見つからないように
息をころして
うずくまって
見つからないように
草や土、空になって
姿をくらましたくて
見つからないように
ひとりまたひとり
見つかって連れていかれて
声が遠くなっていく
鳥が悠々と空を舞う
雲はのんびり散っていく
あちらにはやさしい時間が
流れている
このままかくれていたら
誰にも見つからずに
済むだろうか
私がここにいることなど
誰も知らない
私を探すこともない
ゆっくり引き剥がされてゆく
この世界から
なんと素敵なことだろう
私はあの鳥だあの雲だ
あの空だ
目をつむり両手を広げて
微笑んだ