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クエスト82 [復活の騎士]

 世界は変わった。

 世界はたった一体のモンスターに怯えた。

 まるで王を迎えるかのようにモンスター達が暴れ、人間はそれを鎮圧しようと試みた。

 だが、鎮圧は間に合わなかった。

 危険度の高い奴らはあらかた片付いた。

 もう街にS級やA級、B級、C級が跋扈している魔境ではなくなった。

 だが、依然としてD級E級はのこっている。

 勿論、雑魚だ。だが、それはあくまでD級以上のハンターにとってだ。

 この世界の覚醒率は極めて低い。

 世界人口の約3%ほどしか居ない。その内、ハンターを生業とする人間が85%程。

 そして、その中でD級以上のハンターは80%程だ。

 この世界は、安全ではなかった。

 しかし、人々は再び立ち上がろうとしていた。

 人間が歴史の中で何度も立ち上がってきたように。

 しかし、それは無理だった。

 アメリカの空に一人の黒い人影が降った。

 その人物はただ佇んでいるだけだった。

 しかし、周りの者はまるで脳が揺れたかのようにその場に崩れ落ちた。

 異変に気が付いたハンター達はその異質なオーラの震源に急行する。

 だが、誰一人として攻撃は入らなかった。

 人々は昔から人がなし得ないことをする者を神と呼んだ。

 ハンターの力も初めは神と呼ばれた。

 だが、その“元神”でさえ足元にも及ばない。


 「随分やってくれてるな。」


 その時、アメリカ最大のギルド『インビジブル』のS級が集合した。

 前回殺されかけた三人を除いて。

 集まったS級の姿にはアランの姿もあった。


 「…俺は夢でも見てるのか?」

 「何言ってんだアラン。バッチリ現実だぜ。」

 「…彼奴とはあり合わない方が良い。」

 「どうした?!らしくないぜ?!日本のアレと戦った後も、『次こそは勝つ。』って励んでたじゃねえか!

 こっちは全員揃えてるんだぞ?何をビビってんだよ!」

 「お前たちは知らないだろう。彼奴は、日本のアレとは比べ物にならない…!」


 月とスッポン。アランの知る日本の言葉だ。

 ここまで納得した事は無いだろう。

 見掛けは間違いなくあっちの方が強いだろう。

 肩の筋肉のつき方や武器を持っていた点からそれは言える。

 だが、あの指一本がアイツの腕を越えると本能が叫んでいる。


 「見損なったぞアラン!おい!皆!行くぞ!俺等だけで彼奴を狩る!そして次のギルド長は俺だ!」

 「止せ!お前たち!」


 賛同した4人を含めたS級5人が突撃した。

 そして、三秒で死んだ。

 殴り殺された。

 全員の頭を裏拳で一撃。

 アランは悟った。自分の完全上位互換であると。

 身体強化系であり、亮が来るまで最強と謳われていた男だからこそ分かる。

 自分との圧倒的な『差』。

 弱いものは、目指す者との距離が分からず、努力を始める。

 だが、強い者ほど止まる。

 自信が強くなり距離が正確に分かれば分かるほど、その道程が弱い者が見るより圧倒的に長く見えるからである。


 「…」


 モンスターはアランの方向を見て静かにこう言った。


 「邪魔をするな。」


 そう言って黒い人影は空へと旅立った。


 次の瞬間、全身の筋肉が緩み、その場に崩れ落ちた。

 重苦しい魔力の重圧。

 人々が倒れた理由。

 あれはただ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()


 その映像は速報として5分後には世界中に拡散され、人々はそれを『絶望の象徴』として“神”とした。


 そして、約1週間に及び、ありとあらゆる所でそれは起きた。

 人間が到達していない未開の地、無人島、などを撮っていた衛星写真にそれは映り込んでいた。

 どの写真でも佇む写真のみが写された。



 そして、約1週間後、遂に黒い人影は日本の首都東京に戻ってきた。


 そして、それに相対するは一人の男だった。

 世界を探しても見つからなかった相手を唯一知っている存在が目の前にいる。


 「…聞こう。白神と黒神は何処だ。」

 「…ようやく戻ってきたか。待ちくたびれたぜ。」

 「答えろ。」

 「…答えはノーだ。」

 「そうか。ならば、まずはお前からだ。」


 そう言って拳が跳んできた時、男は腕を組んだまま動かなかった。

 地面の下を突き破り、何かが飛び出した。

 そいつの刃は黒き腕を切り落とした。


 「…下…?」


 其処には眠っていた筈の騎士が居た。

 今から二日前に眠りから覚めた騎士はコンクリートをぶち破って地下から飛び出したのだ。


 実はシュヴァリエ達には元々概念的に地下というものが無かったのだ。

 魔力探知は自分を中心に波紋状に広がる。

 そして上空にも広がる。

 だが、地下だけは広がらない。

 だから、あの時地下にいたシュヴァリエに魔力探知が引っかからなかったのだ。

 それを利用し、シュヴァリエとたてた奇襲作戦。

 亮が誘き出し、シュヴァリエが奇襲を仕掛ける。

 完璧なコンビネーションがカオスの腕を切り落とす。


 「さぁ、決戦と行こうか。」

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