クエスト72 [力の秘密]
「会長、赤月ハンター方が…」
「いやぁ。何度もすみませんね。」
「いえ。」
「それでは参りましょうか。」
俺、魚部ハンター、結月、彩の四人は会長の車に乗り、山の方のとある施設に向かった。
「…ここなら大丈夫です。」
ここは魚部ハンターの別荘。
Wi-Fiなどは通ってなく、防音の部屋もある。
まさにこのためだけに作られたような場所だ。
「…それでは、赤月ハンターの秘密を教えていただけますか?」
「…わかりました。
お話しましょう。この力の正体を。」
俺はほぼ全てのことについて話した。
世界の始まりについて、この地球に魔力などが現れた理由、この力の正体、両親がいなくなった理由、この力を手にしたきっかけ、敵の正体など。
俺が知り得るほとんどのことを教えた。
「敵の数は残り、五体です。
そして、そいつ等が攻めてくるのも時間の問題でしょう。
…これで全てです。」
「…いやはや…ここまで壮大な秘密だったとは…これは確かに世に広まってはいけませんね。」
「はい。そして、これから何が起こるか一切分かりません。
ですので、地下シェルターの増設を全国でお願いしたいです。
何かあった時のために。」
「分かりました。お任せください。」
そうしてこの話は終わった。
けど、結月も彩も納得はしていないようだった。
そして家に帰ってからもこの話題は続いた。
「ねぇ。ホントにお兄ちゃんがやらなきゃだめ?」
「え?」
彩が聞いてきた。
「だってさ、殺すだけなら簡単にできるんでしょ?
なんで見ず知らずの他人のためにお兄ちゃんが命をかけないといけないの?
もう死ぬことが確定してるなら殺せばいいじゃん。
お兄ちゃんならできるんでしょ?」
「駄目だ。できるけど駄目だ。」
「なんでよ!それで死んだらどうすんのよ!その人たちが勝てなかったなら、お兄ちゃんが勝てなくなる可能性も有るんでしょ?!」
「ない。」
「なんで言い切れるのよ!」
「…気になっていろいろ聞いてみたことがあるんだよ。
けどな、皆一貫してもう守るものがいなかったんだ。
パートナーがいなかったり、既に亡くなってたり、最後の家族が乗っ取られたりとかの理由で。
けどな、俺には居るんだよ。四人。
知ってるか彩。守るものがある奴はな、弱点も増える。けど、それがない奴等の何倍も強くなれるんだ。」
俺は彩の頭を撫でた。
「俺は必ず勝つ。」
「…死んだら、殺すから。」
…矛盾してんじゃねえか。
「分かったよ。」
その時、結月も部屋から出てきた。
「…私とも約束して。必ず何があっても帰ってくるって。」
「分かったよ。」
人はどうして、約束が力になるのだろうか。
そして、『世界』Μにて
「…よし。それじゃあこれで行こう。」
「だが、万が一、私達が負けた場合はどうする。」
「ふむ…そんなことは無いが、想定はしておいたほうが良いな。」
その時、別の場所から声がした。
「何の話をしているんだ?」
「0…!」
「四人で悪魔を殺しに行こうと思ってな。
だが、万が一我らが負けた時の事を準備しておこうと思ってな。」
「…それならいい方法があるぞ。」
「いい方法?なんだそれは?」
「俺が出ればいい。」
「だが、回復は?」
「だいたい終わっている。」
「だが、お前のゲートを作るためには相当な量のエネルギーが必要だが、どうするつもりだ?」
「それはな…」
「…なるほど。まぁ良いだろう。どうせ死ぬ命なら有効活用したほうが良い。」
「良し、じゃあ準備は整ったな。」
「それじゃあゲートを作りに行くとしようか。」
この世界にも着々と魔の手が迫ってきている。
世界の存亡をかけ戦いが始まるのも時間の問題だ。
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