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古に曰く
古に曰く――冠を持つ王の横に国守りは在り、その周りで民が土を踏み踊り、国の名を謳う。これぞ国の興り。いずれを欠いても国は成らず。
古に曰く――王は神が選び、国守りは神に誓う。民はそれらの許集う者。これらすべて運命を共にするもの。
古に曰く――地の為に海を超えてはならぬ。地の為に空を渡ってはならぬ。流される血は波と風により返り大地を穢すだろう。
古に曰く――大地に抱かれ、他の国の眼差しすべてを受ける央国は、神の口づけを受け止めし地。その陸の色を映し、輝きに満ちる。
古に曰く――……
――海続きの伝承・四大陸共通伝承