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クエスト83 [もう一度 光に]

 シュヴァリエは体当たりをし、カオスを俺から離し、それから拳で戦闘を始めた。

 カオスは手下とは違い、特殊能力などは使わずシュヴァリエと正面から殴り合った。


 「…混ざったのか?悪あがきをする為に?」

 「そうだ。だが、意味はあるだろう?自慢の手下を全滅させたのだから。」

 「問題無い。見たところ彼奴の力は戻っていない。手助けが無ければ手下にすら勝てない者に負ける事は決してない。」

 「そうか。」


 その直後、カオスの背後から短剣が飛んでくる。


 「?!」


 カオスはギリギリで気が付き避けた。


 「これ以上敵が居ないのだから出し惜しみをする必要はないだろう?」


 シュヴァリエは目覚めた直後、エネルギーを纏めて一つの結晶にし、亮に渡した。

 しかし、亮はエネルギーの響を掴めず、能力の復活には至らなかった。

 だから今のシュヴァリエの中にはいつもよりかなり多くのエネルギーがある。

 そして、これ以上敵が居ない事が分かっていたシュヴァリエはこの戦いに全てを賭けることを誓った。

 だが、力勝負では確実に負けてしまう。

 だから今も力を流し、力の正面からのぶつかり合いを完全に避けている。

 その為、大剣を再び生成したとしても、破壊されるか、最悪奪われてしまう。

 ならばどうするか。

 絡めて等の小細工で戦うのが正解である。


 そして生み出されたシュヴァリエ第三の武器。

 短剣の先端に短剣を繋げて使う『鎖』である。


 「さぁ、戦おう。文字通り、全身全霊をかけて。」


 カオスの攻撃時には体重移動が殆どない。

 シュヴァリエに攻撃が当たらなくなってから威力よりも次の攻撃へ繋げることを重要視するようになった。

 つまり、攻撃を捌くと同時に次の攻撃モーションの途中で鎖による動きの妨害を加える事で、ワンテンポ遅れが生じる。


 右拳を受け流し、同時に左肘を鎖で一瞬止める、すかさず一撃入れ、左拳のかわりに足技が来るので受け流す。


 だが、カオスもだんだんと動きに適応を始め、フェイントを入れたり此方の動きの先読みにより攻撃が入らなくなる。

 更に、シュヴァリエの鎧の受け流す部分や打撃部分が傷んできた。


 その戦いを遠くから見守っていることしかできなかった亮は悔しがっていた。

 今まで亮は無意識の内にシュヴァリエも自分より下と認識していた。

 相棒ではあったが、下だったのだ。

 だが今はどうだ。

 力をなくした自分はただ遠くから見守ることしかできない。

 殴ると誓った相手には瞬殺され、その拳を視界に捉えることすらできなかった。

 そして、『下』が今、全身全霊をかけて戦っている。


 その無力感は誰よりも強かった。

 もし、エネルギーの響を掴めたら。

 もし、力を封印されなかったら。

 もし、もっと前から準備をしていたら。


 過去の自分の選択に嫌気が差す。


 シュヴァリエはその間も戦い続けた。

 しかし、遂に小手が受け流しに耐えられず砕けた。

 それをトリガーに、攻防が崩れ、あっという間にシュヴァリエはビルを何棟か貫通してふっとばされ、鎧はボロボロになった。

 亮は直ぐに駆け寄った。


 「大丈夫か?!」

 「…ギリギリ大丈夫ですが、鎧がダメなのでもう戦闘は無理ですね。」

 「ッ…どうする…」


 すると、シュヴァリエは胸鎧を開き、コアを顕にした。


 「使ってください。」

 「駄目だ。いったん下がろう。次の作戦を練ろう。」

 「無理です。奇襲は一度しか通用しません。それに、あいつが逃がしてくれるとは到底思えません。」

 「じゃあ、どうすりゃ良いのさ!」

 「もう一度、試してください。」

 「散々試したじゃないか!無理だっただろ?!」


 その時、シュヴァリエは俺の頬を叩いた。

 これがシュヴァリエが仲間になってから初めて受けた指導だった。


 「やるんです。赤月 亮。

 私が駄目なら、貴方しか居ないんです。

 今までの時間を無駄にしない為にも。」


 そう言ってシュヴァリエは俺の手をコアに当てた。


 「貴方が力を欲した理由は?」

 「…大切な物を守りたかったから…」

 「貴方はもう一度、光に成れる。」


 その時、ビルの穴からカオスが現れた。


 「…長き争いだった。だが、これで終わる。

 こんな世界は俺が終わらせる。

 そして、俺が再び作り直す。」


 しかし、シュヴァリエの前には亮が立ちはだかった。


 「…そのコアを渡せ。」

 「断る。」

 「お前も神の遊びの被害者だろう?

 何故お前は味方をする?

 それを割れば全てが終わるというのに!

 約束しよう。今度はコイツらのようにしくじらない。俺が世界を作り直してやる。」

 「…断る。」

 「…そうか。」


 カオスからは大きな魔力が立ち上った。


 「ならば力尽くで奪い取ってやる。」


 一見すれば絶望的に状況。

 だが、亮は諦めて無かった。


 …なぁ、お前はカオスと似た存在なんだってな。

 なら聞こえてんだろ?

 ここが最後の砦だってよ。

 変だよな。この力を手にしたときはこんな事になるなんて思いもしなかったのに。


 「…俺をここに呼んだのは、お前なんだろ?

 なら、もう一回力貸せよ。

 俺が、必ず未来を変えてやるから。

 だから!今!俺に力を貸せ!

 未来を!切り開く力を!」


 亮は自分の胸の前にコアを持ってきた。

 今なら、分かる!

 思い出せ!あの時の思いを!


 そして、コアから眩い閃光が溢れたと同時にコアは左手の中で砕けた。

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