プロローグ
そんなに早く連載出来ないけど楽しんで見ていってください
この世界には十種類の種族がいる。
まずは人間。
目立った特徴が無い普通の種族だ。故にこの世界では最も弱い種族だと言われている。
次に獣人。
他のどの種族よりも身体能力が高い生物。だが知能は低い。
魚人
海で生活しており、女性は人魚と呼ばれている。
吸血鬼
同種族だけではなく他の種族からも血を吸い、生きている。
妖精
体内にある魔力の量が他の種族よりも多いが、身体は弱い。
竜人
獣人の次に身体能力が高く、長生きである。
混血
数は少ないが両親の種族の能力を引き継いでいるため高い能力を持っている。
この七種族は現在共生し他の二種族と戦っている。
その二種族とは、こいつらだ。
魔物
理性を待たず、本能のままに生きている。だが、たまに理性を持っている物もいるため種族として数えられている。
悪魔
妖精の次に魔力が高く、魔物達を従えて他の種族を潰そうとしている。なぜ潰そうとしているのか分からないが実際に七種族に攻撃を仕掛けてるから、そうとしか考えられない。
そして悪魔にはもう一つ能力がある。
それは眷族化。
眷族化とは、他の種族の奴に自分の血を飲ませて眷族にするというもの。
イメージ的には吸血鬼の方がしっくりくるが実際にあるのだからしょうがない。
人間、獣人、魚人、吸血鬼、妖精、竜人、混血、の七種族と魔物、悪魔の二種族が大陸で戦いながら生きている。
そしてこの争いに参加していない種族が一つある。
それは超人
超人は生まれた時は普通だが、精神的に追い込まれるとその才を目覚めさせる。
超人は他のどの種族よりも強いが数は混血よりも少なく、超人として目覚めたらその時から超人として生きていくため、他の九種族の戦いに参加することはない。
現在いる超人は八人。
【炎竜】アルガ
【指揮者】ラジュヤ
【暗殺者】フォード
【重力】ヤイト
【氷女王】ソフィア
【神速】クロス
【天光】フレイ
そして最後に【死神】こと俺、ラスティだ。
俺は元々吸血鬼だったが、ある出来事をきっかけに超人に目覚めた。
その出来事はまた今度話すが、超人となった俺は共生している七種族の国ヴァンズランドから離れて旅を始めた。
そして旅を始めて三年。俺は今、悪魔の国デモンズパークの首都ロストドライブにいる。
「はぁー……この街に来て一年経つけどなかなか見つからねーなぁ………本当にこの街にいるのか?本当は居ないんじゃね?【重力】ヤイト」
そう。俺がこの街にいる理由は【重力】ヤイトを探すためである。
旅の途中で【重力】ヤイトがロストドライブにいる。という話を聴いて探しに来たのだ。
「おーい新人!!休憩はもう終わりだぞ!!早く仕事に戻れ!!」
「分かりましたよー。てか、もう一年も働いているんだから新人じゃねぇ!!」
はぁ面倒くせぇ……だが働かないと生活出来ないから働くしかないか……。
俺が働いているこの店よいわゆる何でも屋で、人探しや子守りなどいろいろな仕事がある。つーか人探しなんて軍の仕事だろ?なんで店に依頼がくるんだよ。
カランカラン
店に客が入って来た。
「いらっしゃいま……せ?」
あれ?客だよね?なんか軍人みたいだけど。この店なんか悪いことしたっけ?いろんな依頼受けてるから何が良くて何が悪いことなのか良く分からないが……。
軍人が受付の俺に近づいてきた。
「人探しを頼みたいのだか」
人探し?
「あの失礼ですが、あなたは軍人では?」
「あぁそうだ」
「何かの任務で?」
「そうだ」
「それは軍では出来ないのですか?」
「そうだ」
軍で出来ない人探し?なんかヤバそうだ。
「なぜ軍で出来ないのでしょう?」
「それは答えられん」
教えてもらえないか。まぁそうだろうな。
「分かりました。では探し人の特徴を教えてください」
「探しているのは超人だ」
………………………………………は?
「超人を?なぜ?」
「それも答えられん」
超人か……俺も超人だが他に七人いる。いったい誰だろ?
「八人のうちの誰ですか?」
「そうだな、出来れば女性である【指揮者】ラジュヤか【氷女王】ソフィア、【天光】フレイが望ましいが、超人であれば誰でもいい。」
女か……残念ながら知らないな。まぁ超人であれば誰でもいいらしいし、この依頼受けるか。
「分かりました。では依頼金はいくらですか?」
「五億コインだ」
五億!?そんな大金払ってまでなんで超人探すんだ?どうでもいいけど。
「では、契約書にサインを」
「おお!引き受けてくれるか!」
「はい」
「しかし超人等どうやって探すのだ?」
うーん……教えるべきか
「一人はどこにいるか知ってますし、もう一人の居場所は大体知ってます」
「なんと!?」
はは、驚いてる。そりゃそうか、世界に八人しかいない奴等の内二人の居場所知ってんだから。
「お前が知っている超人は誰だ?」
「居場所が確実に知っているのは【死神】、大体の居場所を知っているのは【重力】です」
「【死神】ラスティと【重力】ヤイトか……」
なんか悩んでる。
………………。
お、考えが纏まったみたいだ
「【死神】ラスティは明日にも会えるか?」
明日?急だな。
「会えますけど……依頼金はどうするんですか?」
「大丈夫だ。ちゃんと用意出来る。」
まぁ金が有るならいいか。
「分かりました。ではどこで会いましょうか?」
戦場とかだったら嫌だぞ。
「場所は王宮だ」
王宮?
「何故ですか?」
つい質問してしまった。いやだって気になるじゃん。超人って自国を出て好き勝手やってる奴等だよ?なんでそんな奴等を戦争目的以外に探して王宮に呼ぶんだよ?
「実は超人を探しているのは……国王なのです。」
なんで国王が?
翌日。
俺は王宮に向かった。
「おいお前!」
「はい?」
なんか門番に止められた。
「いったい何用で王宮に入ろうとする?」
あー、そーゆーこと。仕事熱心に。
「いや、ちょっと呼ばれたので」
「呼ばれた?いったい誰に?」
いや誰って……国王って言って信じてもらえるのか?
「その方は国王様の客人だ。お通ししろ」
突然別の誰かの声が聞こえた。どっかで聞いたことある声だけど。
「バーダッツ大佐!?この方が国王の客人なのですか?」
あぁ昨日店に来た奴か、大佐なんだ。
「そうだ。だから私がお迎えに来たのだ」
「なんと!?」
ん?なんか門番があわててこっちに頭下げたぞ?
「国王様の客人とは知らずにとんだ無礼を!申し訳ございません!!」
「いやいやいや気にしなくていいですよ」
こっちがいいって言ってんのにまだ頭下げてるよ。どうしよ?
「では行きましょう」
お、バーダッツが助け船出してくれた。ありがたい。
「分かりました」
俺の姿が見えなくなるまで門番は頭を下げていた。
デモンズパーク王宮・謁見の間
王が目の前に居て、この部屋にいる全員が王に頭を下げている。
「良い、頭を上げよ」
そう言うと王は俺に話し掛けた。
「お主が超人を連れてきたという者か?」
「はい」
王は俺の周りを見回した。
「………その超人は何処に居るのだ?」
その質問にその場に居る全員が頷いた。そんなに気になっているんだったら、そろそろネタバラシにするか。
「超人は俺です。俺の名はラスティ。【死神】ラスティです」
『な!?』
おーやっぱり全員ビックリしてる。
「お主が【死神】なのか?」
「そうです」
「…信じられん………」
信じられなくても本当なのだから仕方ない。
すると国王は名案を思い付いた顔をした。
「そうだお主、うちの軍の者と一戦交えてみよ。それで超人であるということ……“影”を使うという【死神】であることを証明してみよ」
えー戦うの?面倒くさー。
そんな俺の心の声が聞こえない国王は話を進める。
「そうだな相手は……バーダッツ。お前がやれ」
「承知しました」
「お主も良いな?」
やだなぁ………。
バーダッツがこっちを見てくる。返事をしろってことか。
「……分かりました」
こうして俺はバーダッツと戦うことになった。