走る少年と猫
吟遊詩人の旅
昔とある遠い東の国には200年の平和が続いた国があったそうだ。
それはとても凄い事らしくて、その後の時代に出来た国は100年と続かなかったそうなんだって。
まぁでも仕方がないと思うんだよ。200年続いた国を滅ぼしたのは人間だけど、今の世界を滅ぼしたのは地球の外から来た者なんだから.....
少年「おい猫もっと速く走れ‼︎」
少年は必死に走りながら自分より後ろの動物に声をかける
猫 「馬鹿言うにゃ!これが精一杯にゃ‼︎お前がスピードを遅くしたらいいにゃ‼︎‼︎」
一方猫は今にも死にそうなくらいゼーハーゼーハーしながら走る。
そしてもう一体彼らの後ろを追いかける影がいる
少年「何言ってんだよ!遅くしたら俺も食われるだろうが‼︎ 食べられるならお前だけにしろ‼︎」
猫「ふざけるにゃ! お前それでも一緒に旅をして来た仲間に言う言葉かにゃ⁉︎」
少年「お前に会えて本当に良かったぜ。だから潔く死ね‼︎」
猫「にゃーーーーー‼︎‼︎」
カチンときた猫さんは火事場の馬鹿力で見事に少年を追い抜くことに成功しました。
影「オオォォォォオオン‼︎」
後ろから追いかけて来た影も負けずと2人に追いついてきます。もう2人は目の前です。頑張れ‼︎
少年「ぎいいいややゃゃゃゃゃああぁ‼︎ もうこんなとこまで来てんのかよおぉ‼︎⁉︎」
少年は怪物が目の前、むしろ目の後ろまで追いついてきて涙目です。
ついでに今年で24歳になります。
情けないですね笑
猫「お前との旅は楽しかったにゃ。楽に死ぬにゃ。」
猫さんはニヤリと笑いながら言うと追い抜いたことによる余裕に浸っていました。
しかし少年は聞き逃していませんでした‼︎
少年「猫の分際でぇ‼︎後で覚えておけよ‼︎ あーもう!鬱陶しい‼︎」
少年は砂埃を立てながら脚でブレーキをかけ振り向き、そして腰に着けてある黒い皮のホルスターに右手を左手を右腕に着けてるナイフ入れに。そしてそれらについている武器を手に取りました。
少年の右手にあるのはうっすら鈍く光る黒い銃、左手にあるのは光を飲み込むような黒い短剣。
怪物「ヒイイィィンオオォォォォオオン‼︎」
まるで天使のように美しい外見の怪物だけどよくみると身体の皮膚のようなものはドロドロに溶けてるように見える。顔はとても優しそうに笑っている様で怒り泣いているように又はただ残酷に楽しんでいるような笑顔をしている。
身体の背中から翼のような光の粒子があふれている。
それが現れた時は人類は初めて天使を見たと思ったでしょう。その後に起きたあまりにも残酷で無慈悲な殺戮など想像せず。
少年の瞳はルビーのように紅い輝きをみせる。
少年の数メートル先に美しき怪物が来た瞬間!
ドゥゥンンン‼︎ 怪物が瞬間移動をしてきました‼︎
怪物「んふ 。んふ 。んふ。バキッバキバキ」
怪物は顔の半分までを大きく広げた口で何かを食べています。自分が追いかけて捕った獲物を食べてれて喜んでいるみたいです。
だけどそれがただのアスファルトだと気付いた時にはもう遅かったのでした。
怪物の上を何か飛んでいました。紅い瞳をそっと開き、右手の銃をもう一度握りしめ、左手のナイフを構え直します。
少年は空中で態勢を立て直し、怪物の頭に向けナイフを構え、そして宙を思いっきり蹴ります!
まるで一つの弾丸の様に真っ直ぐそして高速に美しき怪物の頭部に突っ込んでいきます。
少年「オラアアアァ‼︎‼︎」まるでヤクザごとくヤンキーの如くナイフを頭部に叩きつける!ナイフから伝わる柔らかい感触にただ腕の力込める、そうすれば怪物の頭を引き裂けるのだ。
怪物「キャアアアア」
頭部が無惨に裂かれた怪物は叫ぶ。だがこの程度では死ぬことはない。怪物は今度こそ獲物をハッキリ睨み捉えそして両腕で掴もうと腕を振るう‼︎
紅い閃光が走る。ただ一筋に直線が走る。それは殺意の光だ。怪物の手は少年を掴むどころが自分の手すらも合わさることがなかった。怪物に知能があるのか分からない。それでも自分の腕がなくなった事くらいは分かるだろう。
そしてその後の結果も。
少年はナイフで無防備になった怪物の喉から腹部にかけて一瞬で切り裂く、あまりの速さに衝撃波くらいに一瞬に。
怪物「キャアアアア‼︎‼︎」
怪物は逃げようとするがいつの間にか脚が無くなっていて逃げることができなかった。
怪物の胸にはまるで宝石の様に輝く結晶が埋まっていた。これは核と呼ばれるもので、この先会う怪物達の共通の弱点である。
少年は核に銃口ピッタリと着けると銃の安全装置をアからサンに変える。
バババンッ‼︎
七色に光る核に3つの穴を開け、徐々に怪物の体が崩壊を始める。
怪物「キャアアアァ、オオォン.,.」
怪物は最後の悲鳴をあげる
怪物「・・・・あは、あははははは! やだ死にたくない!助けてよママ‼︎ くそ!こんなとこまで来て死ねるかよ‼︎ あーー脚が私の脚が‼︎ パパーママ‼︎早く逃げて‼︎‼︎私のことはいいから早く行って‼︎ お母ぁ」
バン‼︎銃口から煙がただ無慈悲に流れる。
崩壊し終えた怪物からはグツグツという音しか聞こえなかった。
少年「ふぅー、やっとおわったぁ。
しかしあの猫の奴め本当に置いて行きやがった。後で会ったら覚えてろよ!」
そう言うと少年は銃とナイフをホルスターとナイフ入れに直して、身体に付いた埃を払いました。少年は地図を広げ
少年「あともう少しここを歩けば着けるか!」
地図を直し歩き始めます!
少年の上には錆びて斜めに傾いた青い看板がありました。それには矢印が書いています。
『この先真っ直ぐ10㎞ 東京』
これは世界の終わりを冒険する物語