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Report.005:友人

 裕理亜は自室で化粧ポーチから手鏡を取り出すと、自分の顔――というよりは耳を映しだした。その両耳の根本にはピアス穴が穿たれており、そこから大粒の宝石がぶら下がっている。

「うん、綺麗だな……」

 親指ほどある宝石は、裕理亜の瞳と同じ澄んだ水色で、施された複雑なカッティングは、車窓からの陽光を受け、眩いほどの輝きを放っていた。

 裕理亜だってお洒落をしたくないわけではない。自らを着飾ることも否定的ではないため、その点においても、このアクセサリーは満足に足るものだ。

「……さて、見た目に満足していてはいけないんだったな」

 一通りその様を鑑賞した裕理亜は、手鏡を化粧ポーチへ仕舞うと、軽く息を吐いた。


     ※


 これは、裕理亜が恵良と出会った後、そのまま暫く世間話をしていた時のことである。

「な、ジブン。ちょっと耳、貸してくれへん?」

 恵良はそう言って、いきなり裕理亜の穂長耳の端を摘んだ。

「ひゃぅ! な、何するの! いきなり!」

 くすぐったいような感触を受け、思わず裕理亜は素っ頓狂な声を上げた。肩を引きこませて恵良の手をはね退ける。エルフの耳は、手のひらや足の裏と同様に神経の塊なので、敏感に感じることが多いのだ。

「あ、すまんすまん。触り慣れてへんかったか。裕理亜って、結構敏感なんやなぁ」

 恵良は悪びれた風もなく、ニコニコと笑いながら、そう言った。

 悪気がないのはよく分かるので、裕理亜自身それほど悪い気はしないが、耳を触られるのはくすぐったいし、何よりエルフとしてのアイデンティティーに係る。触るのなら予め言って欲しかった。

 裕理亜が感じたところだと、灰山恵良という人物は気さくで明るく、かと言って初対面の印象ほど図々しくもなく、当たりも柔らかな印象を受けた。

 裕理亜自身、自分のことを「白森さん」と呼ばれることに違和感があったため、「裕理亜って読んでいいよ」と言ったところ、恵良からも「なら、ウチのことも恵良って読んでな!」と返され、以後、その様に呼び合うことにしたのだ。

 そんなやり取りもあったため、その後、急速に友達同士のような話し方になっていったのだ。

「ま、ちょっと声を落として話そか、って話や」

 恵良はそう言って、裕理亜の耳元にそっと唇を近づけた。

「ホントの事、教えてな? ジブン………………法に触れること、してへん?」

 裕理亜は心臓が跳ね上がるくらい、ドキッとした。「なんで知ってるの!?」と、思わず口から出てしまいそうだったくらいだ。

「……ど、どうして、そういう事、聞くのかな……?」

 後から思うと、自白していそうなくらい動揺した口調で、そう言い返した。

「…………」

 恵良は顔を離すと、じっくりと裕理亜の様子を観察し始めた。

「禁呪に触れたらアカンって事は、勿論知ってるな?」

 裕理亜は、今までひた隠しにしてきた、そして見つかるはずもないだろうことを、言い当てられ、二の句が継げない。

「………………な、なんのこと、かなぁ……」

 絞りだすように出した言葉に対し、恵良は大きなため息を付いた。

「したんやな……やっぱあの時感じたンは、裕理亜の仕業、っちゅーわけや……なんや可怪しい、って感じたんやけどなー……」

 考えこむように呟くと、恵良はそう言った。

「精神力が吸い寄せられる気がしたから、どこぞの誰かが禁呪でも使うたんかな、とは思たんやけど、そんなん使えるゆうたら、裕理亜くらいしかおらへんしな……うん」

 恵良は両腕を組むと、背を椅子に預けるようにして、身体を後ろへ倒した。

 ――ん……?

 裕理亜は先程から動揺していたので気づかなかったのだが、ふと恵良の発言を思い返すと、どうにも引っかかったことが出てきた。

 それは、裕理亜の違法行為を問いただそうというよりは、ただ確認をしているかのような言い回しである、ということだった。

「あの……恵良? なんで私がそういう事をしているって、思ったの?」

 だから、多少は湾曲した方向から訪ねてみる。

「ん? ああ、これはウチの憶測やったんやけどな。なんか「魂が引っ張られてく」って感じがして。せやから、「あぁ、誰かサンが他者の精神力奪う違法行為をしとるな」って思って。でも、これって割と難しい技術やから、そんな辺に明るい人やないと出来ひんしなー、って。そしてら、ジブンがおったさかい、「あぁこりゃ間違いないな」と」

 恵良は、裕理亜が思っていた以上に、つらつらと淡々と語ってくれた。

 言い方は冗長ぎみだが、要約すると「違法な魔気の流れを感じたから魔学に詳しい裕理亜にカマをかけてみた」ということだ。勿論、裕理亜が持っているスマホが魔池駆動式のものだったことも、判断材料のひとつになっただろう。大した判断力だ。

 感心はしたものの、後ろめたさも相まって、裕理亜は押し黙ってしまった。

「ん? あぁ、ちゃうねん。別に「警察に突き出したろ」とか思てるわけちゃうんよ。でもジブン、なんでそんなことするんかなぁ、って」

 恵良は紅い瞳をくりっと開くと、顔の前で手を降った。

「自分で使う魔力くらい、自分の精神力から調達すればええやん、って。ウチだってそういう事やろうと思たら出来んことないけど、違法やからせえへんし。だって、ジブン百十八歳やろ? それくらい生きてれば……」

「ちょ、ちょっと待って!」

 裕理亜は、聞き間違いがあったのかと、突然我に返った。

「今、私の歳、何歳って言った?」

「ん? せやから百十八歳やろ? 合格発表のページにそう書いてあった……」

「書いてないよ! 私は十八歳! じゅうはっさい!! 百じゃないって!」

 突然の年齢詐称の話に、先程の後ろめたさはどこへやら。裕理亜は猛然と抗議した。

 裕理亜とて、年齢に百歳もサバを読むつもりはない。エルフなので、多少は歳をとっていてもそれは引け目にならないが、流石に自分の親ほどの年齢を言われると、少々腹が立ってしまう。

 そんな裕理亜の声色に、恵良がビックリした様子で目を大きく開いた。

「ええーっ!! 百十八歳でも「若いなー」って思ってたのに……うーん、別段、嘘つくこととちゃうしなぁ……ホンマに十八歳なんやなぁ……道理で童顔やと思ったわ……」

 言って、腕を組んで考えこんでしまう。

 その状態で、絞るように声を出した。

「まぁ、そうならしゃーないんかなー……十八歳やったら精神力の訓練もあんまり出来てへんやろうし……」

 再び、頭をひねるような姿勢をとる。

 彼女の言だと、ヒトは魔法に不向きなのだそうだ。曰く「ヒトは若くで死んでしまう」からだ。

 精神力も肉体と同じように、鍛えれば鍛えるだけ力が増す。我慢強いとか、その類の精神論の話ではなく、魔学的に言えば、純粋に「魔力に変換できる精神力が多くなる」という意味だ。

 そのため、他種族より早く寿命を迎えるヒトにとって、それだけ精神力を鍛える絶対的な時間が少なく、勢い過去の体系と方程式の再現だけで成り立つ科学の方が扱い易くなる。

 近年はデジタルデバイスを用いた魔学が盛んに研究されており、ヒト社会の間でも魔学が再興してきてはいるが、それも最近の話である。

「でもな、いくら魔力が少ないからって、人様からくすねようとか、そういうんはアカンと思うよ。なんにせよ……って、なんやジブン、そんな暗い顔して?」

 恵良が一通り言い終わる前に、裕理亜の顔を覗き込んできている。声色自体も不安げな様子だ。

「へっ? い、いや……って私、そんな暗い顔してたかな……?」

「してたって。ほら、見てみ?」

 恵良は自分のスマホを取り出すと、内蔵のカメラをフロントに切り替えて、裕理亜へ画面を見せた。なるほど、そこには裕理亜の白い肌が、真っ青になって映しだされている。

 裕理亜には、そんな表情をしてしまっている原因に、二点、心あたりがある。ひとつは指摘された通り、法に抵触する行為を行っていたことに対する後ろめたさだが、もうひとつは、間接的に「突発性精神性魔力不変換症候群」について非難されているように感じた点だ。

 勿論、恵良はそのことを知らないはずで、その様な気持ちがあるはずは無い。だが、裕理亜自身、その症状に負い目を感じているため、どうしてもその様な考えに向かってしまうのは、仕方がないといえるだろう。

「……なんか、事情でもあるん?」

 雰囲気で察したのだろう、恵良は優しい声で、そう尋ねてくる。

「話してみ? ウチ、聞くで?」

 この人になら、愚痴くらい話しても良いのかもしれない。そう思った裕理亜は、軽く息を吸い込むと、ぼそぼそと話し始めた。

「えっと……恵良は、魔法に関する病気って、詳しいかな? 聞き慣れない病名だと思うけど、「突発性精神性魔力不変換症候群」って言ってさ……」

 すると、それを聞いた恵良は、さも当然のように頷いた。

「うん、それがどないしたん? ジブン、それに罹ってるとか?」

「そうみたい……なんだ……」

 弱々しい声色になる。確かに憶測で判断しているのだが、他人にこの事を言ったのが初めてなのだ。どのような態度をとられるか、内心ビクビクしているのが、声に出てしまっているのだろう。

「ふーん、そっか……どっかの病院で診てもろた?」

「まだ、なんだけど……」

 改めて言われると、自信が無くなってくる。専門家である医師の診察を受けたわけではないので、断言できない所が辛い。

 だが、そんな様子の裕理亜の言葉を、恵良は別段、不思議でもなんでもないように聞いている。

「ま、そうやな、分かりにくい病気やしな……なら、ちょっとだけ待ってな」

 恵良はそう言うと、脇においていたショルダーバッグから手帳とボールペンを取り出し、手帳の一ページを破り取った。そして、険しい顔をしながら、何やら複雑な紋様を描いていく。

 時折手を止め、顎に手を当てて唸りながら、描き続けること十五分。ひたすらペンを走らせた手帳の切れ端には、びっしりと幾何学模様が刻まれることとなった。

「ほな、ここにおでこを当てて」

 テーブルの真中にその紙片を置くと、指でトントンとそれを叩く。

 裕理亜には、何が描かれているのか、なんとなく分かっていた。体内を流れる魔力を計測する紋様のようだ。詳細な効力についてはしっかり分析しないと分からないのだが、それくらいは理解できる知識が、裕理亜にはある。

 きっと、これで体内の魔力の流れを測って、簡易的な診断をしようということだろう。

「こう、かな……」

 裕理亜は、お辞儀をするような姿勢でテーブルに突っ伏し、紙片に額をつけた。丁度天井を向く形になった後頭部に、恵良の手が添えられる。

「……………………」

 恵良は目を閉じると、何やらブツブツと小さな声で言葉を発し始めた。

 魔法というものは、体内の精神力を魔力に変換して現実世界に持ち出し、様々な物理現象を引き起こすものの総称である。そのため、その扱いには非常に高度な精神力が求められる。精神力で魔力をコントロールするので、魔法の発現方法は、術者のイメージトレーニングによる所が大きい。

 教本などで紋様や呪文といった類のガジェットが登場することが多いのだが、それらも術者のイメージを補完する目的であるため、最終的にはそれらは術者の数だけ存在することになる。

 なので、恵良のブツブツ言っている言葉も、裕理亜にはよく意味が理解できない。だが、ちゃんと魔法が発現できていれば、それで問題は無いのだ。

「…………うん、やっぱり魔力の流れが変やな」

 数分が経過し、恵良が薄っすらと目を開けると、ぼそっとそう言った。やはり、魔力の流れを見ていたようだ。

「ウチは医者ちゃうから断言できないんやけど、多分、裕理亜が言った「突発性精神性魔力不変換症候群」の疑いは濃厚やと思う」

「……よく分かったね」

 姿勢を元に戻しながら、そう言った。

 裕理亜は素直に感心した。普通、聞いたことのない病気を瞬時に理解することは、なかなか難しいことだと思ったからだ。

 しかし、そんな裕理亜の言葉に、恵良はサラッと答えた。

「ウチのオカンが研究してた病気やしな。オカン、医者で研究者やったん」

「やったん……? 過去形?」

 ふと不思議に思い、そう聞いてみる。

「まあ、もう死んでしもたしな」

 恵良は、サラッとそう答えた。

 裕理亜はその言葉を理解することに、一瞬だけ遅れてしまった。後から考えれば過去形が出てきた時点で察して、それには触れないように話をするものなのだが、そこは人生経験の浅さ、と言うべきか。

「あ、ゴメン……えっと、その」

「それは、まあ昔の話やからええねん。それより、不便やろ? 魔法が使えんと?」

 裕理亜の感傷を全く余所に置いて、恵良は言葉を続ける。

「なあ、ジブン。ピアス穴、開けるつもりあらへん?」

 唐突にそう聞いてきた。

「もし、開けてもええ、言うんやったら、これ、あげる。訓練したら、簡単な魔法くらい使えるようになるよ?」

 恵良はそう言いながら、自分の両耳にぶら下がっている親指ほどの大きさの水色の宝石を、ツンツンと指でつついた。

「これ、結構強い魔池の性質を持ってる宝石なんやけど、なんかあった時の為にって、いっつも満タンになるまで充魔してるんよ。アクセサリーとしても綺麗やと思うし、裕理亜にも絶対に似合うと思うけど……どう?」

 ニコリと微笑んで、恵良はそう言う。

 裕理亜は宝石にはあまり詳しくはないのだが、この大きさともなると、結構値が張るものなのではないのだろうか。それに、いくら魔地としての性能が高いとはいえ、身につけると魔法が使える、というのも、自分の知識の範疇ではよく分からない。

 裕理亜が返答に窮していると、恵良はその心を覚ったのか、その意味の解説を始める。

「ピアスっていうんは、アクセサリーを身体の一部にしてしまう性質があるねん。せやから、身体に魔力が無くても、ピアスに充魔されてる魔力を引っ張りだすことで、魔法が使えるようになる。簡単に言うと、そんな感じやな」

 言いながら、自分のピアスを外し、手のひらの上に乗せる。

「これ着けてたら、魔力が尽きないかぎり、自由に魔法が使えるようになるよ」

 裕理亜にしてみれば、それは夢の様な話だ。今まで散々魔学を勉強してきて、実際に魔法が使えない体質であることが分かって、そして愕然として。そんな絶望をこんな方法で解決できるとは、夢にも思っていなかった。

 しかし、流石に良心の呵責にあい、返答に窮する。

「そんな、これ、高いんだよね……受け取れないよ。それに」

「値段のことはええねん。気にせんといて。お近づきの印、っつーやつや。ウチもな、まさかオカンが研究していた病気の患者と出くわすなんて、思ってへんかったし。力になれたら、ウチはそれでええねん」

 恵良は、裕理亜の声を遮るように、そう言った。

「まあ、ウチのお古やけど、受け取ってくれへんかな?」

 そこまで言われると、無下に断ることも出来ない。

 裕理亜は少し考えた。別段、ピアスに抵抗があるわけではない。実家では父も母も親戚も近所の皆も、全員ピアスをしていたので、自分もいつかはするのだろうと思っていた。

 エルフにとって、耳は自らを飾るのに重要なパーツのひとつだ。ヒトと違って、エルフの耳はよく目立つ。お洒落をするのに持って来いなのだ。

「分かった……でも、そんな高価なもの、貰えないよ。借りておく、でいいかな……?」

 裕理亜はそう決断をした。自分ももう十八歳だ。両親には言いそびれる結果になるだろうが、ピアスくらいはいいだろう。それに、貰うわけではないと、自分に言い聞かせることで、納得できるかもしれない。

「そやな、うん分かった! じゃあ、貸しておくわ。ウチが近くにいる時は、常に充魔しておくさかい、安心してな!」

 恵良はニコリと微笑み、そう言った。

 よく微笑む人だな、と裕理亜は思った。だが、その笑みが全く嫌味ではない。むしろ好印象を人に与える。恐らく、生来のものなのだろう。

「じゃあ、穴、開けるよ。どの辺がええ?」

 その表情のまま、恵良は裕理亜の耳に手を伸ばしてきた。

「えっ? 今、ここで開けるの? どうやって?」

 裕理亜はびっくりして身構えた。だが、そんなことはお構いなしにと、恵良は裕理亜の耳たぶを触る。

「そんなもん、ウチの魔法でちょいっとすれば、簡単なことや。痛くもないし……あ、チクッとだけはするかな」

「どっちなの!? 痛いの?」

 最早、この場でピアス穴を開ける流れは防ぎようがないと、裕理亜は判断した。だが、裕理亜は、てっきりピアス穴は針か何かで物理的に開けるものだと思っていたため、恵良の魔法で開けるという案は、想定外だった。

「注射よりは痛くないよ。……うん、この辺にする?」

 恵良の指が、耳の付け根のあたりの耳たぶを揉みしだく。

 裕理亜は、声を出す代わりに、軽く頷いた。

「よし、じゃあこの辺に開けるよ……ここをこうして、っと……」

 つままれた耳たぶが、チクリと痛みをあげる。

「……ん、終了。綺麗に開いたわ。じゃあ、この宝石、つけるよ……」

 裕理亜が感傷に浸っている間もなく、そこへ宝石がぶら下げられた。恵良が手を離した瞬間、少し耳が引っ張られるような感じがする。それだけ宝石が重いのだろう。

「ん、よう似合っとる! ほら、ジブンもそう思わへん?」

 恵良は、再び自分のスマホの画面を鏡代わりに、裕理亜に見せた。そこには、先程と同じように裕理亜の顔が写っている。しかし、そこには以前とは違う、耳元に煌めく宝石がプラスされていた。

「うん……綺麗、かな……」

 裕理亜は素直にそう感じた。今までは、お洒落にはあまり興味がなかったし、何より村の中では見せる相手も限られてくる。着飾ることにはそれほど気にしていなかったのだが、他者である恵良にそう言われると、悪い気はしない。

「よしっ! それじゃあ、その宝石はたった今から、ジブンの身体の一部って意識してな! 魔力を取り出す方法はこれから教えたるさかいな。なに、この列車が帝都に着くまで、あと十日。それだけあれば、ジブンやったら絶対に身につけられる! 安心し!」

 ポンポンと肩を叩きながら、恵良はここでもニコリと微笑む。その表情に心が和むのは、自らとの相性なのだろうか。

「分かった。頑張って覚えるよ」

 裕理亜も負けじと微笑み返した。

 これから十日。地獄の特訓が始まることは、その後になってから知ることとなるのである。


取り敢えず、列車の中でのお話は、これで終了です! 次話は再びちょっと政治的な話になる予定ですが、そんな小難しい話にはしないつもりですので、どうぞお付き合い下さいませ!

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