クエスト7[虐殺者]
現在の能力値 スキル
筋力60 『加速』
『貫通』
体力20 『隠密』
俊敏25
魔力30
奥に行くほど蜘蛛たちはわんさか湧いてくる。これならレベルアップも、すぐだ!
そして途中に分かれ道があった。幸い、E級二人が余裕そうなので二手に分かれることになった。
俺と南田くんと斎藤さんが左に、水井さんと伊達くんが右に行くことになった。
左の道は蜘蛛の大部屋だった。つまり、ボス部屋は右の道である。俺たちは蜘蛛を全部処理してから合流することにした。蜘蛛は構造上、頭胸部と腹の間が最も細いなのでそこを狙ってひたすらに狩る。たちまち50万ほどの大金を手にし、『レベルがアップしました。』の通知も来た。
『レベルが10に到達したため、インベントリが解放されました。現在のスロットは10です。』
『レベルが10に到達したため、騎士の館ダンジョンのカギを入手しました。』という謎のメッセージ達とともに赤いカギがシステム画面のインベントリ欄に入っていた。後で色々調べてみよう。
「赤月くん何ボーっとしてるの?」「いや、何でもない。」この何気ない会話により、このシステム画面は俺にしか見えていないことが明らかになった。
「本当に何なんだ?このシステムは…」俺にしか見えない謎のもの…もっと疑問が増えた。
「おーぃ二人ともさっさと合流す…グハ!…」急に斎藤さんの腹から剣が。
「!」その後ろには水井が剣を突き出していた。
「おい!お前何しているんだ!伊達くんはどうした!」
水井は斎藤さんから剣を引き抜き部屋の隅に蹴り飛ばした。
俺たちは斎藤さんを止血するために急いで近寄った。しかし、水井は何もしてこない。代わりに丸いものを投げてきた。
「ゔおぇ」南田くんが吐いた。水井が投げてきたものそれはおびえた顔をした伊達くんの首だった。
「最高だったぜ。」水井が話し始めた。
「お前らはどうして?と思っていることだろう?いいことを教えてやる。俺はな、一般的にダンジョン殺人鬼と呼ばれる人間なんだよ!」
ダンジョン殺人鬼はダンジョンの中は監視が甘いことを利用し、殺人をする奴らのことである。過去にも海外で似た事件が起きていたりする。
「こいつの顔は最高だったぜ。切られただけでおびえすぎて失禁してよぉ首を切った後にも涙を流すんだぜ?」
斎藤さんの止血をしながら聞いていたが、ここまで明確な殺意はモンスターにすら抱いたことがなかった。「おっと、そいつはもうどうしようもないぜ?確実に潰すために刃に毒を塗った。」確かに斎藤さんの背中の傷口が紫色になっていた。
「赤月くん、もういい。二人は早く逃げなさい。」「でも…!」「私はもう助からない。ゴフッ…ハァ…ハァ…もう…長くない。」「…ッ」「家族に帰れなくてごめん。愛してると伝えてくれ。」「はい!必ず!」「ありがとう…」そういうと斎藤さんは二度と目を覚ますことはなかった。
「それよりお前ら二人でどうする気だ?」南田くんは動揺などによりまともに戦えない。
「…俺がお前を殺す。」俺はレベルアップの5ポイントを魔力に振り分けた。
「E級ごときに何が…」「加速、貫通」その直後水井の腹には風穴があいていた。
『貫通』は魔力消費が5ポイントしか必要もなく、今の筋力値と合わさると直径10㎝ほどの風穴があいた。
そうして水井はあっけなく倒れた。そうして一番焦ったのは南田だった。
(C級のハンターが瞬殺されたんだけど!絶対こいつ…いやこのお方E級じゃない!これは場合によっては目撃者として処分されてしまうかもしれない!)
「えーあのー赤月さん?これからどうします?管理局に報告しますか?」
「いや、このままボスを倒す。」
「え?」
[第8話に続く]
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