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クエスト76 [理想をかけた戦い 其の参]

 2体を引き離すことに成功はしたが、再びセルジアの兄が襲いかかる。

 あの触手は、直撃は避けたとしても周りにも莫大な被害を出すため一刻も早く斬らないといけない。

 だが、嫌な予感がしてシュヴァリエの方に短剣を投げたのでシュヴァリエが返してくれるまで丈夫な武器がない。

 アイスソードでも良いかもしれないが、あの速度のものを相手するにしては強度が心もとない。

 …たが、うだうだしてると2体とも合流する。

 2体とも結構ダメージを与えたとはいえ、まだ二つ目の能力が判明していない。

 一刻も早く、触手は破壊するべきだ。


 「アイスカッター!」


 俺は氷を薄く円盤状に作り、回転をかけて投げつけた。触手には刺さったが、あまり傷は深くない。

 アイスソードなら大丈夫か?

 だとしても、あんな物を振り回されてたら近づけない。


 「天秤、範囲の拡大、威力アップ!『封鎖陣』!」


 レイス姉さんの弟さんも止めた封鎖陣を更に強化させる。

 根本だけでも止められれば鞭の威力は落ちる!


 鎖は腕や足などを締め付ける。

 しかし、触手の先端は自在に動かせるようで繊細な鞭さばきで鎖部分だけを破壊した。


 「はぁ〜?何だよそれ!」


 幸いな事は鞭は片手だけということ。あんなに器用な武器が2つもあったらかなり不味い。

 防御に徹させれば、まだ勝ち目はある。


 「アイスバレット・乱!」


 俺は絶え間なくアイスバレットをぶつけ、少し距離を取ることに成功した。

 しかし、このままだとじんひりだ。

 その時、セルジアの兄の後ろから真丸の妹が戦線に戻ってきた。


 「ちっ!もう戻ってきやがった!」


 右手は失っているが、種族特有の身体能力の高さはそのままだ。

 うまく左手を軸にし、爆発のエネルギーで強化した蹴りが飛んでくる。


 「グッ…!」


 セルジアの兄の触手に比べ、破壊力は数弾劣るが、破壊が無い分俺がふっ飛ばされる!


 俺の身体は後方の建物を多く貫通し、500m程飛ばされた。そして、アイスバレットの弾幕が維持できなくなった。


 着地したところの周辺には無数の斬撃痕と、死体があり、シュヴァリエの戦闘跡地だと直ぐに分かった。


 「良かった、あっちは勝ったか!」


 しかし、直ぐに向こうも追いつく。

 俺も足に爆散を付与し、天秤による身体強化も使って正面から蹴りをぶつけた。


 一点に集中したエネルギーは爆風と視界が完全に遮られるほど濃い土埃、更に俺の踏んでいた地面に大きな亀裂を生んだ。

 その時、真丸の妹の背後から触手が伸びる。

 その触手は土埃の向こうを攻撃した。

 しかし、その触手には手応えがなかった。


 「「?!」」


 その時、セルジアの兄と、真丸の妹のそれぞれの心臓に氷の剣が刺さる。

 二人は吐血し、一時的に体の力が抜ける。


 「何が起こった…ッ」

 「『隠密』さ。」


 初期は消費魔力の多さにより殆ど使えなかった。

 それもあって、今までカオスの分体の誰に対してもこの技は見せていない!

 俺の攻撃種類に新しいのが出てこなくなり始めた今だからこそ、油断を誘えた!


 「さぁ、これで終わりだ!」


 俺は再び『絶対零度』と、それを反転させた『絶対高温』を展開する。

 しかし、相反する性質を持つ二つの必殺技はお互いに反発し、2秒以内に完全に崩壊する。

 しかし、2秒有れば、この二人にとどめを刺せるだけのアイスバレットと、ファイヤーバレットは生成できる。


 俺の頭上数メートルには計100個程のアイスバレットと、ファイヤーバレットが埋め尽くされる。


 「これで、終わりだ!『穴熊』!」


 俺は自分の腕などは犠牲にし、その代わり頭と胴体だけは必ず守れるように穴熊を展開した。

 それと同時に全ての攻撃が致命傷の2人に振り注いだ。


 俺が穴熊を解いた時には、俺の半径10メートルには何も残らなかった。


 「よし、あと一人だ!」


 だが、その後一人を最初に第三の目を潰したあとから視認していない。

 俺は魔力を発し、探知しようとした。

 その時、ビルの足元からそいつは現れた。

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