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地味な女の子の勇者騒動  作者: 国見炯
生物捕獲(完)
18/27

生物捕獲後日編





「いっただきまーす」


 ちゃんと両手を合わせて。ぺこりと頭を下げる。

 けれど今居る場所は、生まれた時から慣れ親しんだ自宅ではなく、学校の寮の副委員長の部屋。

 副委員長の部屋は、そこまで物は置かれてない。けどシンプルにまとめられた部屋の色々な家具や小物は、見るだけでセンスは良いけど高いのがわかる。

 庶民な私からすれば、おこずかい何ヶ月分なんだろうなぁ、と恐ろしくなる金額だと思うね。


 そんな素敵な部屋にはベッドが二つ。一つは元々あった副委員長のベッドで、もう一つは先日購入された私用のベッドだったりする。

 布団をひいて転がるだけで良かったのに、何故か購入されてしまった。

 そんなにお金かけなくてもいいんだけどなぁ、と思ったけど、副委員長の笑みに押されたから仕方ない。

 副委員長は頼りになるけど、私の中じゃ逆らってはいけない人ランキング堂々の第一位だったりする。


「メイちゃんもいただきます」


『うむ。いただきます』


 ちなみに、先日友達になったメイちゃんは、私の近くにいなきゃ駄目らしく、こうして一緒に生活してる。

 食事は基本私と同じもの。

 寝床は私のベッドに置いてある籠の中。

 ふわんふわんのクッションに、ミニ龍サイズのこれまたふわんふわんの掛け布団。恐ろしく手触りの良いそれは、私の布団と同じ。

 ここに来て副委員長が色々と揃えてた時点で色々諦めた。

 値段がね……庶民には見るだけで恐ろしいものだったし。


「ふふ。遠慮しないで食べてくださいね」


 ただのいただきますのポーズを副委員長がすると、後光がさしてる気がするなぁ…。

 まぁ、いっか。

 とりあえず食べよう。


「美味しいーー」


 毎朝毎食全ての料理が美味しい!

 今日は作りたてのクロワッサンとベーコンエッグ。シーザーサラダにコンソメスープ。飲み物は紅茶と牛乳の二種類。

 はぐはぐと無言で食べ続けるんだけど、やっぱりお腹は満たされない。それでも、10人前ぐらい食べると、心持お腹いっぱいになった気がする。

 これで10時のお茶の時間まで持つかなって所。

 メイちゃんの宝玉の影響だから仕方ないし、元々食べる事が大好きだから寧ろ幸せな時間。

 副委員長が食後の紅茶を優雅に楽しんでいる横で、デザートのパイに手をつける。

 このサクサク食感がたまらなくいいよね!


「ふぅ。お腹も落ち着いたー」


「ふふ」


 お腹をぽこぽこと叩いていたら、副委員長から笑い声。流石副委員長。食べる姿も笑う姿も優雅だね。


「遼さん。ティータイムのお菓子はドーナッツで大丈夫ですか?」


 そして今日のおやつの確認。

 流石副委員長。抜かりはないよね。


「勿論大丈夫ー。ドーナッツ嬉しい!」


 高カロリーな揚げ物。

 勿論大好き!


「楽しみだなぁ」


「遼さんの好きな紅茶も煎れましょうね」


「うん!」






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