまらない奇襲をしない様に命令されてる?」

「……なんのことだ?」


「金鳳花の目的は面白い物語であり、勝利そのものではない。たとえ奇襲があなた達を有利にするのであったとしても、神も金鳳花もそれを望まない。違う?」



 カーラレスとノワル達の最終決戦に奇襲を仕掛けた不可思議竜は、神より厳罰を処された。

 その事実は他種族にも広まっており、チィーランピンもそれを重く受け止めている。



「奇襲など弱者がする行いだ。このチィーランピンには関係ない」

「そう?」


「少なくとも、お前相手には必要ないとも」

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