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クエスト68[トレント討伐作戦]

 「プランCだ!」


 魚部ハンターがそう叫ぶと、北宮ハンターと、星(烏天狗ハンター)が武器を構え、魚部ハンターと虎山ハンターは後ろに下がり、私は炎を纏い先陣を切る役目だ。


 トレントは見た目通り、『木』だから勿論火に弱く、斬撃にも弱い。

 しかしその分、数が多い。その為、他のハンターと違い、両手共に斬撃を繰り出せる虎山ハンターは後方で遠距離攻撃がメインの魚部ハンターを守る立ち位置なのだ。


 「帯雷炎!」


 体の所々から炎が現れ、電撃も現れる。

 そして、トレントの懐に飛び込んだ。


 「炎針!」


 炎を針状にし、相手に突き刺す。

 刺さった根はたちまち発火した。

 しかし、他の根に上から押さえ込まれ、火は消されてしまった。


 「三式!輪発竃将(りんぱつそうしょう)!」


 槍を魔力で強化し、力任せに突き刺すことにより、槍で刺せるよりも圧倒的に大きな範囲を抉り飛ばす技。

 これにより、根の根元の太い部分を破壊し、一本根を破壊した。


 「二式!兜割!」


 一方、星も根の根元の方を斬り落とした。


 その時、「撃つぞ!」という掛け声が聞こえ、私達は端に避けた。


 「矢滝雨(やだきあめ)!」


 魚部ハンターは水魔法を使う。

 この技は、細長い水魔法で作った矢を広範囲に展開し、目標にめがけて一気に落とす大技。

 水の為、直接のダメージにはなりにくいが、矢が木を貫通し、地面に突き刺さることにより、動きを制限することができる。


 動きを一時的に封じられたトレントは根をさらに伸ばし、上空や、地底などありとあらゆる所から魚部ハンターを狙った。

 そして、守りが足りなくなってきため、星も魚部ハンターの援護に回った。


 その後、私は魚部ハンターのウォーターカッターでの援護を受けながらトレント本体の周りを回り、燃やしていた。

 魚部ハンターにさく根の数を増やした為、攻撃が緩やかになり、火を消されることも少なくなったため、徐々に焼け跡が増えていった。


 そして、鬱陶しくなったのか、遂に残りのすべての根を使い、上に飛び上がっていた私にめがけて一本槍のようなものを突き刺してきた。

 しかし、それが届く前にその攻撃は中断される。


 トレントの目と思わしき穴に槍が刺さっている。

 北宮ハンターの能力は透明化。しかし、武器までは透明にできないため、注意をそらす必要があった。

 以前私が負けた原因を使い、今度は味方を勝利に導く。


 「矢狐火(やこび)!」


 指から放たれた炎針よりも少し大きい炎は北宮ハンターの槍の刃の根元につき、槍は炎の刃となる。

 この炎は、魔力を原料に強くなる為、常時魔力で覆っている北宮ハンターの槍につくと、とてつもなく大きな炎となる。


 「ボワアァアァアァ!」


 変な鳴き声を発しながらトレントの体は炎に包まれた。

 しかし、トレントはまだ諦めない。

 すべての根を集結させ、自分を完全に覆った。

 そして、酸素を無くし、火を消そうとしている。


 「させるか!」


 根の攻撃が完全になくなった今、この根を破壊し、本体にとどめを刺せれば勝ちだ。


 「水刃!」

 「乱月!」

 「二式・改!月輪多角!」

 「一式、居合・不止の太刀!」

 「帯雷炎!」


 全員が各々の斬撃系の攻撃を繰り出した。

 そして、一点に攻撃が集中し、一箇所大きな穴が空き、本体が見えた。


 「今だ!」


 全員が飛びかかり、とどめを刺そうとした時、トレントの口が少し上がった。

 しかし、誰もそのことに気が付かなかった。


 ドシュッ!


 嫌な音がした。

 口からはなぜか血の味がする。


 え?何で?

 

 腹からは木の根が生えていた。


 ドサッ…ドサッ…


 次々とハンター達は力なく地面に落ちていく。

 その時にちらりと見えた。

 アイツは空気を遮断するついでに根を自分の真下の地面に刺し、地中を通って私達の後方から出し、刺したのだ。

 つまり油断だ。


 「シャッシャッシャッシャッ!」


 嫌な笑い声が響く。

 ヒーラーがいればよかったのだが、前回の尖閣諸島ダンジョンの時に鳥嶋ハンターが亡くなったことが原因で誰一人ヒーラーが行きたがらなかったのだ。

 正確には亡くなった理由はS級ダンジョンのせいではないのだが、まぁ仕方ない。


 「水刃!」


 水刃は本体に当たったが、水魔法のため、やはり火力不足だった。


 「…」


 トレントから笑いが消えた。

 そして、木の根を5本上げ、とどめを刺しに来た。

 たった数秒で形勢が逆転してしまった。


 しかし、ちょうどその時、上空では新たなゲートが姿を現していた。

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