表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/14

護衛初日

 翌日。

 ドアをノックされる音で目を覚ました。


「…ふわぁー……」


 コンコン

 

「……どうぞ」


 カチャ

 入ってきたのはバーダッツだった。


「……まだ寝ていたのか?」


 パジャマ姿でベッドの上に座ってる俺を見てバーダッツが言ってきた。


「……そうだけどさ、普通まだ寝ている時間じゃね?」


 時計を見てみると午前三時だった。

 俺が昨日寝たのは午後十一時。普段よりは早く寝たが四時間しか寝てない。昨日は王宮に行くということで早起きしていたので尚更眠い。


「確かにそうだが、お前には姫が起きる前にやってもらいたいことがある」


 やってもらいたいこと?


「なんだ?」

「これだ」


 バーダッツが渡してきたものは分厚い書類の束だった。


「なにこれ?」

「姫の護衛をするために必要なものだ」

「なんで?」


 護衛(これ)って多分国王の個人的な依頼だよな?

 だって姫の護衛のためなのに軍を動かせないってことはそういうことだろう?


「国王が決めたこととはいえ、国の重臣達の中にはこういうことにうるさい奴もいるからな」


 そういうことね。


「わかった。姫が起きる前に終らせるよ」

「頼む。俺も少しは手伝おう」

「ありがと」


 えーとなになに?俺は超人としてでは無く、リアナの眷族吸血鬼として護衛するみたいだ。確か両国の間に《超人は軍に入れない》という暗黙の了解があるから、そのせいか?

 その後も書類とにらめっこしていった。






 三時間後

「ふー、終わった」


 時計を見てみると午前六時。リアナは大体七時に起きるみたいだから、なんとか間に合った。


「では、俺はこれを提出してくる」

「あぁ、助かったよバーダッツ」


 バーダッツは部屋を出て行った。

 あれ?戻ってきた。


「そうそう、姫が起きる前に準備を整えておけよ」


 そう言って、また行った。






 三十分後

 準備を整えた(着替えただけ)俺は謁見の間にいた。

 国王に呼び出されたのだ。


「ラスティよ」

「はい」

「今日からお前に娘の護衛をさせる」

「はい」

「ただし、護衛をするにあたって一つ注意事項がある」

「なんでしょう?」

「絶対に超人だとバレるな」

「はい」

「この軍の者にもだ」

「……何故ですか?」


 暗黙の了解があるとはいえ、味方にはバレても良いんじゃないの?


「この軍の中には超人を敵視している奴もいるからな」


 そういうことね。


「わかりました」

「だから、リアナを守るためにどうしても必要なとき以外に、絶対“影”の力を使うなよ。良いな?」

「はい」

「では、今から武器庫に行きたまえ」


 武器庫に?


「“影”の力を使えないのなら何か得物が必要であろう?」

「なるほど、わかりました」

「武器庫までは誰かに案内させる。獲物が決まり次第、娘の護衛をしてくれ」

「はい」


 一礼して部屋を出ていこうとした俺を国王が呼び止めた。


「これを渡すのを忘れていた」

「なんです、これ?」

「身分証だよ、軍の者に身分を聞かれたらそれを見せれば良い」


 えーと、どんなことが書いてあるんだ?

 名前 ラスティ

 性別 男

 階級 少将

 髪色 青黒色

 瞳色 紅色


「俺、少将なの?」

「そうだ、バーダッツの上司となっている」


 バーダッツの上司か、……良かったのか?


「とりあえずそれを持っていろ、良いな?」

「はい」

「では、早く武器庫に行くといい」






「ここが武器庫です」

「ありがとうございます」

「では、私はここで失礼します」


 メイドさんに案内されて武器庫に着いた。

 武器庫に入ってみるといろいろな武器があった。


「短剣、長剣、細剣、大剣……」


 剣が立て掛けてあるところを過ぎると(十分くらいしたが)長物がある場所に着いた。

 その中で一つ俺の目に止まった。


「大鎌か……」


 大鎌。大体俺の身長位の大きさの物があった。

 ……どうしよ?大鎌は使ったことあるし、これにしようかな?

 だって俺【死神(デスサイズ)】だもん。

 【死神(デスサイズ)】と言えば大鎌でしょ?よし、これに決めた。

 俺の得物は大鎌になった。






 武器を決たのでリアナの部屋に向かった。

 その途中でバーダッツに会ったので武器を背負える物が無いか聞いたら、

 

「わかった。後で届けよう」

「ありがと」

「しかし、【死神(デスサイズ)】が大鎌というのは安直過ぎないか?」

「いいだろ別に」


 俺が大鎌を使うのはそんなに安直か?まぁ背負える物を後で届けてくれるならいいか。

 リアナの部屋つ着いたのでノックした。

 コンコン


「リアナ、起きてる?」

「あ、はい今開けます」


 カチャッ

 ドアが開いたので部屋に入らせてもらった。


「何を持っているのです?」


 リアナは俺が持っている物が気になるようだ。


大鎌(これ)は俺の得物だ」

「得物?でもラスティは得物必要無いのでは?」

「あぁそれはな―――」


 リアナに説明中。


「―――と言うことだ」

「それでですか。でもラスティに大鎌はピッタリだと思います」

「だろ?」

「はい」


 見たかバーダッツ。リアナも俺に大鎌はピッタリだって言ってるぞ。やはり俺が大鎌持つことは安直ではない!!

 ……そういえばこんな近くでリアナを見たのは初めてだな。

 今、俺とリアナはテーブルを挟んで座っている。

 近くで見ると結構可愛いな。

 昨日は俺も少し緊張してあんまり顔見てなかったからな。


「どうしたのです?」


 俺がずっと見ていたのが気になったらしいリアナが聞いてきた。


「可愛いなと思って見とれてた」

「っ!な、何を言っているのです!?」

「本音」

「~~~~っ!」


 顔真っ赤にして俯いちゃった。

 本当に可愛いと思うけど。銀髪に澄んだ青色の瞳。容姿だけじゃなく、苦手な男性である俺に慣れようと努力しているところとか。今も少し震えているけど、その震えもすぐに無くなるだろ。


「ところでリアナ、今日の予定は?」


 そろそろ仕事に入るか。


「今日は午前中は勉強で午後から外で剣の修行です」

「なるほど、わかった」


 こうして一日が始まった。

 午前中は勉強なので俺はリアナを見守るだけで、とても暇だった。

 そして午後になった。

 俺とリアナそそれぞれの獲物を持って、リアナに剣術を教えている人と共に首都から少し離れた場所にある森に来ていた。

 ちなみにバーダッツはまだ来ていないので俺は大鎌を持ったままだ。

 森に入って少し歩いたところで剣術の先生が止まった。



「では今日はここで、修行を始めたいと思います」

「はい、よろしくお願いします」

「今日は森での奇襲に対しての修行です。」


 だから森に来てるのね。


「ここにはすでに適役の人が隠れているので、殺られないように気を付けながら森を抜けてください

「わかりましたわ」

「では、私は適役をやりますので十分ほどでお二人も進んでください」


 そう言うと先生は走って行った。


「一緒に頑張りましょう」

「そうだな」


 リアナはやる気に満ちていた。

 俺も少しは楽しみだったりしていた。

 この森で俺の人生が変わることになることも知らずに。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ